コロナ禍のシェアハウス、暮らして痛感した「家庭内感染」防止の難しさとは【東京・ロンドン徹底比較】

以前は「夜の街」が挙げられていた、新型コロナウイルスの感染拡大ルート。しかし2020年夏以降は「家庭内感染」にも注目が集まるようになりました。ひとつ屋根の下で暮らす者同士が感染を予防する難しさとは、東京とロンドンそれぞれの都市についてライターの鳴海汐さんがリポートします。

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大家さんが「コロナ経験者」のケース

 入国後に直行したのは、イギリス人男性が大家さんのアパートです。

 どこの家でも、ソーシャルディスタンスの意味で距離を取られることになるだろう、多少避けるような態度を取られても仕方ない、と覚悟して向かいました。

 出迎えた大家さんはマスクをしていませんでした。日本でも、家の中でマスクをしている人はかなり少数派ですが、相手が日本から到着したての筆者と近づくことに抵抗があるかもしれないので、できるだけマスクをして接しようと考えていたため、少々面食らいました。

 個室で荷物の整理をしていたところ、大家さんに呼ばれたので向かった際、マスクを忘れたので、マスクを忘れましたと言いながら部屋に戻ったら、「マスクは要らないから」とひと言。

 話を聞くと、すでに3月に感染済みとのこと。看護師の恋人から感染し、嗅覚異常があったと。今は後遺症もないそうですが、本人からうつってしまった父親がもっと大変で、一時呼吸困難になったそうです。

 大家さんは抗体が今もあると信じていて、「家の中をあちこち消毒しているのは、ゲストのため」「僕は感染しないし、感染させないから安心して」と言いながら、リビングのリモートワークコーナーに戻っていきました。

 その後やってきた看護師の恋人も、「抗体があるから気を遣わないで」と話していました。

 実際のところ、彼らに抗体が今もあるかどうかはわかりませんが、本人たちは試験が終わった後の学生のように感染のプレッシャーから解放されていて、のびのびしている様子がうらやましかったです。

運用あいまいな「自主隔離」ルール

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【画像】コロナ禍のシェアハウスとは? 東京の事例を見る(3枚)

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