あんまりちゃんと聞いていなかったな。
ゲート入りを促す声を聞きながらゼッケン番号と同じ枠に入る。今日のレース展開は、と道中の動きを頭で思い描いている中で、目の前の扉が開いた。

結果は5着。12人中のほぼ真ん中。前回は7着だったから自分からしてみれば順位を上げられたのは良しとしたいけれど勝負の世界では1着以外はどれほど自分の順位を上げても意味がない。
現に1着を取った栗色の彼女が自分でも見たことのあるトレーナーに声を掛けられている。3着以内に入った子たちも同様だった。
ふう、と息を吐いてレースを振り返る。走り終えたあとすぐに息が入ったから、仕掛けるのが遅くなってしまったかもしれない。脚を余らせてしまったかな。
「ねえ、君」
くるりと踵を返してターフを歩く。
スタートは上手くきれたな、出足が良いのは練習の成果があった。道中の走り方は悪くなかったと思うけど、次はなにを練習したら良いだろう。
「あれ？　おーい」
ああでもコーナーはもう少し内で回れたような気がするし、ポジション取りもあと少し前目でよかったかも。
「うーん……聞こえてないのかな」
ん、ちょっと足の裏が変な感じ。部屋に戻ったらしっかりマッサージしないとなあ。
「ねえ、ゼッケン4番の君！」
あ、ゼッケン返すの忘れてた。

どこからか聞こえてきた声を不意に耳が拾って足を止める。無造作にゼッケンを掴んでぐいと前に引っ張って、上から覗く。ゼッケンよんばん。
「……よんばん」
「そう、君です！」
背後から元気な声が聞こえてきて反射的に振り返ると「よかった～、やっと気付いてくれた～」と安心したような嬉しそうな表情が向けられていた。
「……びっくりした」
「あ、ごめんね。どうしても君と話したくて。まずはレースお疲れ様、少し良いかな」
にこにこと笑っている顔はザ・愛嬌といったような面持ちだった。自分にはないものを眩しく思いながら頷くと、ぴかぴかの笑顔が深まる。
「それでさっきのレースのことなんだけど……」
そう言うなりぴかぴかが収まり、真剣な眼差しが顔を覗かせた。スタートから道中の展開、ゴールまでの流れを真摯に話してくれる声に頷き、時には首を振りながら答え合わせをするように振り返る。

「今日のレースも余裕があるみたいだったから、もう少し距離が長くても大丈夫かもしれないよ。1800…うーん、2000くらいいけるんじゃないかなあ」
「なんでそんなに真剣に考えてくれるんですか」
腕を組んで真剣に悩んでいる姿にふと浮かんだ疑問を素直にぶつけると、彼は目を瞬かせてから照れくさそうにはにかんだ。
「実は、君のレースを見るの今回が初めてじゃないんだ。前回は先生と一緒だったから出来なかったけど、もしまた模擬レースで名前を見かけたら絶対声を掛けようと思ってて」
そんなに？
今度の疑問は口を出なかった。その代わり目に出ていたらしく、まだどこか幼さの残る青年が慌て始める。
「いや、わかるよ。新米に色々言われたくないとかベテランが良かったなーみたいなのもわかる。でもその、僕は……」
そんなことは思っていないけど。

「君ならじー……重賞を取れるポテンシャルがあると思ってる！」
きらきらの瞳に強い意志が宿っている。こんなにまっすぐな瞳を、言葉をぶつけられたのは初めてだった。
「レースの着順見ましたか」
「見た！」
「何番目か言えますか」
「5番目！」
「それをどう見ますか」
「伸びしろがいっぱいある！」
「ふふ」
ポジティブ過ぎて笑ってしまった。こんなふうに捉えてくれる人がいるのかと感動すらした。「えっ、だめかな？」なんて言って悩み始めた姿に、まだどこかに隠れているらしいそのポテンシャルをいつの日か発揮して見せてあげたいと思った。

「重賞、オレも取りたい」
「うん」
「呼び方はトレーナーでいい？　さん付けた方が良い？」
そう言って右手を差し出す。自分から言いだしたはずの青年が目をまんまるにして差し出された手とオレの顔を交互に見て。
「そんなのいらないよ！　よろしく、エフフォーリア！」
ぴっかぴかの笑顔と一緒に、手を握り返してくれた。

おとなしくて手がかからなくてマイペースな彼とぴかぴか新星トレーナーとのストーリー1話こんな感じだった気がした
今年のレースも楽しみだね！ねっエフ次郎！

ああ！きっとダービーだって獲れるぜ！

エフ次郎怪文書初めて見た

これは…完璧なボーイミーツガール(?)…

>これは…完璧なボーイミーツガール(?)…
限りなくボーイミーツボーイに見えるが…

このときはまだ誰もこの二人が日本を制覇するとは思っていなかった…

なんとなく女トレーナーで想像してしまった
なぜだろう

エフたけ好き

皐月勝てるだけでも名馬だよ！
天秋有馬勝てたらぶっちぎりだよ！

ここから躍進するし挫折するし美しくなるんだ…

たけしじゃないと解釈違いです

>このときはまだ誰もこの娘が修羅めいた成長をするとは思っていなかった…

古参面するマリリン先輩もいる？

はたから見たら修羅のようなオーラを纏ってるけどトレーナーが感情を露わにするたびに寄り添ってど突いて心配してあげる素朴な子です

>たけしじゃないと解釈違いです
でした。さんもシングレでTSしてるしたけしだってTSくらいするよな

>ここから躍進するし挫折するし美しくなるんだ…
1話 エフフォーリアです！よろしく！
2話 走りたい！胸に秘めた思い
3話 夢へ駆けろ！メイクデビュー
4話 クラシック！足取りは軽く
5話 ダービーへ！視界は良好！
6話 ハナ差10cm
7話 涙
8話 灼熱の夏
9話 "三強"
10話 去りゆく者へ
11話 修羅
12話 撃墜王

クラシック級だけで名馬と呼ぶには十二分だけどシニア級もバリバリ頑張って欲しいな…

去りゆく者へと撃墜王のタイトルあまりにも強すぎていちいち吹いてしまう

ぼんやりしてるエフちゃん解釈完全一致です…
早くたけし…笑え…のシーンを見たい

>1話 エフフォーリアです！よろしく！
>2話 走りたい！胸に秘めた思い
>3話 夢へ駆けろ！メイクデビュー
>4話 クラシック！足取りは軽く
>5話 ダービーへ！視界は良好！
ちょっと寡黙な美少女
>6話 ハナ差10cm
>7話 涙
>8話 灼熱の夏
>9話 "三強"
>10話 去りゆく者へ
>11話 修羅
>12話 撃墜王
戦士

>>1話 エフフォーリアです！よろしく！
>>2話 走りたい！胸に秘めた思い
>>3話 夢へ駆けろ！メイクデビュー
>>4話 クラシック！足取りは軽く
>>5話 ダービーへ！視界は良好！
>>6話 ハナ差10cm
op無しでエンディングがバラードになる
>>7話 涙
二期opに変わる
>>8話 灼熱の夏
>>9話 "三強"
>>10話 去りゆく者へ
>>11話 修羅
>>12話 撃墜王

>>たけしじゃないと解釈違いです
>でした。さんもシングレでTSしてるしたけしだってTSくらいするよな
ファンアートではikzeもTSしてたからな

>古参面するマリリン先輩もいる？
いる
エフフにマリリン先輩って呼ばれてるはず

>ぼんやりしてるエフちゃん解釈完全一致です…
ぼんやりエフフの幻覚が強まったのはスレ画のおかげなので描いてくれた「」に感謝！

2クールで頼む

>2クールで頼む
まだ何クールあるかわからないから…

ライバルキャラも魅力的で人気出そうだなこのアニメ

マリリン先輩と時々ちょっかいかけに来るタイホ君とぼんやりしたエフフォーリアのチーム…

ikzeもでした。もTSしてるしたけしがTSしててもなにもおかしくないな

TS騎手ブームｷﾃﾙ…？

騎手娘プリティージョッキー？

>ikzeもでした。もTSしてるしたけしがTSしててもなにもおかしくないな
横〇さえきちゃんか…

いい1話だった…

後期OP哀 Believeになってない？

自分の勝利が誰かの悲しみを産んでいたことをダービーの敗北で知って
そこから自分の名前の意味を改めて考える流れになりそう

>自分の勝利が誰かの悲しみを産んでいたことをダービーの敗北で知って
>そこから自分の名前の意味を改めて考える流れになりそう
なにゆえ走るって問いと共に合宿に突入して
合宿3週目のイベントで身近な人の笑顔を思い出すのいいよね

皐月の頃には一心同体の境地に行き着くんだけど
早すぎたがゆえにダービーではトレーナーの緊張と動揺も伝わっちゃったんだよね…

>自分の勝利が誰かの悲しみを産んでいたことをダービーの敗北で知って
>そこから自分の名前の意味を改めて考える流れになりそう


「トレーナー、今日アイツに負けてやっと分かったよ」
「オレの負かしてきた相手は、こんな悔しい思いをしてたんだって」
「負けるって…こんな悔しかったんだなぁ…」

>自分の勝利が誰かの悲しみを産んでいたことをダービーの敗北で知って
>そこから自分の名前の意味を改めて考える流れになりそう
有馬優勝したのに直前のミス引きずって曇ってるトレーナーを見て
自分がこの人の幸福にならないとって不慣れなドツキぶちかますのいいよね…

>後期OP哀 Believeになってない？
ウマ娘に生まれたからには誰しも一生に一度は夢に見る「ダービーウマ娘」

>ウマ娘に生まれたからには誰しも一生に一度は夢に見る「ダービーウマ娘」
まあもう二度と叶わないんやけどなブヘヘ

2期でプボ君との再戦は熱い展開すぎた

>>ウマ娘に生まれたからには誰しも一生に一度は夢に見る「ダービーウマ娘」
>まあもう二度と叶わないんやけどなブヘヘ
トレーナーのせいだわ

重賞しか勝ったことないからG1でも勝てるって言いきれないたけしいいよね...

ウマ娘とは「ダービーウマ娘」を目指す競争バのことである！！
ﾁｬﾁｬﾁｬﾗﾁｬｰﾗｰﾗﾗﾗ?

エフフの怪文書ありがたい…

>マリリン先輩と時々ちょっかいかけに来るタイホ君とぼんやりしたエフフォーリアのチーム…
今後次第じゃ妹のヴァンガーズや殺戮技巧も加わるのかな…

「お疲れ様、エフフォーリア」
出迎えてくれたトレーナーの顔はぴかぴかじゃなかった。目元を赤くしていろんなものを堪えた、それでも精一杯の笑顔。ああ、オレは、負けたんだ。
「……トレーナー、ごめ」「違うよ」
強い声が遮る。そこにあるのは怒りだったけれど、向けられた先はオレではなかった。
「違うんだ、僕が君の持つ力を引き出せなかった。先輩の経験に勝てなかった。その差が出てしまったんだ」
ぽすりと頭に手が乗せられ、力なく撫でられる。

「ごめんな、エフフォーリア」
そう言って弱々しく笑った顔に己の無力さを恨んだ。
なにがぴかぴかの笑顔を見せたいだ。オレはなにをしてきた？大舞台で勝って浮かれていただけじゃないか？経験の差がなんだ。そんなもの埋められるはずだ。
「トレーナー」
「うん？」
「……次は必ず勝つ」
「うん、頑張ろうな！」
そう、誰が相手でも必ず。オレがもらったものを必ず、お前に返すから。


っていうダービー後とかあったりなかったりするかもしれない。

仕事が早い…

この後秋天有馬制覇だからな…

ちょっとずつ耳のデカイ祖先に似て来るのか…

(あと一呼吸…一瞬追うのをズラしてたら…ああしていれば…こうしていれば…)
「続いてのスポーツニュースはあの三冠ウマ娘に注目です！」
「…っ！」
「天皇賞秋では三冠ウマ娘のコントレイル、そして三階級制覇を目指すマイル短距離女王グランアレグリアが──」
「さん…かん…」
ってここから目付きが変わるのいいよね

ウマムスマーdel