2022年1月18日、PC・タブレットメーカーのCHUWIは10.8インチAndroidタブレット「HiPad Pro」の2022年モデル(以下「HiPad Pro(2022)」)を発表、AliExpressの公式ストアで発売しました。
スペック
| ■ HiPad Pro(2022) | |
| CPU | Mediatek Helio G95 |
|---|---|
| メモリ | 8GB LPDDR4x |
| ストレージ | 128GB UFS2.1 |
| 画面 | 10.8インチ IPS WQXGA |
| インターフェース | USB Type-C(3.0)×1 microSD SIM(micro?) |
| カメラ | 前:500万画素 後:800万画素 |
| wi-fi | 802.11ac+BT5.0 |
| 4G/5G | 4G対応 B1/B2/B3/B4/B5/B7 B8/B17/B20/B38/B40 |
| バッテリー | 7,000mAh |
| サイズ | 245×157.7×7.4mm |
| 重さ | 0.455kg |
特徴
「HiPad Pro」は2021年8月に発売されたタブレットで、「HiPad Pro(2022)」はそのアップデートという位置づけです。
さらにこの先代の「HiPad Pro」は仕様詐欺で話題になった製品(解像度が違う/Amazon PrimeがHD画質で見れない)でもあります(一応メーカー謝罪済みですが削除してるんですよね…)。
そのことを念頭に置くとわずか5か月での世代交代も納得ですし、ぼろくそに叩かれてもめげずに後継機を出してきたところは好感が持てます。
さすがに同じことを繰り返すほど愚かではないと思いたいので、スペックを信じると違いは下のようになります。
| 2022年モデル | 2021年モデル | |
|---|---|---|
| CPU(SoC) | Mediatek Helio G95 | Snapdragon 662 |
| AnTuTu(v9) | 総合:約32万点 GPU:約9.8万点 | 総合:約18万点 GPU:約3.2万点 |
| メモリ | 8GB LPDDR4x | |
| ストレージ | 128GB UFS2.1 | |
| 画面 | 10.8インチ 2560×1600 | 10.8インチ 2560×1600 1940×1212 |
| WideVine | L1 | L1(Amazon非対応) |
| サイズ | 245×157.7×7.4mm | |
| 重さ | 455g | 480g |
CPU(SoC))
CPU(SoC)はMediatek Helio G95(MT8789)を搭載。
A76コア2つ、A55コア6つで構成され、Antutu(v9)のスコアは約32万点、GPUが約9.2万点と、ミドルハイクラスのSoCです。
2021年は「Xiaomi Pad 5」をはじめとするハイエンドSoC(おおむねAntutu50万点以上)を搭載したタブレットが多数発売されましたが、その下がAntutu(v9) 総合25万点/GPU4.8万点のUNISOC T618と、いきなり半分以下の性能になるんですよね。
かろうじてKirin 820(同・総合約36万点/GPU約8.9万点)を搭載したHUAWEI 「MatePad(2021)」が間にあるくらいでしたが、HUAWEIはアメリカの制裁を受けている点を考慮する必要があるので、自力でGoogle Playをインストールできるとか、自己解決能力の高い人向けとなります。
Helio G95は「MatePad(2021)」と同程度の性能を持ち、ハイエンド系とミドル系の間を埋める存在として、ニッチなところを突いてきたSoCとなります。
メモリとストレージ
「HiPad Pro(2022)」のメモリは8GB LPDDR4x、ストレージは128GB UFS2.1で、これは「HiPad Pro(2021)」から変わりません。
eMMCではなくスマホなどにも使われるUFSで、UFS2.1は1レーン当たり600MB/s、最大2レーン1200MB/sという仕様。商品説明ではリード・ライト550MB/sと謳っていますね。
eMMCより明確に早いというのは良ポイントと言えます。
その他
無線LANは802.11ac(Wi-fi 5)に対応。タブレットの世界はなかなか802.11ax(WI-fi 6)に移行しませんね…
4G/LTEにも対応していて、対応バンドは以下。
GSM: B2/B3/B5/B8
WCDMA: B1/B2/B4/B5/B8
LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B17/B20/B38/B40
microSD/SIM共有トレイでデュアルSIM可能(microSDと排他)とされていますが、SIMの種類(microなのかnanoなのか)は記載がありません。
バッテリーは7000mAhと、10インチ台のタブレット平均よりはやや多い感じですが、11インチ題は8000mAhを超えてくるのでサイズに見合った容量と言えます。
外観
ディスプレイは10.8インチ2560×1600で、アスペクト比は16:10となっています。
説明通りであればベゼル幅は4.5mmと最近のノートPC程度、色域はDCI-P3 97%と広色域なパネルとなります。
同じ10.8インチ2560×1600でパンチホールディスプレイな「MiniBook X」と同じものかなとも思いましたが、「MiniBook X」は色域とか記載がない(広色域なら謳い文句の一つにするはず)ので、違うモノっぽい感じがします。
オプションは筆圧4096段階に対応したWacom互換ペンと、Bluetooth接続のキーボードカバー。
「HiPad Pro(2022)」にはキーボード接続端子はありません。
2021年1月19日追記:H6/H7ペンはMPP1.5対応ペンであり、Wacom互換ではありませんでした。というか、どこからWacom出て来た?
カメラはフロント500万画素、リアが800万画素。
パンチホールはアプリによって黒帯になったり画面内に取り込んだりと、だいたいスマホと同じような扱いになるようです。
カラーは2色ですが記事執筆時点で販売されているのはブルーのみ。
ところでシルバーはカメラ穴がありませんがレンダリングミスでしょうかね…?
他も含めた特徴全体。
インターフェースはType-Cで、USB3.0対応、オーディオジャックがないので有線ヘッドホンはUSB変換が必要になります。
前回で懲りたのか、WideVineについては一番最後におまけ程度の掲載になっています。
さらに言うとAliExpressの商品ページでは一切触れられていません。かなりトラウマになっているっぽいですね。
まとめ
「HiPad Pro(2022)」の価格はAliExpressの公式ストアで299.99ドル(約3.4万円)です。
この価格設定は「HiPad Pro(2021)」と同じですが、「HiPad Pro(2021)」にはあった発売記念特別価格(199.99ドル)は今回はしないようです。
参考 CHUWIタブレットPC「HiPad Pro」特別価格199.99ドルで発売:CHUWI
公式ストアではオプションも選択できるようになっています。
本体のみ:299.99ドル
本体+ペン:334.99ドル
本体+キーボード:334.99ドル
全部入り:359.99ドル
まぁ、BluetoothキーボードにWacomMPPペンなので、どちらも代替品がいくらでもありますね。
価格的にはUNISOC T618搭載タブレット(2.0~2.4万円程度)と「Xiaomi Pad 5」(4.3万円)の間くらいとちょうどいいところを突いていて妥当かなとは思います。
性能面では今どきのタブレットとして申し分ないですし、あとはスペック詐欺再びとならないことを祈るだけです。
でもやっぱりフロントカメラはいらないよなぁ…
関連リンク
HiPad Pro(2022):AliExpress
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