「コンさん！」
名を呼ばれ、飛行帽をかぶったウマ娘と隣を歩いていたベテラントレーナーがが足を止める。エフフォーリアより学年は上だが曲線の多い見た目もあってかどこか幼く見えるウマ娘が振り返り、ぱっと笑顔を浮かべた。
「エフフくん」
足早に歩み寄るエフフォーリアの後ろでトレーナーが会釈をして追いかける。
普段は口数の多くない愛バが左右に尻尾を振りながら会話を続けている横でトレーナー同士も軽く情報交換をしていたが、あまりの微笑ましさにベテラントレーナーが眉尻を下げた。
「ほんとにコントレイルのこと好きやなあ」
「もちろんだ。オレはコンさんを尊敬している」
真っ直ぐな言葉と遜色ない瞳を向けられ、コントレイルは一度口を閉じて複雑そうに眉を下げた。
「……僕は君に負けたのに？」

エフフォーリアの尻尾が止まる。トレーナーたちの会話も不自然に途切れ、コントレイルは自分が何を言ってしまったのかを察し、冷やしてしまった空気をなんとかしようと息を吸い込んだのとほぼ同時だった。
「オレに負けたらコンさんが手にしてきた勝利に価値がなくなるのか？」
首を傾げながら問い掛けてくる声は純粋で、今度はコントレイルが静止する番だった。
「コンさんはすごい。期待された結果を努力に努力を重ねることで得て、たった一度しか挑めない3冠の栄光を手にした。オレには出来なかったことだ」
その言葉にトレーナーが唇を噛み締める。
「ダービーで負けた日、誰かが勝つということは誰かが負けることなんだと改めて思い知った。俺もよく知っていたはずなのに、トレーナーと上手くいっていて、いき過ぎていて、忘れていた。だからもう相手が誰でも負けないと誓った。オレだけではなく、トレーナーもそう」
バシバシと加減の知らない手に背を叩かれ、相棒が痛みを訴えつつ苦笑する。

「それに、オレの名は"エフフォーリア"だからな。トレーナーのぴかぴかはオレが守る」
「そのたまに言うぴかぴかってなに？」
背中を擦りながら問い掛ける声には答えず、コントレイルを真っ直ぐに見つめたままエフフォーリアが宣言する。
その真っ直ぐさに眩しそうに目を細めるベテラントレーナーと、同じような気持ちを抱いて過ごしていた日々を思い出してコントレイルは目頭が熱くなるのを感じて奥歯を噛んだ。僅かに俯く頭に大きな手のひらが乗る。
「……そうだよね。僕が僕のこと、そんな風に言っちゃだめだよね」
レースに勝つたび自分の事のように喜んでくれて、たくさん褒めてもらった。それが嬉しくて嬉しくて、もっと喜んでほしくて。――だから。
「……またエフフくんと走りたかったなあ。そうしたら今度は僕が勝ったのに」
悪戯に歯を見せると、エフフォーリアの黒目がちな目が輝く。

「そうはいかない。……が、これから実際に走って確かめるのはどうだろう」
「ちょ、エフフ？」
「望むところだ。ね、トレーナーさん。1回だけならいいでしょう？」
「うーん、怪我したらあかんのやけどなあ」
「そうですよ、万が一でもあったら僕らっていうか僕がめっちゃくちゃ怒られます！」
「まあでもええんちゃう、最後に並走付き合ったってことで」
「うんうんそうでしょう、……えっ！？」
「それならボンドも呼んでいい？　これからエフフくんと走るんだけどって言ったら飛んでくると思うよ」
「プボさん……！　ならばシャフリヤールも呼んでいいだろうか」
「待って待って」

「いいよ、連絡先知ってる？」
「知らない」
「知らんのかい。トレーナーのやったら知っとるから連絡してみよか」
「えっ先輩！？　悪ノリが過ぎますよ！　それにあの人絶対だめって言いますって！」
「小言は言うやろうけど面白そうって乗ってくると思うで」
「まさかぁ」
「ふふ……待っていろシャフリヤール、キサマはオレが倒す！」
「も～、エフフォーリアぁ～」
へにゃへにゃとした声で名を呼ぶトレーナーは声こそ困っていたが表情はどこか楽しそうで、エフフォーリアは目を細めた。
「さっそく作戦会議だ。勝つぞ、＿＿＿」

1クール終わったあとの特別編だかアニオリでこんなのあった気がするし学園のどこかでシャフくんがくしゃみしてると思う
ダーク・「」はトレーナーを呼びたい衝動を抑えきれない…ので最後の空白には好きな名前を入れてね！
ちなみに昨日のスレの
>自分の勝利が誰かの悲しみを産んでいたことをダービーの敗北で知って
>そこから自分の名前の意味を改めて考える流れになりそう
にインスピレーションを受けて書いたよありがとうねそのまんまだけどごめんね

一応言っておくけど特定の子を貶めるつもりはありません
あくまでお話しの中でのことなのでご理解ください
不快にさせたらごめんね

>「それならボンドも呼んでいい？　これからエフフくんと走るんだけどって言ったらプボプボとくると思うよ」

寡黙で感情は激しくないけど人の幸せを考えるエフフくんいいと思います

fu729115.jpg[見る]

かわいいコンさんかとプボさんかだ

いい読み物をありがとう…
こういうのでいいんだこういうので…

最近これを読むのが楽しみで仕方がないんだ…いつもありがとう

>fu729115.jpg[見る]
まいったちょっと勝てない

作戦会議室にタイホくんもいるのかな

>作戦会議室にタイホくんもいるのかな
（姉のウマスタをチェックしているのでいない）

>作戦会議室にタイホくんもいるのかな
マリリンちゃんがいるぞ

エフフくんの怪文書初めて見たけどいいね……自分の名前を一度省みた上でやるべきことを見つけた姿が眩しい

キラーアビリティは名前からしてサイコ感がある

>キラーアビリティは名前からしてニンジャの匂いがする

いいよね殺傷能力

普段ボーッとしてるのと天然っぽいのがかわいいな

>キラーアビリティは名前からしてサイコ感がある
一族でキラーなのいいよね

>キラーアビリティは名前からしてサイコ感がある
実はナイスネイチャと同じ意味なんだ
素晴らしき技能
キラータイトルとか言うでしょ？

>いいよね殺傷能力
素晴らしい(killer)能力なのにこれ言われるのは可哀想

>>キラーアビリティは名前からしてサイコ感がある
>実はナイスネイチャと同じ意味なんだ
>素晴らしき技能
>キラータイトルとか言うでしょ？
キラーコンテンツとかのキラーか

素晴らしき才能
殺しの手管

ダブルミーニングですね分かります

>fu729115.jpg[見る]
この旗、ファンが自分で作ったのかな…？

3歳馬が勢い見せてるけどエフフくんにはそのまま無双してほしい……

「ふえっくしょい！」
部屋中に響き渡る大きさのくしゃみに、今日のメニューを挟んだバインダーとストップウォッチを手にしたトレーナーが顔を上げた。
「大丈夫？」
「だ、だいじょうぶれす……ふえっくしゅ！」
「遠征前に風邪なんて洒落にならんよ」
「わがっでまずぅ……」
突然の体調の変化に首を傾げながらティッシュを手に取り、ずび、と鼻をかむ教え子にトレーナーは小さく唸った。
体調管理を怠るような子ではないともちろんわかってはいる。考えられる原因としては、今朝の急激な冷え込みだろうか。
「もう少し暖まってから行こうか。コーヒー淹れるけど」
「ブラックでお願いします！」
「飲めるようになったんやねえ」
ふふ、と穏やかに笑ってコーヒー豆を取り出す姿を見て自分はケトルに水を入れてスイッチを押す。

顔が怖い、物言いが怖い、立ち振舞が怖いの三拍子が揃っていると恐れられているトレーナーだが、そんな姿なのはレースに関わっているときと学園外の人間がいるときだ。普段はこんなにも穏やかなのを知っているのは彼と仲の良いトレーナーたちと担当してもらったウマ娘くらいだろう。
がりごりと豆を引く自動豆ミルの音に混じる低い振動音を捉えたて耳が動く。
「トレーナーさん、携帯鳴ってます」
「ほんまや、ありがとう」
テーブルに歩み寄ってスマホを手に取る姿を眺めながら、動きを止めたミルを手に取る。
肩でスマホを支えつつフィルターを乗せ、はあ、と呆れたような困惑したような声を漏らしているのを聞きながら粉になった元コーヒー豆を入れ、お湯を注ぐ。
「いや、なにやろうとしてんすか」
砕けた口調から大体の相手を割り出す。多分、性格が正反対だと言って笑ってたあの人だ。
二人分の量になったところでそれぞれのマグカップを満たし、マドラーで混ぜる。トレーナーのようにキリッとした大人になりたくて強がったが、自分の分にだけ角砂糖を一つ。
「そうですね……借りは必ず返す、首を洗って待っていろ。ということで」

なんだか不穏な言葉が聞こえたような。恐る恐るトレーナーに視線を戻すと、にでこりと怖いくらいの笑みがシャフリヤールを捉えた。
「予定変更、これ飲んで軽くアップしたら模擬レースに参加する」
「嫌な予感がします！」
「そんなことないよ」
だって声がもうレースモードじゃないですか！
「模擬レースにしては豪華すぎるくらいだからね」

顔が怖いトレーナー…ああサイボーグか…

シャフ君はユーイチの所行ったりユーガの所行ったり忙しいな

この模擬レースを調整中のキラ君と休養の為の散歩中のノックス君がそれぞれの場所から目撃するCパートが絶対ある
そして今度は笑顔のハナ差でゴール板を抜けるエフフとシャフリが居てEND

マリリン姉御のキャラが微妙に分からない
滅茶苦茶湿度高そうな関係ではあるんだが

エフフはシャフにもコンにもプボにも程よく重い感情を抱いてくれ…

この怪文書でプボくんサイドの番外編とかも見てみたいな…原作の今年もめちゃくちゃ楽しみだけど

エフフくんのヒミツ
撃墜王と呼ばれた日から先輩たちを自由帳1ページずつ使ってレポしている
タイホくんのヒミツ
チームメイトであるエフフくんが書いてるノートをキルスコアか何かと勘違いしている
キラくん（仮預り）のヒミツ
それを更に勘違いしてｳﾞｫｰｶｯｹｰと思っている