在宅勤務を阻む日本の「ハンコ文化」 そもそも印鑑に法的効力はあるのか
新型コロナウイルスの感染拡大により東京でも広がりを見せる在宅勤務(テレワーク)。しかし社員が出社を余儀なくされる理由のひとつに印鑑を使う「押印・捺印手続き」があります。日本の「ハンコ文化」の実相に、ライターの鳴海汐さんが迫ります。
デジタル時代のハンコの代替物
先ほどハンコの印影データを使っていると話しましたが、これは電子印鑑と言います。画面上でサインする電子署名もあります。
また、書面を暗号でやりとりすることを電子契約と言います。電子契約を完全導入とは言わなくとも使い始めている企業は、国内で現在4割なのだそうです。
セキュリティーに関しては、電子文書に時刻を打刻する「タイムスタンプ」や電子的な社印の「eシール」といったことで信頼性を高めていこうとしているところです。国はこれから、事業者認定などを進める段階です。
そもそも印鑑の法的効力とは?
そもそも印鑑にはどれだけの法的効力があるのでしょうか。
日本郵便やアマゾンに続き、ヤマト急便の「置き配」が新型コロナウイルスの情勢下で可能になりました。荷物の受け取りに、ハンコかサインが必要だったのが、省けるようになったのは大きなことだと思います。
実は、「認め印には法的根拠がない」ということから、実現できたのかもしれません。
書類はハンコそのものより、ハンコを押す人の意図が大切です。このような形式にこだわることで、意図があるのに回り道するのは愚かしいこと。
そう考えてインターネットで情報を調べていたら、英米法において、「契約の成立は『申込に対して承諾があったとき』(= 当事者の意思が合致したとき)であって、『書面である必要はなく、口頭でも成立する』というのが原則」(『BUSINESS LAWYERS』 2018年05月14日付)とありました。
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