やはり俺が吸血鬼なのは間違っている。 作:角刈りツインテール
ちなみに余談ですが、俺ガイルほど実写化して成功しそうな作品って無くないですか…?ストーリー的にもキャラクターの容姿的にも非日常感が全く無いから完全に三次元に落とし込めますし、ニセコイやるくらいならこっちやってほしかったなぁと感じるんですが皆さんはどう思いますかね。よろしければ感想にて教えてください。異論は認める。
———そして現在に戻る。
筋肉隆々の大男———おそらくドラマツルギー。
金髪チャラ男———おそらくエピソード。
そして神父———おそらくギロチンカッター。
俺はこの3人の吸血鬼ハンターと対面した。名前に関しては誰が誰か分からないため適当だ。一人くらい間違っているかもしれない。
いや、それにしてもまさか本当に来るとはな…『外にいれば来てくれるんじゃない?第六感?みたいな?』という由比ヶ浜の言葉が現実になった。これはいつか、生きて感謝を伝えなければ。
…まぁ、俺も正直同じことは考えていたが。そりゃあハンターなんだから探知機くらいは持っているだろう。それが端末なのか脳内にあるのかは知らん。
ざわり、と。
彼らの想像以上の気迫に俺は思わず体を震わせたが、これは武者振るいだというありがちな言い訳をする相手はどこにもいない。つまり、いつもと同じだ。俺はクラスメートがテストの点数を見せ合って現実逃避している時でさえぼっちだった。いつだって現実を、結果を一人で受け止めてきた。だから、今ここに味方がいないことも何てことない。ほら、俺って最強だろ。
「…来いよ」
俺は持ち前の観察眼で推理する。
おそらく、今最も警戒しなくてもいい相手はエピソードだ。彼の肩には巨大な十字架が担がれており、その小柄な体型との歪さで禍々しい雰囲気を醸し出している。十字架は確かに弱点だ。だが既に視界に入っているのだから避けやすい。あそこまで大きければ振るのにもタイムラグが生じるだろう。
次に警戒しなくてもいいのはドラマツルギー。彼の武器はきっとあの筋肉。どこの範馬勇次郎だと問いたくなるくらいの肩、腕、脚の膨らみにはきっと人間相手であれば勝てるものは一体どれだけいるのだろうかと思わされる。だがそれもエピソードと同じ理由で恐らく大丈夫。
最後に、最も警戒しなくていいのは———言い換えると、
ハリネズミのような髪型で、神父風の異様なデザインのローブを身に纏っていて、さらに聖書のような本を左手に持っている。
髪型以外に危うさは無く、常に右目を閉じていて穏やかな雰囲気の大人しそうな男。
俺は彼を見てすぐ、あの雪ノ下雪乃の姉、雪ノ下陽乃を思い出した。明るい対応は挨拶回りやパーティーで培った上辺に過ぎず、本性はむしろリアリストであり、笑顔の下にどこか得たいの知れないモノを隠しているあの女性。性別は違えど似たものを持っている。本性がわからない。『わからない』。それは最も恐るべきことである。誤解ならばいい。なぜならそれは解であり、すでに解きようがないから。だが知らないことに対してはどこまでも底が見えない。だから恐ろしい。
『するなら生け捕りよ。ちゃんと体の部位の在り処を聞き出さなければならないもの』
雪ノ下はそう言った。全く彼女は考えることが恐ろしいが、やはりこれも正しい。
『だから、そのために一番弱いと思われる人間を人質にしなさい。人間ならまだしも吸血鬼のあなたになら楽勝でしょう』
これも雪ノ下のセリフ。正し———いや正しくはねぇな。けど効率的で何より俺の好みだ。
だから俺は。
「——————ふっ」
三叉路の右から来ているホストのような男・エピソードに向かって全力で走り出した。
走る、走る、走る———だが。
すっ
「はぁっ!?」
確かに目の前にいたはずの彼が蝋燭の火のように消えたのだ。瞬きの瞬間に、比喩ではなく突然いなくなっていた。
「ひっ…ど、どこだよもう」俺は独言る。
俺は前後左右を慌てながらも全て確認した。それでも見つからない。
———ギィ
小さな音がした。それは吸血鬼故に聞こえるような小さな金属が軋む音で———そしてどこを見回しても見つからない。
それを恐れた。平常心を失った———だから俺は失念した。
敵は、エピソードだけじゃなかったのに。
俺が最初にいた地点に既に他二人の吸血鬼ハンターまで来ており、それとは反対側に逃げるしか無くなっていたのだ。
「…っ!馬鹿か俺は…ッ!」俺は走り出した———いや、正確には
それはなぜか———走るべき方向に振り返った時、目の先10cmほどに壁があったからだ。
いや、違う。
「やっべ…」
壁ではなく、それは十字架だった。日光に直撃した時のことを思い出し、もし触っていたらと身の毛がよだった。
それに、一つだけではない。エピソードが持っていたのは確かにひとつだったはずなのに、三つの十字架が地面に突き刺さっており、道を完全に封鎖していた。幻覚———かと思ったが実体もある。
「い、いや…てか」
そしてひとつの仮説に気がついた時にはもう全てが遅かった。俺は、静かに
予想通り、彼はそこにいた。古びた工場の屋根の上でいやらしくニヤけていた。強く風が吹き抜けているだろうに、余裕綽々と言った様子で十字架を抱えて立っているエピソードは、子供のように俺に「あっかんべー」した。
「あぁ…」
終わった、と思った。
「sdegrhtjrsjtsetjjsej」
「hrreahtjtsreejhdrkgorwe?」
「Dshsr」
3人は俺が諦めるのを待っていたかのように喋り始めた。
「は———?」
なんだ。
「segrehewwswokoeeing!」
こいつらは一体何を言っている。てか何語だ。ていうか———
「grehirejh」
「お前らさぁ…話し合いしようとかしょういうのはねぇの!?…人殺しだろこれ!」———噛んだ。
俺の言葉に彼らの会話がピタリと止まる。
静寂。
舐めた口を聞きすぎたか、と後悔する。だがそんな思いとは裏腹に。
「くくく…」
「はっ…」
「ふふふ…」
彼らは、笑い始めた。何かが純粋に面白かったのか、噛んだことを馬鹿にしているのか、それは俺には分からない。
『わからない』。
何も、分からない。
「すみません、これは僕の礼儀がなっていませんでした———現地の仕事は現地の言葉で。基本ですよね」とギロチンカッター。
あたり感触のない、優しい声色だった。怖い色だった。
「…早く殺してしまえ。会話なんぞに意味はない」これはドラマツルギー。何というか、良くも悪くも想像通りのキャラクターだ。
「超ウケる。自分を人間ってマジで言ってんだもんなぁ?」吸血鬼のくせにヨォ、とエピソード。こちらは悪い意味で想像通りのキャラ。陽キャグループの一人、戸部を思い出して嫌な気分になる。
「…はは」
最期に思い出すのが戸部って、どんな人生だよ、全く…。
俺はもう、そこで全てを諦めた。何が痛くない作戦だ。んなもんあるわけないだろ。情報量だってあまりも少なすぎた。お遊び気分だった。完全に舐めていた。
走馬灯のように、今までのことが蘇る。
ふざけた作文を書いて奉仕部送りになり。
———2人は走り出す。1人は飛び降りる。
由比ヶ浜結衣のクッキー作りを手伝い、そして彼女も入部。
———俺に向かって。
その後、材木座義輝のラノベの批評をして。
———俺を殺そうと。
戸塚彩加を助けて。
———吸血鬼を捕らえようとして。
川崎沙希におせっかいを焼き。
———いやぁ痛そうだな。
鶴見留美を楽しませた。
———死にたくねぇ。
3人がもうじき俺を捕らえようとするその瞬間、俺はそう願いながら目を瞑った。
ただ、静かに。
俺はその時を。
待つ。
「…はっはー」
祈りが届いたからなのだろうか。
それは何の巡り合わせだったのか、奇跡だったのか———あとから話を聞けば、それは必然だったようだが、その時の俺はいつまで経っても自分への攻撃が来ないことに違和感を覚えた。
「………?」
何が起きたのか、と恐る恐る目を開ける。
すると———そこには。
「全くさぁ…こぉんな時間帯に全力疾走して、寄ってたかって弱いものいじめして、君たちはほんと元気いいなぁ」
そこにいたのは。
「何か、いいことでもあったのかい?」
そこにはアロハシャツを着た、金髪のおっさんがいた。そして———3人の攻撃を見事に受け止めていたのだった。
のちに知る彼の名前は忍野メメ。廃墟を転々とする、怪異の専門家。
彼はこの状態の俺を、人間と呼んだ唯一の存在だ。
はい、如何だったでしょうか。戦闘シーンって書くの難しいですよねぇ…練習しようかなぁ
完結後の番外短編(もしかしたら普通に続きになるかも?)では何を書いて欲しいですか?
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阿良々木との会話
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羽川との会話
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怪異にあった俺ガイルメンバーの話
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日常編
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その他(感想にてお願いします)