今回はちょい高ウイスキーとして、ニッカ セッションを飲みます。

日本とスコットランドのセッション

_DSC4116_01ニッカ セッションは、モルトウイスキーですが、ニッカが所有する余市と宮城峡のモルトの他に、スコットランド、ハイランド地方西部にあるベン・ネヴィス蒸溜所のモルトをキーとしてブレンドしたボトルになっています。

ベン・ネヴィス蒸溜所は1825年に、ロングジョンの異名を持つジョン・マクドナルドによって建設されました。
ベン・ネヴィスの名は、蒸溜所付近にあるスコットランド最高峰の山から名付けられました。その山からの雪解け水を含む付近の川からの水を使って仕込みを行っています。

1989年にニッカウヰスキーが買収し、現在は同社がブレンデッドウイスキーと10年物のシングルモルトを販売しています。

ニッカ セッションでは、ニッカが所有する3つの蒸溜所以外のスコットランドのモルト原酒も使われていますが、公表はされていません。

余市、宮城峡共に原酒が不足している状況で、国にこだわらずに新しいウイスキーを作ろうという苦肉の策とも採れるボトルですが、消費者も贅沢を言えない時期を考えると、逆にこう言う新しい試みを歓迎した方がいいように思えます。

3つのモルトがしっかりセッションを組んでいる

ストレート

レーズンの香りの後、余市モルトならではの燻製を思わせるスモーキーさがやってきて、その後はレモン、リンゴ、カカオ、バナナ、シナモンと続きます。

味わいは、アルコールからの辛みは少々強めで、後から甘味が感じられ、ほろ苦さも伴います。

ロック

余市モルト独特のピートの香りが先に訪れ、後からレモンの爽やかさに続き、レーズン、リンゴ、カカオ、バナナ、シナモンの香りが広がります。

味わいは、多少の苦みがあるものの、全体的には酸味が強めで、後味として甘さがほのかに感じられます。

水割り

リンゴとブドウの香りが半々に先にやってきて、ピートを感じつつバニラ、カカオの香りが後を追ってきます。

味わいは、スパイシーさを多少感じながら、後から酸味がついてくる印象です。後味には甘味があります。

ハイボール

ブドウとリンゴの香りが同時に訪れた後、軽いピートからのスモーキーさが続き、奥から樽香、カカオ、バナナの香りが続きます。

味わいは、全体的に甘さがメインで、軽く酸味を感じる程度です。

まとめ

セッションという言葉に負けておらず、余市、宮城峡、ベン・ネヴィスの3つのモルトの特徴がうまく組み合わさって、豊かな香り、味わいを得られているのがよくわかります。

また、どのような飲み方でも違和感や不快感が少ないようにブレンドしているので、ウイスキーを飲み慣れない人でも比較的とっつきやすいように思えます。

価格は実売で4000円ほどで、シングルモルトの余市や宮城峡よりは少々安い程度かと思います。

余市や宮城峡のモルトが不足している状況であるものの、却ってそれがより面白いボトルになったのは、不幸中の幸いなのかも知れません。

  • メーカー:ニッカウヰスキー
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:43度
  • 香り:燻製のようなスモーキーな香り、ブドウ、リンゴが先んじ、カカオ、バナナ、レモン、シナモンと続く。
  • 味わい:酸味が主体。後味に甘味がある。
  • ストレート B: アルコールの辛みが少々強い。酸味は抑え気味で甘味がより強く感じる。
  • ロック B: スモーキーさが強くなり、苦みも少し出る。
  • 水割り A: ピートは抑えられ、軽くスパイシーな印象が出る。
  • ハイボール A: 甘味が目立つようになり、飲みやすさを感じる。