こんにちは。
3階、文学フロアより新入荷のお知らせです!
思想社より鮎川信夫全集をご紹介致します。
鮎川信夫は後世の評価である「鋭利な文明批評家」であるよりも、遙かに、本質的に詩人だった。しかも、日本の近代史のなかでは稀な、絶望しきった魂をもつ詩人だった。
抒情詩人の抒情を破壊して、鮎川信夫が一種の「破壊された情緒」を身につけて詩の中へ帰ってきたのは鮎川が徴兵されて、スマトラ島の戦線に送られ、傷病兵として帰還したあとのことだった。
「さようなら、太陽も海も信ずるに足りない」
Mよ、地下に眠るMよ、
きみの胸の傷口は今でもまだ痛むか
これは鮎川が徴兵時代に戦死した森川義信「M」にあてた詩であり、鮎川にとって森川はかけがえのない友人であった。
鮎川信夫は、他のすぐれた詩人と異なって言葉を信用しなかった。
言葉だけではなく、鮎川信夫は戦前の価値も、日本の伝統も、戦後の「民主主義」も、人間の恋愛の感情すら、ほんとうには信用しなかった。
彼が信じたものは死者との友情だけであった。
鮎川がみていた世界は、絶望を口にする他の文学者たちの見ていた世界よりも遙かに漆黒の闇に満ちた世界であって、その闇は神をすら塗りつぶしてしまうほどのものだったことは、詩を読めば明瞭に了解される。
絶望に満ちた、しかし彼が唯一信じた純粋な友情の詩の世界に興味をもった方、
是非小宮山書店へご来店下さいませ。
鮎川信夫全集
Sold out
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担当:荒井