大前提として、大学の情報工学系で学ぶプログラミングは低級言語かC・Javaのような保守的な言語が中心です。そのうえ、フレームワークやライブラリも企業が利用するものとは異なる内容を学ぶことが多く、なかなか役にたちません。大学で学ぶ内容は博士前期課程へつなげる導入部分であり、理論や共通思想を学ぶことに主眼が置かれています。もちろん、これらはITエンジニアにとって長期的には役立ちます。 大学での教育は実務や就職活動を意識していません。就職活動で実際に動く成果物を見せることは非常に強力なアピール手法の一つですが、いまどきJavaサーブレットやC言語のネイティブアプリなんてつくる趣味人はいません。WebアプリかAndroid・iOSのアプリが主流ですし、開発していて楽しい分野です。 こういったモダンな領域は移り変わりが激しく大学教育の範囲外です。基本的にはprogateやN予備校で自習して、未経験者歓迎の長期ITインターンをバイト代わりにこなして経験を積むことになります。 成果物をつくる以外のアピール方法には、AtCoderなど競技プログラミングでのスコア、Kaggleなどデータ分析コンペサイトでの実績があります。競技プログラミングは中野キャンパス・生田キャンパスどちらのプログラミングサークルでも取り組めるでしょう。 総合数理学部は、現象数理が数学を他分野・実社会に応用する方法を教え、先端メディアがCG・画像・映像・VR・認知科学・インターフェースなどITを駆使した表現技術を教え、ネットワークデザインがAIの応用的活用を教えています。ネットワークデザインは名称とは異なり全ての研究室がAIを利用して何らかの研究を行っている学科です。 理工学部機械情報工学科はいちおう4力も扱うので、メカトロニクス・ロボット、あるいはIoTや組み込み(エンベデッド)を学びたい方に向いています。機械や電気の研究室ばかりなので、ITを企業でもサーバや部品を製造するベンダーや、家電・交通機械を製造するメーカーへの就職に有利です。 理工学部情報科学科は一般的な情報工学の学部です。プログラミングの授業は明大で一番多いです。 端的に言えば、AIやりたいならネットワークデザイン、IoTやロボットに関心があるなら機械情報工学、純粋に情報工学を学びたいなら情報科学に進学すべきです。 明治大には他学部履修制度があり、キャンパスが違う学部の科目でさえ履修できます。さすがに他学部の研究室は無理ですが…。中野キャンパス生でも、1週間のうち1日だけ生田で学ぶ日を決めて、その曜日に生田で実施される科目を3つほど履修するという方針は可能です。同じ日に生田・中野を行き来することも可能ですが、忙しいでしょうね。 中野キャンパスは国際日本学部もあるのでESSサークルが強く、他学部履修で国日の授業を受るなら英語科目も充実しています。最近ではOMSCSのようなリモートの修士課程も増えてきたので、海外修士を目指すなら中野の総合数理のほうが適しているかもしれません。生田でも和泉の科目を他学部履修すれば同じことができますが、キャンパス間移動が面倒です。 https://k0kubun.hatenablog.com/entry/omscs