大人にも広がる「電話恐怖症」 受けるのも掛けるのも“怖い”理由とは?
最近の若者は固定電話に慣れておらず、職場に掛かってくる電話も取りたがらない、といった話をしばしば耳にします。しかしこの「電話恐怖症」、若者だけでなく大人にも広がっているようです。一体なぜなのでしょうか。ライターの鳴海汐さんが現状をリポートします。
電話は掛けるタイミングにも気を遣う
電話は、受けるだけでなく、掛けるのにも少なからぬ緊張を要します。「電話は相手の手を止めるもの」なので、迷惑をかけてしまうという感覚があるからでしょう。電話で説明することに不安を感じ、あらかじめメールを送っておくなどの対応をする人もいるのではないでしょうか。
電話の何が“怖い”かというと、声色などから相手の気分を察知しやすいところです。そのため、朝は「先方が忙しいだろうから」、昼前は「おなかが空いて落ち着かないだろうから」、13時頃だと「まだ休憩中かもしれないから」、などとグズグズします。14時頃になりコーヒーを飲みながら勇気を奮い立たせ、意を決して電話を掛けるのです。
そして携帯電話に掛けて、相手の通話口から風の音が聞こえれば、外出中だったかと萎縮します。固定電話に掛けて、「席を外しております」と聞けば、折り返しの申し出に恐縮したり、相手が出なくてホッとしたり、また緊張が先延ばしかとがっかりしたり……。
難しいのは仕事上の電話だけではない
なぜ仕事の電話には、こんなにも苦手意識が付いて回るのでしょうか。現在40代の筆者の場合、プライベートにおいては20代前半くらいまでは家の固定電話、その後はPHSや携帯電話を使って人と長電話することが当たり前だった世代です。
それがいつの間にか、友人との連絡・コミュニケーションはSNSでのチャットになり、電話で話すことはほとんどなくなりました。
電話をよく使っていた時代においても、お店に電話するのは多少の緊張を伴うものでした。
夕方の飲食店の予約は、できるだけ店内が忙しくなさそうな開店直後に電話しますが、呼び出し音が長引くほどに、ハラハラ。この忙しそうなときに電話か! とか思われるのではないかと想像してしまうからです。
美容院やエステ、鍼灸(しんきゅう)院などで担当さんと話すことになる状況も勇気が要ります。お店で対面で楽しく会話しているときのテンションに合わせないといけないと考えてしまうからです。自分が元気なときでないと、電話を掛けるのが面倒に感じられてしまうのです。
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