暗号資産(仮想通貨)のネム(NEM)とシンボル(Symbol)って何が違うの?2つの特徴や今後の価格の見通しを教えてほしい。
本記事はネム(NEM)プロジェクトおよび運営下のネム(NEM)、シンボル(Synmol)ブロックチェーンの全体像を捉えることによって、情報を整理して正しく理解することを目的にしたものです。
この記事を読むとネム(NEM)とシンボル(Symbol)のことが理解できるだけでなく、投資したほうがいいのかという疑問についても解決できると思います。
ネム(NEM)とは?
ネム(NEM)とは「New Economy Movement」を略した言葉で、ブロックチェーンを用いた非中央集権的で経済的自由なプラットフォーム開発を目指して作られたプロジェクトです。
ネムプロジェクトは2014年に立ち上げられ、2015年に開発テスト向けにネム(NEM)ブロックチェーンをローンチ。
2021年3月には機能を大幅に強化した企業向けのシンボル(Symbol)ブロックチェーンがローンチしました。
ネム(NEM)、シンボル(Symbol)の運営開発はネムグループ会社を中心にしたネムプロジェクト内で行われています。
実は各国政府との連携もあり、近年ではアラブ首長国連合やマレーシアなどの政府と提携を果たしました。
数ある暗号資産の中でも、政府の支持を得るというのは非常に大きいポイントです。
ネム(NEM)の特徴
最初に立ち上げられたブロックチェーンであるネム(NEM)は正式には「NEM NIS1」と呼びます。このブロックチェーン上で使われる通貨シンボルをXEM(ネム、あるいはゼム)と呼びます。
ネム(NEM)は開発テスト向けという立ち位置にあり、これを元に改良発展されたものが後にシンボル(Symbol)として立ち上げられました。
後に解説するシンボル(Symbol)も正式にはネムの名を冠しますが、単にネム(NEM)と呼ばれる場合にはこちらのブロックチェーンのことを指すことが普通です。
ネム(NEM)の特徴は以下のとおり。
- 処理速度が速い
- セキュリティが高い
- 通貨はすべて発行済み
- 承認作業(ハーべスティング)
①処理速度が速い
処理速度というのはブロック一つを生成するのにどれくらい時間がかかるかに依存します。
代表的な通貨であるビットコインはブロック一つの生成に10分程度かかるのに比べて、ネム(NEM)では1分程度で処理することが出来ます。処理速度が早ければそれだけ多くの取引を行うことができ、遅延や手数料の高騰も起こりにくくなります。
使用用途を広げたり企業などにも導入しやすくなるため処理速度の速さはとても重要になります。
②セキュリティが高い
ネム(NEM)は、他の暗号資産と比較してもセキュリティが非常に固く、ハッキングの影響を受けにくいという特徴があります。
Eigentrust++という技術が実装されており、ノードの監視を行うことによって信頼性を高めることに成功しています。
暗号資産はネットワーク上の通貨。したがってハッキングを受けやすいという課題があるのですが、NEMではノード同士で監視が行われるシステムによってそれを解決しました。
セキュリティの評価の高さはマレーシア政府やリトアニア中央銀行のような政府機関と提携していることからも伺うことができます。
③通貨はすべて発行済み
ネム(NEM)の通貨発行上限枚数は約90億枚ですが、これらは全て発行が済んでいます。
新たに発行する余地をつくらないことで流通量が増えすぎないようにしてインフレを抑えています。
④承認作業(ハーべスティング)
ビットコイン(BTC)の取引を承認することを「マイニング」と言います。それに対しネム取引が承認される場合は、「ハーベスティング」と言います。
ネム(NEM)で使用されているのはPoI(Proof Inmportance)と呼ばれる承認方式で、通貨の所持数の他に取引額や頻度を考慮してアドレスの貢献度を決定し、確率で分配する方式となっています。
ビットコインなどに使われる代表的な承認方式のPoW(Proof of work)に比べると、大量の電力を必要としないこと、一部の資金力の高い所有者に報酬が偏らないことなどのメリットが上げられます。
シンボル(Symbol)の特徴
2021年3月17日にNEMの大型アップデートの「Symbol」が正式にローンチされました。
ネムの新しいプラットフォームとしてシンボルが誕生しました。シンボル上で動く仮想通貨はXYM(ジム)という名前の新しい仮想通貨です。
当初はカタパルトと呼ばれていましたが後にシンボル(Symbol)と呼ばれることになりました。
シンボル(Symbol)の特徴は以下のとおり。
- セキュリティと処理速度の向上
- コンセンサスアルゴリズムにpos+を採用
- クロスチェーンスワップ
- ハードフォーク「キプロス」を完了
①セキュリティと処理速度の向上
ネム(NEM)で十分に速かったブロック生成の時間は、シンボル(Symbol)では30秒程度になり2倍の処理速度を獲得しました。
セキュリティも向上し、マルチレベルマルチシグという複階層での複数署名を導入されました。例えば、物流工程でのチェックに複数の担当者の署名がなければ出荷されない、という機能を複数の段階に分けて行う、と言った使い方が考えられます。
他にもアカウント制限によって特定のアドレスからのみ受信を可能にしたり、逆に特定のアカウントからの受信をブロックすることが出来ます。これらの機能により外部からのハッキング攻撃への耐性が更に高まっています。
②コンセンサスアルゴリズムにPoS+を採用
ネム(NEM)ではPoIだったものがPoS+(Proof of Stake+)に改められました。
保有量だけでなく、取引額や頻度に応じて分配される確率が高まるという方針には変わりませんが、より細かいレベルで取り扱われます。
③クロスチェーンスワップ
パブリックチェーンとプライベートチェーンであったり、ビットコインとシンボル(Symbol)のように異なるブロックチェーン間での交換を第三者の仲介なしに行うことが出来ます。
異なるブロックチェーン同士をつなぐことによって経済全体の拡張性につながります。
④ハードフォーク「キプロス」を完了
ネムオフィシャルは11月12日、シンボル(XYM)のハードフォーク「Cyprus(キプロス)」が成功したことを発表しました。
キプロスによって、今後新たに発行する資金については米Valkyrie社とコア開発者がマルチシグで管理される予定です。
ネム(NEM)、シンボル(Symbol)の価格推移
ここからはネム(NEM)、シンボル(Symbol)の価格推移について触れていきます。
①ネム(XEM)の価格推移
以下は、NEMのこれまでの値動きを表したチャートです。
特に大きな値動きに関しては、次の3つの要因が挙げられます。
- Coincheckの流出事件
- Consensusの実装
- Symbolの発表
2018年の初頭、CoincheckのハッキングによりNEMが大量流出してしまいました。
この事件は「Coincheck事件」とも呼ばれており、暗号資産全体でみても非常に有名な出来事となっております。
2つ目が、2019年の5月に米国でconsensusという会議が行われ世界的な大企業や暗号資産の関係者、そして投資家が集まり、暗号資産全体の価格を大きく引き上げました。
NEMに関しても、consensusの実施によって大きく値上がりしています。
3つ目が、2020年の11月にNEMの大型アップデート「カタパルト」が実装されたことによる上昇です。
このアップデートによって新しいブロックチェーン「シンボル」が誕生し、今後の機能性向上に期待が寄せられて価格が大きく上昇しました。
②ジム(XYM)の価格推移
2021年の3月にローンチしてすぐに約100円をつけました。しかし価格の上昇に繋がる大きなニュースがなく緩やかに下落を続け、一時は20円以下で推移することになりました。
2021年10月にはビットバンクに上場したのをきっかけに価格が上昇しています。
シンボル(Symbol)の将来性に関するポイント
シンボルのローンチによってネム(NEM)は役目が終わり価値がなくなった、と捉える人もいるようですがネム自体の開発も継続して行われることは公表されており、今後シンボル(Symbol)の動きに連動して価格が上がる可能性は十分にあるでしょう。
- FIFAワールドカップ
- DeFiへの参入
- NFTへの参入
- コミュニティの存在
それぞれ詳しく解説します。
①FIFAワールドカップ
1つ目のポイントは、FIFAワールドカップです。
FIFAワールドカップは2022年にカタールで開催を予定されているのですが、なんとこのワールドカップでシンボルが採用されると公表されました。
具体的には、現地のホテル建設のプロジェクト管理や、工事現場の監査において、改ざん不能な仕組みを構築するのに利用される予定です。
②DeFiへの参入
2つ目のポイントは、DeFiへの参入です。
NEMは、2021年のカタパルトアップデートの際にFantomの提携を果たしました。
Fantomとは分散型アプリケーション開発が可能なプラットフォームです。NEMがFantomと繋がったことで、DeFi市場とも繋がっていく可能性が高いと言えるでしょう。
▶▶DeFiについてはこちらの記事で紹介しています。
③NFTへの参入
3つ目のポイントは、NFTへの参入です。
Non-Fungible Tokenの略で、代替不能なトークンのこと。
シンボルはNFTへ参加することが予定されています。NFTはブロックチェーン上に取引の履歴を残すことで、アート作品等に独自の価値を付与するプラットフォームです。
▶▶NFTについてはこちらの記事で紹介しています。
④コミュニティの存在
4つ目のポイントは、XYMの存在です。
NEMは独自のコミュニティが活発で、グッズ販売やイベントなどが開催されています。コミュニティの活動によって、NEMの認知度が高まるかも可能性があります。
ネム(XEM)、ジム(XYM)の購入方法
ここからはネム(XEM)、ジム(XYM)の購入方法について説明していきます。
①仮想通貨取引業者からの購入
最も一般的な入手方法です。ネム(XEM)は国内では多くの取引業者で扱われているので既に口座を開いている場合はチェックしてみましょう。
取引所のひとつであるCoincheck(コインチェック)でネム(XEM)を持っていると、後述するオプトインでジム(XYM)を受け取ることができます。
▶▶Coincheck(コインチェック)については下記記事で紹介しています。
②オプトイン
この方法はジム(XYM)でしか行えません。オプトインとはネムの所有量と同量のジムを受け取るための申請のことです。
公式ウォレットを通じて オプトインすることによって所有するネム(XEM)と同じ量のジム(XYM)を受け取ることが出来ます。
似たような言葉にスナップショットというのがありますが、スナップショットが自動的に受け取れるのに対して、オプトインでは自分で申請する必要があります。
オプトインはローンチ前は各取引所でも代行サービスを行っていましたが現在はウォレットを通じて申請する必要があります。オプトインの方法に関する詳細はシンボルの公式ページを参照してください。
オプトインの期限はシンボル(Symbol)ローンチから6年までです。
ちなみにCoincheck(コインチェック)が「Symbol(XYM)」の付与について、2021年度中の付与に向けた準備を進めています。
そのため、ネム(XEM)、ジム(XYM)に興味がある方はCoincheck(コインチェック)で口座を開設しておくことをおすすめします。
▶▶Coincheck(コインチェック)については下記記事で紹介しています。
ネム(XEM)、ジム(XYM)は共に将来性に期待できる
ネム(NEM)は開発テスト向け、シンボル(Symbol)は企業向けでより実用性を重視したものになります。ネム(NEM)はシンボル(Symbol)のローンチ後も開発は続いており、今後のネム(XEM)の価格の上昇も期待できるでしょう。
ネム(NEM)、シンボル(Symbol)は全体的に性能も高くコミュニティも強固で既に支持者の多いプロジェクトになっています。企業や政府での導入も進められていてニーズが増えるのは時間の問題と言っていいでしょう
国内でもコミュニティが活発ですし、入手が容易なのも大きな利点です。今後大きく伸びそうな銘柄に投資したいという方にはおすすめできる仮想通貨になっています。
ネム(NEM)、シンボル(Symbol)に投資したい!という方はCoincheck(コインチェック)で10,000円分くらいの少額でネム(NEM)を購入してみてはいかがでしょうか。
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