なぜ東京の駅や街には「ぶつかっても謝らない人」が多いのか
昼間人口1600万人の東京では、駅構内や街の雑踏で人と人とがぶつかる場面も日常茶飯事。そのときに、ひと言「すみません」と言い合う習慣はどうすれば定着するでしょうか。海外滞在歴の長いライターの鳴海汐さんが考察します。
相手に届かない、陳謝の言葉
筆者はぶつかっても謝らない人にたびたび遭遇していますが、ぶつかったときの衝撃とやり場のない戸惑いには、やはりなかなか慣れません。反射的に言ってしまった「すみません」というひと言が所在なく宙に浮いて、どこか損をした気分にさえなってしまいます。
人と人がぶつかるのは、どちらかもしくは双方が、歩きながら対向者の流れからふと目を離したときに起きるパターンが典型的。あくまで個人的な経験に基づいて言えば、ぶつかっても謝らない人は中年男性に多いという印象です。
仕事などで日々せわしなく歩いている彼らのなかには、「前をよく見ないで歩いていると人にぶつかるぞ」という戒めの意味を込めている人もいるのかもしれません。
無言で立ち去る理由をポジティブに考えれば、振り返ることで人の流れを止めてしまう危険がありますし、すれ違った後では声を発しても相手に届きにくいので諦めたのかもしれません。いつしかそれに慣れて、何も感じなくなっていったのかとも想像できます。
対向者同士以外でぶつかることが多い場面は、満員電車の中でしょうか。多少のぶつかり程度では無言な人が多いのは、客観的に見ればちょっと不思議な光景と言えるかもしれません。
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