ウクライナの盧溝橋

 米投資銀行は1月22日、今年後半には油価はバレル100ドルを超えるとの予測を発表しましたが、筆者は米投資銀行のこの種の油価高騰予測を信じておりません。

 米投資銀行が100ドル超え予測を発表したということは、逆に油価は今後下がることを見越していると考えます。多分、既に先物を売り抜けていることでしょう。

 過去に油価150ドルに近付いた時、米投資銀行は年内油価200ドル超えを発表しました。当方≪これは下がるな≫と思っておりましたら、その直後から油価は下落しました。

 米メディアはロシア軍のウクライナ侵攻が今にも始まるかのごとく報道して、危機を煽っています。これも油価高騰の一因です。

 付言すれば、ロシア軍を中心とするCSTO軍が今年1月6日カザフスタンに派遣されたとき、欧米マスコミでは、ロシア軍はカザフスタンに駐留するだろうとの観測も流れました。

 しかしCSTOは1月10日にカザフスタンからの撤収開始、19日に撤収完了しました。

 ロシア軍のウクライナ軍事侵攻はロシアにとりメリットもなく、侵攻すれば第3次世界大戦になることは明白です。

 一つだけ不確定要素があります。それは上述のとおり、ウクライナ軍の動きです。

 米露が密約を結べば、困るのはウクライナのゼレンスキー大統領です。2024年には大統領選挙が予定されています。

 既に野党の新露派P.ポロシェンコ氏も帰国して、大統領選挙に出馬予定です。ですから、ポロシェンコ氏は逮捕されるかもしれません。

 ロシア軍の軍事侵攻はあり得ませんが、ウクライナ軍が盧溝橋を仕掛ける可能性はあります。

 上記より、一番の注意点はウクライナ軍の動きと言えましょう。