業人(読み)ごうにん

精選版 日本国語大辞典「業人」の解説

ごう‐にん ゴフ‥【業人】

〘名〙
前世の悪業の報いとして現世の苦難をうける人。また、悪業(あくごう)を行なう人。業さらし。〔文明本節用集(室町中)〕
浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中「そりゃ皆こちが殺すは、こちとはいかいごう人と顔を見合せ泣きゐたり」
② 人をののしっていう語。業さらし。
※浄瑠璃・天神記(1714)三「罰あたりめ業人(ゴウにん)め」

わざ‐びと【業人】

〘名〙 技術のすぐれた人。巧みに操作する技術の持ち主。わざもの。
※茶話(1915‐30)〈薄田泣菫〉洒落た料理「西瓜の奈良漬の飛切りなのを大急ぎに態人(ワザビト)で京都の店まで届けて貰ふように頼んだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「業人」の解説

ごう‐にん〔ゴフ‐〕【業人】

前世の悪業の報いとして苦難を受ける人。また、悪業を行う人。人をののしってもいう。
「お前さんはえらい—だ」〈森田草平煤煙

わざ‐びと【業人】

技術・技芸のすぐれた人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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