gt1030msi画像引用元:https://jp.msi.com/

当記事では、GeForce GT1030の性能スペック&ベンチマークを紹介している。ここでの焦点はロークラスのGeForce GT 1030でゲームプレイをどれだけこなすことができるのかだろう。GeForce GT 1030搭載モデルが数多く販売されていた当時”ゲーミングPC”としては謳われておらずあくまでも一般的なBTOパソコンとして販売されていた。そのことから結果は容易に想像が付くだろう。

現在GT 1030の2世代後のAmpere世代のグラフィックボードが登場しているが、このGT 1030の後継モデルは登場していない。この性能帯のモデルは世代ごとに切り替わることはなく息が長い傾向にある。ある意味現行モデルだと考えてよい。GeForce GT 730やGeForce GT 710も同様にGeForce GT 1030が登場するまで後継モデルはリリースされなかった。

なお、GDDR5メモリを搭載したモデルとDDR4メモリの2種類が販売されている。後者はパフォーマンスが大きく劣ってしまうため購入時には確認することが大切だ。DDR5メモリ搭載モデルを購入しよう。おすすめモデルについては、「GeForce GT 1030搭載おすすめBTOパソコン」でまとめているので参考にして欲しい。

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GeForce GT 1030のスペック

GeForce GT 730との比較

GeForce GT 1030の比較対象はKepler世代のGT 730及び同じPascal世代のGTX 1050となる。GT 730は、およそ3年前に発売されたモデルでエントリークラスで中心的存在だった。この時代はまだ28nmプロセスを採用していてGT 1030になって進化している。トランジスタ数は18億とGT 730よりも76%引き上げられている。CUDAコア数はいずれも384基だ。

コアクロックはGT 1030になって36%向上している。GT 1030はブーストクロックも高い。GPUメモリ容量は2GBへと倍増だ。バンド幅20%向上してメモリ周りの強化も行われている。これだけスペックが引き上げられてもTDPは20%ダウンの30Wに留まる。価格は$20高くなっている。

次にGTX 1050と比較していく。+$30でワンランク上のGTX 1050が手に入るのが悩ましい。現行のTuring世代のGTX 1650となるとさらに$70の差があるので比較対象にはならない。予算が許すのであれば50番台を手に入れる方が性能面での満足度は高いかもしれない。

CUDAコア数が70%アップと大幅にスペックが引き上げられる。コアクロックが10%、ブーストクロックが1%とそれぞれダウンだ。メモリ周りも強化されていてGPUメモリ容量こそ変わらないが、メモリバスが128 bitへと倍増でバンド幅も130%向上している。TDPは2.5倍の75Wとなる。それでも補助電源は不要でロープロファイル規格対象だ。

ゲームプレイに少しでも余裕をもたせたいなら魅力的な選択肢となる。もっともGTX 1050 Tiや現行のGTX 1650の方が好ましい。GT 1030はあくまでもロークラスのグラフィックボードで動画再生やライトゲームをプレイするためのものだと考えるべきだ。NVIDIAとしてもゲーミングでの使用は想定していない。それでも立場さえ理解しておけば価格が安く魅力的な製品だと言える。

Radeon RX 550との比較

 GT1030RX 550
アーキテクチャPascalPolaris
GPUGP108LexaPRO
プロセス14nm14nm
トランジスタ数18億22億
ダイサイズ74mm2103mm2
CUDAコア数384基512基
コアクロック1227MHz1100MHz
ブーストクロック1468MHz1183MHz
GPUメモリ2GB GDDR54GB
メモリクロック1228 MHz1750 MHz
メモリバス64 bit128 bit
バンド幅48.06 GB/s112.0 GB/s
TDP30W50W
価格$79$79
発売日2017/05/172017/04/20
GT 1030のスペックについてRadeon RX 550と比較する。Radeon RX 550はAMDが手がけているグラフィックボードでどちらもエントリークラスだが、スペック的には大きな違いがある。GT 1030はCUDAコアを抑えてクロック数が高いという特徴がある。

一方、RX 550は、CUDAコア数を30%程度高くして、クロック数を10%下げている。また、GPUメモリも倍増の4GBだ。TDPはGT 1030の方が40%省電力となっている。性能的にはわずかにRX 550の方が上回っているが、プレイするタイトルによって異なる。傾向としてRX 550は新しいタイトルに強い。ただし、在庫がなく現状Radeon RX 550は購入が難しい。

総合性能

gt1030benchmark

スペックを見たら次は総合性能を見ていこう。GeForce GT 1030(GDDR5)は、従来モデルであるGeForce GT 730と比べて3倍以上グラフィックス処理性能が向上している。エントリークラスのグラフィックボードとして及第点だろう。IntelのCPU内蔵グラフィックスよりも2倍以上の性能を持っているのはさすがだ。

DDR4メモリを採用したGT 1030は問題だらけのグラフィックボードだ。GDDR5搭載モデルと比べて42%もパフォーマンスが落ちてしまう。特徴の項目で詳しく見ていく。競合であるRadeon RX 550の方が僅かに性能は高いが、ゲームプレイ時のパフォーマンスはGT 1030に軍配が挙がる。Pascal世代のGTX 1050との性能差はおよそ2倍だ。Turing世代のGTX 1650と比べると3倍程度の性能差がある。

こう考えると十分な性能のように思えるが、実際はゲーム全般の要求スペックが上がっているため快適にプレイできないことがある。この性能でどこまでゲームがプレイできるかそれはベンチマークで後で具体的なタイトルごとに紹介する。

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GeForce GT 1030の特徴まとめ

9,000円で購入できる格安グラフィックボード

GeForce GT 1030は、わずか9,000円で購入できるエントリークラスのグラフィックボードだ。この9,000円という価格は絶妙(なお中古でも価格に大きな違いはない)だ。数千円という価格は社会人の方ならそれほど問題にならないかもしれないが、学生にとっては深刻な悩みとなるだろう。もし、価格の安いGT 1030でゲームができるならそれほど喜ばしいことはないというわけだ。

モバイル向けでいうとMXシリーズということになる。かつてのエントリークラスと言えば、GT 730がゲーミング向けで人気のあるグラフィックボードだった。その時代はRadeon R7 300がライバルだったがいずれも10,000円以下で人気があった。NVIDIAがついにPascal世代でエントリークラスのグラフィックボードであるGT 1030を投入した。

2019年にTuring世代のグラフィックボードが登場してからも唯一無二の存在となっている。このクラスのグラフィックボードは現行モデルでは販売されていない。一番下のモデルのGTX 1650は、GTX 1050 Tiを超えるパフォーマンスを持っている。グラフィックボードの性能について底上げが行われた結果CPU内蔵グラフィックスと50番台の間を埋めるモデルが存在していない状況だ。

タイトルによっては60fps以上出すことが可能

少し前のタイトルや要求スペックの低いタイトルを楽しみたいというなら選択肢に入ってもおかしくない。例えばサドンアタック、StarCraft、Prey、Dirt4、Fortnite、ロケットリーグなどの負荷の軽いタイトルであれば設定を低くすることで常時60fps以上プレイできる。

また、DirectX 9やDirectX 11がベースとなるタイトルならRadeon RX 550よりもパフォーマンスは良くなる。一方、DirectX12など最新のAPIならRX 550の方が優れている。このグラフィックボードごとの特性は理解しておく必要がある。

なお、設定を下げても太刀打ちできないタイトルも存在しているのは事実だ。例えば、人気タイトルのPUBGなどが当てはまる。比較的新しいタイトルをたくさんプレイするならお金を貯めてGTX 1650/GTX 1050 Ti以上を選択する方が賢明だろう。

「安物買いの銭失い」となってしまう可能性があるからだ。プレイするタイトルが決まっている方やサブパソコン用として購入するなら悪くないことは付け加えておく。

GT 1030搭載モデルは減少傾向にある

2021年10月時点でGT 1030を搭載したBTOパソコンはほとんどないと考えておこう。パソコン工房でいくつかのモデルが販売されているのとサイコムでカスタマイズができる程度だ。今はそれほど需要が高くないのだろう。

価格帯を考えるとGTX 1650搭載モデルが候補に入ることもあるかもしれない。省電力性を重視している場合やマルチモニター構築を考えている場合のみ選択を検討しよう。高いグラフィックス性能を求める方には不向きだ。

DDR4メモリ搭載モデルに注意

 GT 1030 GDDR5GT 1030 DDR4
アーキテクチャPascalPascal
GPUGP108GP108
CUDAコア384基384基
ベースクロック1228 MHz1152 MHz
ブーストクロック1468 MHz1379 MHz
メモリ規格2GB GDDR52GB DDR4
メモリクロック1502 MHz1050 MHz
メモリバス64 bit64 bit
メモリバンド幅48.06 GB/s16.80 GB/s
消費電力30W20W
発売日2017/05/172018/03/12

GT 1030には、標準のGDDR5メモリを搭載したモデルとDDR4メモリを搭載したモデルの二種類があることをご存知だろうか。2017年3月にGDDR5搭載モデルが登場して、その後品薄状態が続いたためNVIDIAが急遽GDDR4搭載モデルを発売したという経緯がある。

そしてこのGDDR4メモリを搭載したGT 1030は、GDDR5メモリ搭載したものと比較して50%もパフォーマンスが低下してしまう。絶対に選んではいけないグラフィックボードだということになる。ただし、日本国内ではそれほど流通していないようだ。念の為購入の際はメモリ規格を確認しておこう。

GDDR4搭載モデルではメモリベース周波数が30%引き下げられていてその影響は大きい。GDDR5では2つのパラレルリンクを採用しているため、メモリ速度は実質2倍以上の65%低いということだ。また、メモリ幅も65%下がって、48 GB/s→16.8GB/sとなっている。これは2014年に発売されたDDR3を搭載したGeForce GT 730よりもほんのわずかに高い程度だ。

これだけスペックが違ってパフォーマンスも劣るGT 1030が同じネーミングかつ同じ価格で販売されているのは問題だろう。自作ユーザーの方はこのGDDR4搭載モデルを選択しないようにしたい。正しい、ネーミングはGT 1020ではないのだろうか。ユーザーを誤認させる最悪なモデルだと言える。

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GeForce GT 1030のベンチマーク

気になるGT 1030の実力を見ていこう。ゲーミング用途で人気を博したGTX 750 Tiや同じクラスのRX 550などと比較することでより性能がはっきりと見えてくるだろう。また、GDDR4メモリを搭載したGT 1030との違いにも注目だ。HD環境及びFULL HD環境(全て低設定)でのフレームレートを計測している。

Battlefield 1

battlefield

GTX 960196
120
RX 550126
76
GTX 750 Ti124
70
GT 1030 GDDR5104
61
Ryzen 5 2400G77
46
GT 1030 DDR451
28
720p1080p
フルHD環境でも低設定なら十分対応することができる。60fpsを超えているのは評価できる。HD環境なら104fpsと余裕が生まれる。問題はGT 1030 GDDR4だろう。HD環境で51fps、フルHD環境で28fpsと散々たる結果となっている。これだと内蔵グラフィックスと変わらない。

Radeon RX 550が健闘しているのはメモリ容量が大きいことが要因だろうか。FULL HD環境で76fps、HD環境で126fpsとGT 1030よりも20%以上高くなっている。GTX 750 Tiと同等のパフォーマンスのも驚きだ。スペックが高いだけのことはある。

Far Cry 5

farcry5

GTX 96094
56
RX 55063
34
GTX 750 Ti62
35
GT 1030 GDDR550
23
Ryzen 5 2400G49
19
GT 1030 DDR428
13
720p1080p
数値を見る限りFar Cry 5のプレイはやや厳しいかもしれない。HD環境でも50fpsと安定感に欠ける。フルHD環境では23fpsと歯が立たない。ここでもRadeon RX 550がパフォーマンスが高くなっている。GT 1030よりも25-50%もフレームレートが高い。GTX 750 Tiと同等のスコアを叩き出した。GT 1030 GDDR4のパフォーマンスは悲惨だ。Ryzen 5 2400Gよりも低いのはいただけない。

Fortnite

fortnite

GTX 960234
120
GTX 750 Ti146
74
GT 1030 GDDR5130
66
RX 550110
56
Ryzen 5 2400G93
49
GT 1030 DDR473
38
720p1080p
Fortniteは比較的負荷の軽いタイトルとなっている。GT 1030でも低設定ならサクサク動かせる。フルHD環境でも66fpsと余裕がある。Radeon RX 550よりも20%近くパフォーマンスが高いのは素晴らしい。GTX 750 Tiに匹敵するスコアとなっている。GT 1030 DDR4は、GDDR5の50%ダウンとなっている。HD環境ならゲームプレイはできるがとても評価できるモデルではない。

GeForce GT 1030の消費電力

cmdengengt1030-watt

GT 1030 GDDR5とRX 550を比較すると前者がいかに省電力性に優れたグラフィックボードであるかということがわかる。およそ12%省電力となっている。電源ユニットも300Wあれば余裕が生まれる。DDR4メモリを採用したGT 1030は省電力性に優れているが、性能差を考えるとパワー効率がよいとは言えないだろう。

GeForce GT 1030搭載おすすめBTOパソコン

Radiant GZ3000Z590(サイコム)

Radiant GZ3000Z590価格:126,800円(税込)
CPU:Core i5-11400
GPU:GeForce GT 1030 カスタマイズ対応
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:480GB
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE

公式サイト

サイコムのベースモデルも検討する価値がある。PCケースにはサイコムオリジナル仕様のFractal Design CORE 2550S Blackを採用している。GPUについて標準ではCPU内蔵グラフィックスとなっているが、カスタマイズでGT 1030にアップグレードすることが可能だ。メモリ8GB、SSD 480GBという構成になっている。あなたの好みに合わせてベストなモデルを作り上げることができる。オーバークロックを考えていないならマザーボードをH570にして価格を下げることもできる。

SENSE-R0X5-R73X-INT-DAC(パソコン工房)

SENSE-R0X5-R73X-INT-DAC価格:151,980円(税込)
CPU:Ryzen 7 3700X
GPU:GeForce GT 1030
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:240GB+480GB
HDD:非搭載
電源:850W GOLD

公式サイト

Ryzen 7 3700Xを搭載したクリエイターモデルとなっている。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高く動画編集・RAW現像・DAW/DTMなど幅広い用途でおすすめだ。負荷の掛かる用途でも対応しやすい。SSD×2基搭載しているのも興味深い。BTOパソコンではなかなか見られない構成だ。電源ユニットは850W GOLD採用で将来的なCPUやグラボの換装にも対応可能だ。

SENSE-F0X5-LCR59W-INXD-DAC(パソコン工房)

SENSE-F042-LCXW26-INX価格:256,980円(税込)
CPU:Ryzen 9 5950X
GPU:GeForce GT 1030
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:500GB NVMe+500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:700W BRONZE

公式サイト

Ryzen 9 5950X搭載のクリエイターPCだ。16コア32スレッドとマルチスレッド性能が高い。動画編集・ゲーム開発などメニーコアを活かせる用途に最適だ。メモリ32GB、SSD 500GB NVMe対応×2と圧倒的な構成を持つ。SSDのダブルストレージは魅力的だろう。長く使用できるモデルとなっている。電源ユニットは700W BRONZEを採用している。

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