南京錠(読み)なんきんじょう

日本大百科全書(ニッポニカ)「南京錠」の解説

南京錠
なんきんじょう

一種。建具相互、あるいは建具と枠に取り付けられた環に、錠の足を通して戸締まりをする。彫り込み錠や面付き錠と異なり、取り外してほかの場所にも施錠できる特性がある。一般には(かぎ)を用いて開けるが、鍵を用いず数字や文字を組み合わせて開けるものもある。形状が巾着(きんちゃく)に似ていることから、「巾着錠」ともよばれる。錠としての安全性は低いため、簡単な戸締まりですむ場合に用いられる。

[中村 仁]

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精選版 日本国語大辞典「南京錠」の解説

なんきん‐じょう ‥ヂャウ【南京錠】

〘名〙 (「錠」は「鎖(ジャウ)」のあて字) 巾着の形をした錠まえ。かんぬきが釣針のように曲がっていて、錠本体と鎖錠されるもの。巾着錠。西洋錠。海老錠
※東京日日新聞‐明治四四年(1911)一一月一三日「見張所の南京錠(ナンキンセウ)を打毀し」

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家とインテリアの用語がわかる辞典「南京錠」の解説

なんきんじょう【南京錠】

箱形の錠の一種。U字形の(かんぬき)を、受け穴へ押し込むことで施錠する。◇「巾着(きんちゃく)錠」「西洋錠」ともいう。

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世界大百科事典内の南京錠の言及

【鍵】より

…江戸時代には工芸的な太鼓錠や海老(えび)錠などが作られた。南京錠といわれるものは,西洋の影響でもう一歩改良されたもので,〈つつ〉と〈ばね〉が1器になり,〈ばね〉の棒が曲がり,鍵が一方から押すのでなく,中で一回転してあくようになっている。【水野 清一】
[西洋]
 ごく初歩的な錠前は扉の内側につけた閂であるが,木や金属の横木のかわりに,紐の先端に結び目をつけたものも用いられた。…

※「南京錠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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