新型コロナウイルス流行で懸念される「マスク依存症」の再来
日本人が季節を問わずにマスクをするようになったのは、いつ頃からのことかご存じですか? 新型コロナウイルス感染拡大により一層の拍車が掛かるかもしれない「マスク依存症」、その弊害についてライターの鳴海汐さんが解説します。
隠す心理、隠すことに慣れてしまう危うさ
マスクを美容目的で使うことについていろいろ書いてきましたが、ここで本題です。
実は今回、新型コロナ対策でマスクをする時間が長くなることで、マスク依存症が増えてしまうのではないかという危惧があります。
マスク依存症になると、マスクを外せないだけでなく、心が内向きになっていってひきこもりにつながる可能性があるとも指摘されています。過去には朝の情報番組で「マスク依存」についての特集が組まれたり、ウェブ上にはマスク依存症かどうかを診断するチェックシートが公開されたりしているほど。
日本でこんなに年間を通じてマスクを付けるようになったのは、一体いつごろからなのでしょうか。一説には、2009年の新型インフルエンザが流行して、皆が長時間マスクを装着した後と言われています。
感染しないようにとマスクを毎日付けているうちに、このマスクというアイテムの便利さのとりこになったのでしょう。もちろん予防目的でマスクを付けるのはいいことなのですが、そこには危険があるのです。
マスクを付けていて、他の人との間に常に壁を作っているような気分になったことがありませんか? 自分の鼻と口を隠すことで相手に表情が伝わりにくくなりますが、自分の視界は遮(さえぎ)られていません。自分が固い殻の内側で守られているような不思議な安堵(あんど)感があります。
私自身、2019年末に咳で1か月ほどマスクを付けていたのですが、人前でマスクを外すことに強い恥じらいを感じるようになりました。特にマスクを付けた姿しか見せていなかった人々の前で外すことになったとき、「へー、マスクの下はそうなってたんだ~」とか思われたら……なんて想像し、かなり勇気がいったのです。
40代の筆者でそうなのですから、多感な若者ならなおさらなのではないでしょうか。
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