一般的に早慶文系志望といえば英語・国語・社会の3科目で受験する学生が多いのではないでしょうか?
しかし、僕はこの通説に異を唱え、「早慶受験には数学が有利である」という説を提唱したいと思います。
実際、文系を選んだ理由が「数学苦手だから…」と言う学生が多いので数学を忌避する理由もわかります。
しかし、私立文系を志望する学生にとって数学受験は最大のチャンスです。
特に、私文最高峰である早慶を受験する学生にとって数学受験選択であることはかなり有利です。
早慶は法学部を歴史でしか受験できないところが痛いですが、それでも早稲田であれば社会科学部、商学部、政治経済学部あたりの看板学部を、慶應なら商学部、経済学部、SFCを数学受験することができます。
MARCH、関関同立あたりであっても大体は法学部も数学受験が可能であるため、文学系統を除くほぼ全ての社会科学系統の学部で数学受験選択をすることが可能です。
では、なぜそれらの私文学部を受験するにあたって数学受験が有利なのか?
以下、その理由を述べていきたいと思います。
※長いので目次から適度に飛んでください
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私大文系数学は暗記で解ける
題名で驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私大文系で出題される問題ってそのほとんどが解法パターンの暗記で解けてしまうものばかりです。
私立文系数学というのはそのほぼ全てが解法暗記型の問題になります。
しかも、MARCH以下の大学であれば旺文社の基礎問題精講を完璧にするだけで合格点に達するだけの数学解法パターンをマスターすることができます。
MARCH以下の大学はそこまで捻った数学の問題を出すこともなく、解法パターンを暗記していれば解ける問題ばかりが出題されますので基礎を抑えておくことで合格点を取ることができます。
早慶レベルになると単純な解法パターン暗記問題ではなく、解法パターンを組み合わせて応用しなければ解けない問題が出題されるので少し難易度は高くなりますが、基本的にはやることは同じです。
基礎問題精講の解法パターンを暗記し、マセマの実力UP問題集をやるだけです。
世界史や日本史なんてのは膨大な暗記量を強いられるわりに大して受験生の間で差がつかなかったりするので、非常に勉強効率が悪いです。
一方で数学選択であれば上記の参考書の解法暗記に加え、ちょっと過去問を解けば合格点に到達することができるのです。
社会に比べて絶対的に暗記量が少ないのに関わらず、解法パターンの暗記で受験問題が解けてしまう。
文系であればこそ数学選択の方が有利だと思いませんか?
数学選択は歴史選択と比べて圧倒的に暗記量と勉強量が少なくて済む
これもかなりのプラス要素です。
先ほども申し上げたように、膨大な暗記が要求される歴史とは違い数学では暗記する部分が圧倒的に少ないです。
薄い参考書である基礎問題精講の全例題の解法パターンさえ暗記して、ある程度過去問演習を行ってしまえばほとんどの私文入試の数学問題は解けてしまいます。
その分の暗記時間、勉強時間は選択科目よりも比重の高い英語の勉強などに充てることができますよね?
時間を有効に使え、暗記量と勉強量が少なく済むというのも数学選択の利点なのです。
ライバルが少ない
私文学部は受験生がこぞって応募しますので、かなりのライバルが周りに存在します。
しかし、それは歴史選択受験生のお話。
歴史選択受験生は死に物狂いで歴史を暗記してきますので、自分がいくら歴史を頑張ってもその効果はあまり表れません。
一方で数学選択をして私文受験をするとどうでしょうか?
ほとんどの私文受験生は歴史選択ですので、数学受験の私文ライバルは圧倒的に少ないです。
ライバルが少ないというのはそれだけでプラス要素ではないでしょうか?
数学受験の方が合格しやすい
私立文系入試では数学受験のほうが合格しやすく有利です。
それは、数学受験選択者に対しての間口の広さ、そして数学の平均点の低さにあります。
以下、その理由を私文の雄とも言える慶應大学と早稲田大学を例に見ていきたいと思います。
慶應義塾大学は数学選択者に対して門戸が広い
まずは僕の母校である慶應大学の入試を例に見ていきたいと思います。
慶應大学の文系学部ではそもそも定員数からして数学選択が優遇されています。
慶應大学の文系学部で数学受験を実施しているのは経済学部と商学部とSFCですが、例えば慶應義塾大学経済学部であれば数学受験はA方式、歴史受験はB方式になります。
では慶應経済の2016年度の合格者の数を受験方式別に見てみましょう。
A方式:合格者1104名
B方式:合格者460名
いかがでしょうか?
そもそも数学受験は歴史受験よりも3倍近い定員を誇っているのです。
しかもB方式って日本史と世界史選択の人両方合わせてこの人数ですからね。
定員面から見て数学受験が有利なことがこれでおわかりかと思います。
ついでに2016年度の商学部入試合格状況も見てみましょう。
商学部もA方式が数学受験、B方式が歴史と論文受験になります。
A方式:合格者1347名
B方式:合格者351名
いかがでしょう?
ちなみに実質倍率はA方式で2.9倍、B方式で7.8倍でした。
つまり、慶応の商学部入試では数学受験だと3人に1人の割合で合格。
歴史受験だと8人に1人の割合で合格するのです。
いかに歴史受験の間口が狭いかがおわかりでしょうか?
従って、慶應受験においては数学受験が圧倒的に有利なのです。
早稲田大学は数学の平均点が低い
早稲田の場合は科目別に受験方式を分けているのではなく、平均点を元に得点調整を行い全受験生の得点を算出し、そこで合格者を決定しています。
しかし、この得点標準化の仕組みがあるおかげで早稲田大学では慶應大学以上に数学受験が有利であります。
なぜかといえば、早稲田文系学部入試では全学部ともに数学の平均点は世界史と日本史に比べて圧倒的に低いため、得点標準化の恩恵を受けることができ数学選択の受験生は圧倒的に有利なのです。
※得点標準化とは、日本史・世界史・数学の科目別での難易度の差によって有利不利が生じないように早稲田大学側で平均点を元にした受験生の得点調整を行う制度です。
では具体的に、日本一難しい文系数学を出題することで有名な早稲田大学商学部の科目別平均点を見てみましょう。
早稲田商学部の選択科目の配点は60点ですが、2016年の受験生の科目別平均点は以下の通りでした。
日本史32.947点
世界史37.353点
政治経済37.415点
数学11.014点
いかがでしょうか?
数学だけ圧倒的に平均点が低いのがお分かりかと思います。
これでは数学受験者が圧倒的に不利になってしまうので、標準化という名の得点調整が行われるのです。
ではこの平均点を元に、2016年度の早稲田商学部入試において数学で5割の30点を取った場合と、世界史で8割の48点を取った場合の標準化後の得点を算出してみましょう。
※早稲田の標準化の式は諸説あるのですが、今回は最も簡略化した式で計算してみたいと思います。
<早稲田の標準化の公式>
配点の半分の点数-受けた科目の平均点+自分の素点=標準化後の点数(と仮定)
・数学で5割の30点を取得した場合の標準化後の得点
30点-11点+30点=49点
・世界史で8割の48点を取得した場合の標準化後の得点
30点-37点+48点=41点
おわかりでしょうか?
標準化が入ることにより、2016年度の早稲田商学部入試では数学で半分解答できれば60点満点中49点を取ったことになり、世界史では8割得点できても60点満点中41点しか取れなかったことになります。
どう考えても数学のほうがお得じゃないですかね????
早稲田って記念受験が多いんですけど、歴史選択だと記念受験であってもある程度は点数を取ってしまうんですよね。
だから平均点が下がりにくいのです。
ですが、数学受験だと普通に0点がありえます。
従って数学の平均点は低くなり、その後の得点調整で数学受験者の得点が大幅にUPするのです。
数学で半分取れれば歴史受験者が必死になって取得した8割の得点を超すことができると思えば、簡単に思えてきませんか?
以上、早慶を例に挙げてきましたが、このように数学受験のほうがどの学部も間口が広いのです。
早慶では法学部を数学受験できないのが傷ですが、それでも数学受験が有利ですね。
最後に
どうでしたか?
私立文系、特に早慶を狙うにあたっては数学を選択するのが最も効率が良く最適な戦法だというのがおわかりいただけたでしょうか?
受験も就活も、実際の仕事も、効率的に要領よくこなせる人間が成功を収めるのですよ!
ただし、本当に数学が苦手でしょうがない、という方は社会受験をオススメいたします。苦手なものをとことんやるのは有利と言えども効率が悪いですからね。得意なものを突き詰めましょう。
ちなみに、今回の内容につきましては僕のYouTubeチャンネルにおいてもさらに詳しく喋っております。
こちらになります→早慶文系受験には数学が有利な理由(YouTube動画)
その他、本ブログでは書ききれなかったこともYouTubeでは喋っておりますので、よければチャンネル登録お願いします!
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文系数学 実力up問題集まであらかた終わったのですが、早稲田政経、社学
慶應経済 7割安定しません。実力up問題集の一つ上の頻出レベル数学1A2Bを72題と少ないのでやろうと思っているのですがよろしいでしょうか?
コメントありがとうございます。
終わっていても、理解している、問題が解けるのとはまた違いますので、今持っている問題集を今一度解き直してみてはいかがでしょうか?
この時期で新しいものに手を出すのはリスキーです…