熊野油脂(株)

当社は、シャンプーやボディソープ、クレンジングオイルなどの化粧品・医薬部外品を、企画から開発・製造・販売まで一貫して行うメーカーです。商品の分野は主に3つで、1つはドラッグストアなどの一般向けの商品、もう1つは業務用で主に温浴施設向けの商品、そしてギフト業界へ販売する商品があります。自社で開発したオリジナルの商品を問屋さんや商社に販売することもあれば、PB商品やOEM商品をお客様とともに開発することもあります。

経常利益率は10%以上を17年維持し、近年は15％以上を7年達成中です。しかし、当社は売上や利益だけを追い求めている会社ではありません。当社がめざすのは「いい人間関係の中で、一人ひとりが成長していくこと」です。いい人間関係のために当社が大切にしているのは、「チームワーク」です。そのチームワークを実現させるために、本社と工場を集約しています。全員が1つの場所にいて、互いに連携を取り合うことで、スピーディーな対応が実現できるのです。

この「商品開発スピード」は他社に負けない強みの1つです。たとえば商品開発をする中で、生産ラインに乗せられるか否かなどの生産技術的な側面を検討したいとき、すぐ隣に工場があることで、すばやく検討することが可能なのです。フットワーク軽く十分な検討ができることから、やり直しも少なく、スムーズに商品を開発することができます。この「対応の速さ」はお客様からも高い評価を得ています。

もう1つ、当社の特徴的な体制をご紹介しましょう。それは「当社には役職がない」ということ。営業の統括リーダー、リーダーと工場長にあたる工場統括リーダーしかありません。その分、一人ひとりの裁量は大きく、全員がチームの一員として活躍しています。たとえばある商品を開発しようとするときは、1人の社員が担当するのではなく、部署内の全員で話し合い、アイデアを出し合います。みんなでひざを突き合わせて商品を作り上げていくので「この部分は私のアイデア」「この案は僕のアイデア」といった具合に、自らのアイデアが具現化しやすい職場環境といえるでしょう。その代わり、誰かが勝手に物事を進めていくようでは、会社として成り立ちません。ですからやはり、何よりも大切にするのがチームワーク。
（企画開発／河村 亮）