コロナ禍のシェアハウス、暮らして痛感した「家庭内感染」防止の難しさとは【東京・ロンドン徹底比較】
以前は「夜の街」が挙げられていた、新型コロナウイルスの感染拡大ルート。しかし2020年夏以降は「家庭内感染」にも注目が集まるようになりました。ひとつ屋根の下で暮らす者同士が感染を予防する難しさとは、東京とロンドンそれぞれの都市についてライターの鳴海汐さんがリポートします。
運用あいまいな「自主隔離」ルール
2軒目は、在英35年のアジア系女性のアパート。一応マスクをして接していたのですが、「私はワルだから、マスクしないの」と彼女は言いました。
話好きで、ここ数年の出来事、今取り組んでいることなど、こちらが心配になるほどの長話となりました。
リモートワークで何か月も閉じこもって頭がおかしくなりそうなので、朝晩の散歩が欠かせないとのこと。上司がリモートワークでメンタルの病気にかかったので、自分も気を付けなければと言っていました。
寝室が隣同士だったのですが、1泊目の明け方、かなり咳き込んでいるのが聞こえてきました。
このとき、
「スペイン旅行が半額だったからこの間行ってきた。感染者が増えていたけれど、キャンセルするのはもったいないし。観光が打撃を受けているから、お金を落とさないと。サニタイザー(消毒用アルコール)をたくさん持って行って、頻繁に手の消毒をした」
と話していたことを思い出しました。
今も継続中の措置ですが、そのときイギリスでは、スペインから帰国後2週間の自主隔離が義務付けられていました。
毎日の咳が気になりなりつつ、なかなか聞けないでいたのですが、いつスペイン旅行に行ったのか尋ねたら、「今日で帰ってきて2週間! 自主隔離が終了。だから娘が会いに来るの」と。
自主隔離は、家に引きこもって、外部の人とは一切接しない、というルールですが、筆者を泊まらせていたのです。
さすがにショックで、咳は大丈夫かとコロナに言及してみたところ、「これはコロナじゃない。外から入ってきた埃。この咳は喉からだけど、コロナの場合は肺からの咳だから。味覚や嗅覚の異常も出てないし、熱もないし」とのこと。
人と暮らすリスクをあらためて実感しました。
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