素顔を見せる機会がなくて……コロナ禍の「マスク美人」問題を上手に回避する方法とは?
コロナ禍の2020年、マスクはすっかり常用品のひとつとして日本に定着しました。この間に知り合った人には、まだマスク姿しか見せたことがない、なんていうケースも。マスクを取ったら「あれ? 何か違う?」と思われてしまう、「マスク美人」問題。どうすれば回避できるのか、ライターの鳴海汐さんが国内外の事例を基にリポートします。
マスクをすると魅力が増す人が多いのはなぜか
いったいなぜこのようなことが起きているのでしょうか。
マスクと魅力についての研究は、さまざまな国で行われているようです。
その中で一番分かりやすかったのが、ベルギー・アントワープ大学の哲学心理教授であるベンス・ナナイ博士の記事です。この現象は、「アモーダル補完」という見えない部分を脳内で補うことで認識する視覚機能で説明できるそうです。
目の前にいる相手のマスクをしていない顔をすでに知っている場合、私たちはマスクで隠れた部分を記憶で補って全体像を構成しています。一方、初対面がマスク姿であって、鼻と口を見たことがない場合、これまで見てきた人々の鼻と口の様子を平均化したものを当てはめているそうです。
しかも脳が心地よいと感じる美しいものほど記憶されやすいので、それが影響して平均化といっても美化されたものになりがちとのことです(2020年6月20日付、『Phychology Today』)。
マスクで魅力が減る人もいる
しかし、マスクをすることで魅力度が変わらない人や、マスクを取った方がはるかに魅力的な人がいるのも事実です。周りにも、かなりの美人がマスクをすることで普通になってしまっているなあと思う人がいるのではないでしょうか。
知人のスペイン人も「マスクを取ったら別人のように美しい人がいて驚いた」と言っていました。実際、元の魅力が高いほど、マスクをすると魅力が下がるという研究結果を北海道大学で認知行動科学を研究する河原純一郎教授が発表しています。
マスクが良い部分を隠してしまい、さらに「マスク = 病気」という不健康な印象がプラスされるという理論です(2016年11月号、『産学官の道しるべ』)。
たとえ、鼻や口といったパーツが本人にとって自信がないものであっても、美はトータルのバランスで量られるものなので、マスクなしのがよいという結果になることもあるのを筆者は見てきています。
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