「福井バーチャル恐竜展」について記者会見した福井県立大学恐竜学研究所の今井拓哉助教(左から2人目)ら=1月21日、福井県永平寺町の福井県立大学永平寺キャンパス

 福井県立大学恐竜学研究所(永平寺町)の教員らでつくる実行委員会は1月21日、福井県内で化石が発見された恐竜の3DCGをインターネット上の仮想会場で展示する「福井バーチャル恐竜展」をスタートさせた。スマートフォン(スマホ)やパソコンから専用サイトにアクセスすることで“入場”でき、リアルな恐竜の姿をさまざまな角度から間近に楽しめる。

 新型コロナウイルス下で福井県立恐竜博物館(勝山市)を訪れにくくなった人にも楽しんでもらおうと、同研究所が企画。2021年、福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」などで約260万円の資金を集め実現した。

 専用サイトでは、ドーム状の仮想会場内に、約1億2千万年前に生息していたフクイラプトルとフクイサウルスの3DCGを展示している。スマホやパソコンの画面をタップ(クリック)したりドラッグしたりすると、恐竜に近づいたり、視点を動かしたりできて、それぞれの恐竜の説明も見ることができる。

 県内で化石が発見された恐竜は6種類あり、今後残りの4種も順次追加する。フクイラプトルなどが生きた時代の植物も3DCGで復元し、当時の様子を再現していくという。

 さらに、2月中にはアプリ版も公開予定。サイトと違い、利用者のアバター(分身)が仮想会場内を自由に歩き回って見学でき、専用機器があれば仮想現実(VR)でも楽しめる。福井の恐竜以外の骨格標本なども展示される。

 21日に永平寺町の福井県立大学永平寺キャンパスで記者会見した発案者の今井拓哉・同大恐竜学研究所助教は「大型恐竜の背中に乗ったり、おなかの下をくぐったり、実際の展示ではできないこともバーチャルならできる。将来的には恐竜を動かし、当時の世界を探検するような展示にしていきたい」と話した。

 専用サイトは福井県立大学恐竜学研究所のホームページからアクセスできる。

 【ミラカナ】福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でさまざまなプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして2018年4月に福井新聞社、福井銀行、レディーフォーが連携して始まった。21年6月から福邦銀行が事業に参画。21年10月には累計支援額が1億円を突破した。

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