なぜ東京の駅や街には「ぶつかっても謝らない人」が多いのか
昼間人口1600万人の東京では、駅構内や街の雑踏で人と人とがぶつかる場面も日常茶飯事。そのときに、ひと言「すみません」と言い合う習慣はどうすれば定着するでしょうか。海外滞在歴の長いライターの鳴海汐さんが考察します。
イギリス人は1日に8回「Sorry」を言う
海外の話ですが、かつて筆者が滞在していたイギリスでは、ぶつかる、もしくは、ぶつかられると必ず「Sorry(ソーリー)」と言います。
ロンドンの地下鉄もそれなりに混みますが、人と圧を感じるほどにくっついたまま乗車していることはありません。走行中の揺れなどで、体がぶつかれば、必ず「Sorry」と言い交わされます。
ちなみにですが、ラッシュ時に電車に乗る人が少ないのではありません。駅によっては構内に人が入りきらず、改札の外まで人があふれています。つまり、人と体を密着して乗車するより、時間をかけて電車を待つことを選ぶ文化なのです。
日本人に接したことのあるイギリス人たちは、「日本人は礼儀正しい」と判を押したように言います。
必ず謝るイギリス人のほうがよほど礼儀正しいと思うと筆者が意見したときのこと。「別にSorryって言うからって、必ずしも心から謝っているわけじゃない。内心むかついているときもある」と返されました。それはもちろん、対面している雰囲気で伝わってくるときがあります。
ある調査では、イギリス人は「Sorry」を1日に平均8回口にするとしています。相手からぶつかられたり足を踏まれたりしたときにも言ってしまう人が多いらしく、本当に反射的に出る言葉なのでしょう。しかし単なるマナーでも、形式的でも、全く謝らないよりマシではないか、というのが筆者の考えです。
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