第45回日本アカデミー賞の優秀賞、新人俳優賞が18日に発表され、映画「孤狼の血 LEVEL2」(白石和彌監督)が最多13部門で受賞した。3月11日に都内で行われる授賞式で最優秀賞が発表される。
広島県を舞台に警察とヤクザの抗争をエネルギッシュに描いた「孤狼の血」の3年ぶりとなる続編。主要部門では作品賞、監督賞を受賞。前作で殉職したベテラン刑事の大上(役所広司)の後を継ぎ、裏社会の顔となった主人公の刑事・日岡を演じた松坂桃李(33)が、主演交代という重圧も乗り越えて主演男優賞を受賞した。
「最凶最悪のモンスター」の異名を持つ極道の上林役を演じ、報知映画賞など映画賞を総なめする勢いの鈴木亮平(38)と、スパイとして暴力団に送り込まれた青年役の村上虹郎(24)が助演男優賞。クラブのママ役の元乃木坂46・西野七瀬(27)が助演女優賞と新人俳優賞をダブル受賞した。
「熱量」のおかげ 他に撮影賞、照明賞、音楽賞、美術賞、録音賞、編集賞と合わせ前作の12部門を超える13部門で受賞。公式ツイッターでは「スタッフ、キャスト、そして#孤狼の血LEVEL2を応援してくれた皆さんの熱量があったからこそ」と喜びを表現した。授賞式では、前作の4部門を超える最優秀賞を受賞するか注目される。
報知映画賞の作品賞に輝いた「護られなかった者たちへ」(瀬々敬久監督)が作品賞、監督賞など12部門で続く。米アカデミー賞の前哨戦とされる全米批評家協会賞やゴールデングローブ賞でも旋風を巻き起こしている「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)は9部門を受賞した。
アニメ作品賞は興収100億円超の大ヒットを記録した「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)、現在公開中で興収100億円が確実視される「劇場版 呪術廻戦0」(朴性厚監督)、明石家さんま(66)がプロデュースした「漁港の肉子ちゃん」(渡辺歩監督)などが選ばれた。
◆「孤狼の血LEVEL2」が受賞した賞 作品賞、監督賞 白石和彌、脚本賞 池上純哉、主演男優賞 松坂桃李、助演男優賞 鈴木亮平、同 村上虹郎、助演女優賞 西野七瀬、撮影賞 加藤航平、照明賞 川井稔、音楽賞 安川午朗、美術賞 今村力、録音賞 浦田和治、編集賞 加藤ひとみ、新人俳優賞 西野七瀬