レッドラインを明示する米露首脳

 露プーチン大統領はレッドラインを明示しています。

 ウクライナのNATO加盟決定が露のレッドラインです。ですから、現状ではロシア正規軍のウクライナ侵攻はあり得ません。

 米国のレッドラインはロシア軍のウクライナ侵攻です。ですから、ロシア軍がウクライナに侵攻しない限り、米国のレッドラインは順守されていることになります。

 米国はウクライナに武器供与を発表し、新聞報道では1月22日に武器弾薬90トンがウクライナに到着したと報じられています。

 この発表を受け、ではこれからロシアが何をするのかと申せば、ロシアは第2次キューバ危機を演出すると予測します。

 一方、ロシア軍がウクライナに軍事侵攻した場合、米国が厳しい対露経済制裁を実施するというのは理解できます。当然のことであり、ロシアも先刻承知と思います。

 民間銀行の世界ドル決済システムSWIFTからロシアを排除することも発表されています。このドル決済システムから排除されれば企業は貿易決済ができなくなるので、破産する企業が続出するでしょう。

 露プーチン大統領は「レッドラインはウクライナのNATO加盟である」と明言しています。ですから、ウクライナがNATOに加盟すれば、軍事侵攻はあり得るでしょう。

 逆も真なり。ウクライナがNATOに加盟しなければ、ロシア軍のウクライナ侵攻はないということになります。

 米J.バイデン大統領も露プーチン大統領もレッドラインを意図的に明確化することにより、戦争勃発を避けようとしています。為政者として当然の行為と言えましょう。