エピローグ/ウクライナ問題暫定総括

 最後に今回のウクライナ問題を総括します。

 現在進行中の国際問題ですので、あくまでも2022年1月24日現在の暫定総括である点を明記しておきます。

 筆者の描くウクライナ問題を巡る現状と近未来予測の輪郭は以下のとおりです。

結論:ロシア軍のウクライナ侵攻はあり得ない。

理由:米国もロシアもレッドラインを明示しており、両首脳はレッドラインを越えることが自国の国益を毀損することを理解している。

背景:欧米マスコミは2か月以上にわたりロシア軍のウクライナ侵攻を報じているが、ロシア軍が侵攻準備として配備されている部隊位置を特定したことはない(唯一の例外がエリニャ)。

展開:米露の欺瞞作戦は続く。特に、ウクライナ軍の動きに要注意。

 故エリツィン大統領の時代、国庫は空となり、企業では労働者への賃金未払いが続きました。

 このときモスクワで流行ったアネクドート(ロシア小噺)を一つご紹介させていただきます。

「労働者は働いたフリをする。企業は賃金を払ったフリをする」

 フェイクニュース満載のウクライナ報道、これから流行るであろうアネクドートを一つご紹介させていただきます。

「ウクライナはロシア軍が攻めてくるフリをする。ロシアはウクライナを攻めるフリをする。米国はウクライナ侵攻を信じるフリをする」

 ウクライナ不穏情勢が続けば、選挙を控えたゼレンスキー大統領もプーチン大統領もバイデン大統領も愛国心に訴えるフリフリ作戦で安泰となることでしょう。

 油価は実需以上の高水準で推移することになり、世界最大の原油生産国たる米国も世界第2位の産油国ロシアも油価高値を享受できます。

 フリフリ作戦に振り回されている独自取材の少ない日系マスコミは、これで視聴率を稼げます。

 とすれば、誰にとっても急いでウクライナ問題を解決する必要性もなくなってしまいます。

 欺瞞満載のウクライナ報道、そろそろ冷静・客観的な報道を期待したいものです。