司法試験を受験するのに年齢制限はありません。
学生の頃に諦めた法曹になる夢に再チャレンジしたい方、社会人になってから法曹を目指そうと決意した方もいらっしゃると思います。
本コラムでは、そんな社会人受験生に向けて、働きながら合格できるのか、仕事との両立や勉強する方法等について解説します。
目次
【谷山政司講師が動画で解説!】
「仕事を続けながら司法試験・予備試験に挑戦したい、けど、悩んでいる…」
そんな皆様に向けて、アガルートアカデミー司法試験の谷山政司講師が、決断に必要な情報と、どう勉強を進めれば効率的か、について丁寧に解説します。
働きながらでも司法試験に合格できる!
詳しくは後述しますが、多くの場合社会人は予備試験経由で司法試験を受験します。
例えば、令和3年度の司法試験予備試験に合格したのは467人。
そのうち社会人合格者は65人で、合格者全体の約14%を占めています。
また、予備試験経由で令和3年度の司法試験に合格した人は374人です。
このうち、61人が社会人であり、全体の16%が社会人となっています。
この数字はたしかに大学生の合格者の割合と比較すれば低いものですが、社会人でも一定数の合格者はいます。
したがって、仕事と両立して司法試験を目指すことは無理な話ではないのです。
社会人が司法試験・予備試験に独学で合格するのは難しい
社会人が司法試験に合格することは十分に可能ですが、独学は極めて困難です。
司法試験専用の教科書というものが存在しません。
そのため、独学をしようにも、どこから手を付けて良いのかわからなくなってしまう方がほとんどです。
また、司法試験の山場である論文式試験は正解がなく、知識だけで正解することができません。
これらの事情から、独学での合格は現実的ではなく、予備校の活用を検討した方が現実的だと言えるでしょう。
※関連コラム:司法試験予備試験に1年で合格する勉強法
社会人が司法試験に合格するためには
司法試験は誰でも受験できるわけでなく、受験資格の制限があります。
ひとつは法科大学院を修了すること、もうひとつは予備試験に合格することです。
このうち、法科大学院の授業は主に平日昼に開講されているので、働きながら通うのはあまり現実的ではありません。
また、夜間のロースクールも少ないながらも存在はしますが、修了までに時間がかかる場合が多く、プライベートの時間がほとんどなくなってしまうのでおススメできません。
他方、予備試験は受験資格の制限がありません。
また、法科大学院未修者コース修了者の司法試験合格率は平均して20%を下回るのに対し、予備試験ルートの合格率は80%を超えます。
もちろん、これは予備試験が合格率3%という超難関試験であることに起因していますが、法科大学院に通うよりもはるかにコスパがよいことは明らかです。
したがって、社会人で法曹を目指す方は、まず予備試験合格を目指して勉強を始めることをおススメします。
そのうえで、社会人受験生の勉強に必要なこととはなんなのでしょうか。
勉強時間を確保する
社会人の方の一番の課題は勉強時間の確保です。
一般的に、司法試験合格には3,000~8,000時間が、予備試験合格には3,000~10,000時間が必要だとされています。
※予備試験合格者であれば、司法試験合格には数百~2,000時間が目安となります。
司法試験・予備試験を突破するには、覚えるべきことが沢山あります。
したがって、いくら地頭がよくても勉強時間がなければ太刀打ちできません。
まずは、自分がどれくらいの時間を法律の勉強に充てられるのか、よく考えてください。
合格年を設定する
勉強時間を確保出来たら、何年までに合格するという目標を立ててください。
のんびりと勉強できる方はあえて目標を設定する必要はないかもしれませんが、やはり目標を設定した方が勉強ははかどります。
もっとも、予備試験は時間に余裕のある大学生であっても在学中に合格するのが難しい試験です。
したがって、あまり無理せずに、確保できる勉強時間との兼ね合いを考えて、目標を設定しましょう。
仕事の忙しさによりますが、初学者の方であれば4~5年、法学部出身者であれば3~4年が現実的なラインかと思います。
法律に関わる仕事をしているなど、なにか特別な事情があれば、1~2年での早期合格も可能かもしれません。
毎日少しずつでも勉強する
法律の勉強は継続することが何より重要です。
法律の勉強は付け焼刃の知識ではなく、長期記憶や深い理解が必要とされます。
そのため、週に1回10時間勉強するよりも、毎日1時間勉強する方が断然効率が良いです。
通勤の時間や仕事終わりなどの時間を使って毎日法律に触れるように心がけてください。
効率よく勉強する
社会人は仕事やさまざまな兼ね合いで勉強だけに時間を取ることは難しいです。
したがって、だらだらと勉強していてはいつまでも合格できません。
効率の良い学習をこころがけましょう。
そうはいっても、初学者の方は何から手をつけていいのか分からないと思います。
そこで、予備校を利用することを強くおすすめします。
予備校は受験のプロなので、ゼロから合格までの道のりをプランニングしてくれます。
また、授業はオンラインで聞ける場合がほとんどなので、自分のペースで学習できます。