家族感染を防ぐ「家庭内別居」実践ルポ 待ち受けるのは自由気ままか、ギクシャクか
外出自粛の要請が続くなか、「家庭内感染」の問題が取り上げられるようになりました。家族同士の感染を防ぐために家族がバラバラに生活する「家庭内別居」をすると、どのようなメリット・デメリットがあるのか? ライターの鳴海汐さんが実践した体験を報告します。
家庭内別居で生じるメリット、デメリット
簡単に、家族のメンバーとそれぞれの「外部との接触状況」を紹介すると、リモートワークができない仕事に就いている父と、ご近所との屋外での交流が多めの母、そして買い物を担当するようになった筆者です。
1年のうち半年はイギリスでのノマドワーク(デジタル機器を用いてオフィス以外の場所で仕事をする働き方)で家にいない筆者ですが、2020年は新型コロナの影響で出国が遅れています。
家族仲は比較的良好なものの、外出自粛が続く中でほんの少し気づまりを感じつつあったというのが正直なところです。両親は70代で高齢かつ持病持ち、筆者自身は「新型」を含めインフルエンザにかかりやすい体質であることから、初期の段階から新型コロナを警戒していました。
問題が生じたのは、食事を「時間差」で取ることを決めた初日の朝のこと。
これまで好きな時間に台所に向かっていたのですが、今後は両親の朝食が終わるまで待たなければなりません。さすがにもう食べ終わっているだろうと思われる時間に向かいましたが、ふたりはまだ食事中でした。
翌朝は、両親より先に食べようと思い、5時過ぎに台所に向かったのですが、すでに母が調理をしていて入れず、結局食事が終わるまで2時間以上待つ羽目に。その次の朝は、両親が遅い時間帯に朝食をスタートさせる計画を知らなかったため、こちらはさらに待つことになりました。コミュニケーション不足によるトラブルです。
筆者は食事制限をしているため3食とも自身での調理が必要で、場所を分けて食事を始めることはできません。朝食だけでなく、昼食、夕食とも3日間、おなかをすかせて相手の食事が終わるのを待ち続けました。
両親ふたりには、待たせているというプレッシャーがあるものの、今まで通りの生活スタイルを通していて、食事の時間帯が変わったのもこちらだけ。「負担のあるこちらのことも考えてほしいよ」と不満を言うと、「仕方ないでしょ」と向こうも怒り、けんかになってしまいます。
問題はさらに発生します。
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