
1月4日の朝、早速朝日浜離宮ホールにそのフライヤーを見に行ってきました。懐かしいやら嬉しいやら、新しい木目も鮮やかに白い翼のライトフライヤーが見事に蘇りました。手間と時間をかけてじっくり製作してきたのでしょう。構造材から翼布、取り付け金具、プロペラまで手作りです。プロペラは三枚の板を重ねて合板を作り、そこから手で削り出しています。その苦労が偲ばれます。昨年9月には鹿児島で展示され、11月に久住滑空場で組み立てテスト、そして12月には分解されたフライヤーははるばる東京までトレーラーで輸送され、二日間をかけて組み立てたのだそうです。製作は西日本航空協会の方々が担当されたのですが、何らかの形でこのプロジェクトに参画した人は2000人にのぼるとか。大プロジェクトです。

あくまで精巧に復元されたフライヤーですが、実物と異なるのはエンジンです。当時ライト兄弟はフライヤーを飛ばすために直列4気筒、3.3リッターのエンジンを自作し、12馬力の出力を得ることに成功しました。復元フライヤーでは敢てエンジンの復元はせず既存のエンジンを使用しています。小松ゼノア社製の2気筒40馬力、排気量500ccの2ストロークエンジンを使用しています。本来パラグライダーやウルトラライト機などに使用するエンジンだそうです。小型軽量で高出力のエンジンをつけたことにより、かえって時代の流れを感じさせます。

それから、このフライヤーはオリジナルのようにモノレール上を滑走して離陸することはできません。航空局の規則により、このフライヤーにも陸上を滑走するためのタイヤをつけなければならないのです。しかし木製の細い橇(そり)を構成している部材には車輪をつけるための強度が足りないとか。補強しなければならないようです。法規上はこのフライヤーは自作飛行機のカテゴリーに入るそうで、飛ぶ前になにやら色々検査もあるとのこと。いかにも日本のお役所らしいですね。ということで、実際の初飛行は今年(2004年)の夏に行われる予定とのことです。
--2004年1月4日記--