「その顔はもっと降って欲しいなーって顔プイ」
「…そっスね」
「雪合戦するプイ！」
プイ先輩はウチが雪合戦したいと考えてると判断したようだった。
実は違う。
雪には色々な思い出がある。
あの時もそう――雪が降っていた。
************

************

「ウチは姉ちゃんとは違うっス！」
ウチの姉であるドリームジャーニーの悪い噂を挙げたらキリがない。
有名なのは「いつか必ずアイツは人を殺す」というやつだ。
「ヤってねえ！」とは他ならぬ姉ちゃんの言葉であるが。「やろうと思えばいつでもヤれる」
これもまた姉ちゃんの言葉である。
で、そんな姉ではあるのだが
宝塚記念、有マ記念などを勝利した実績の持ち主であるというのがタチが悪い。

「君なら出来るよ！」
そんなんだからウチも変な期待をされていまい、シャダイとかいうとこで多数のG1ウマ娘を排出しているらしいトレーナーに紹介をされてしまった。
最初はトレーナーの言う通りにしていたけど、どうにもウマが合わない。
「生意気なのよアンタ！」
そんなんで言うことを聞いてなかったらまあ先輩ウマ娘にいじめられるのなんの。
口元が似ているとか意味分からない理由でいじめられるので人前ではマスクをつけるようになった。
「……ッス」
ウチはすっかり臆病者になってしまった。

そんな感じでいじめられてやる気が起きるはずもなく、シャダイのトレーナーには匙を投げられてしまい、ウチは姉ちゃんと同じ人に世話になる事になった。
「よろしくなオル！😃」
「…っス」
「ジャーニーから聞いてたより大人しくてかわいいやんかこの子！😄」
それがkmiヤツとの出会いだった。
先のウマ娘の先輩やらトレーナーのせいでウチは完全にニンゲン不振になりネコを被っていた。
大人しく騒ぎを起こすことなく
「なんだコイツ気持ち悪っ！」
姉ちゃんに茶化されたりしながら。
最初のレースを迎えた。
アイツらを見返してやる。それだけ考えていた。

結果から言うとウチは勝った。
でもそれは姉ちゃんの妹のウチなら当然の事だと思っていた。
だから「やるやん！😃」とか言って近づいてくるkmiヤツを。
「krs！」
ウチは背負い投げしてやった。
「ぐえーっ！😩」
その騒動のせいで暴れん坊とか呼ばれるようになったけど心外っス。
繊細なウチに近寄ってるkmiのが悪いっス。

しかしウチの快進撃はそこで終わり。
その後は連戦連敗だった。
しかも京王杯では1番人気だったのに10着という大敗だった。
「なんで勝てないんスか…」
ウチはショックだった。
姉ちゃんみたいな強いウマ娘になれると思ってたのに。
ちょっと周りにドヤされるだけで勝てなくなるなんて。
周りのウマ娘はウチよりも強い。ウチよりも大きい。


――怖い。
「残念ながら……はい……中止で……😥」
次に出るはずだった朝日杯の予定も中止になり、ウチは故郷へ放牧に出された。
「負けっぱなしのウマ娘はもういらないっスか…」

「はぁ…はぁ……」
故郷のターフでウチは一人走っていた。
最初は何くそと思って我武者羅にトレーニングをしていた。
「こんな事やったって……」
けれど何だかアホらしくなって辞めた。
何もする気にならず、ただ突っ立っていた。
天気はウチの気持ちを現すかのような曇天で、雪まで降り出した。
このまま雪に降られてたらそのままお休みになれるっスかね。
「何しとるん、オル😅」
声に目線を向けるとkmiヤツがいた。
「…アンタこそ、なんでこんなとこにいるんスか」
「オルに会いに来たに決まっとるやん😃しかし寒いなぁ。まいるわー」
「雪降ってるっスからね」

「帰らんのか？😩」
「ほっといて欲しいっス」
「風邪引くで😃」
「あっち行けッス！」
肩を掴まれたので投げ飛ばそうとしたが、そいつはピクリとも動かない。
「オルが戻らんいうなら戻るまでボクも戻らんよ」
掴んだ手を振り解かれる。
ウマ娘のウチと遜色ないくらいに腕に力が篭っていた。
「アホじゃないっスか？」
「お互いな」
ウチは意地になってずっと動かなかった。2時間、3時間、いや、半日は経っただろうか？
そいつはウチの事を見て鼻水垂らしたきったない顔でニコニコ笑っていた。

「……雪、積もってるっスよ」
「せやな」
ウチが話しかけるとようやく口を開く。
ずっと待っていたのか。ウチが話しかけるのを。
「オルのデビュー戦は見事やった。ボクは…オルが世界一強くなれると思ってる」
「ウチが？」
「せや、でも今のままじゃ無理やけどな」
「…どうすればいいっスか？」
「簡単やで」
「ボクと一緒に頑張ろう」
手を差し出された。
「……信じて、いいんスか？」

「言うたらなんやけど、君のお姉さんにG1取らせたんやでボクは」
姉ちゃんが言ってた気がする。ソイツはクソ気持ち悪いヤツだが信じるに値すると。
「…ウソだったらタダじゃおかないっスよ」
「ボクは人を…いやウマ娘を見る目はあるつもりやで」
握った手は、この寒空の中にいたとは思えないほど温かく。
「よろしくな！オルフェーヴル😃」
雪が降っていた。
思い出の中を、真っ白い結晶が埋め尽していた。
数年ぶりに訪れた白く霞むターフで、
今も振り続ける雪の中で、

ウチはひとりのトレーナーと出会った。

************

「うわぁ、オルちゃんが、見た事ない顔してるプイ…」
「……ハッ！」
いけない、プイ先輩がいるのも忘れて思い出してしまったっス。
雪の日の思い出はもう一個あるのだけれどそれは思い出さないことにするっス。
「いやあ、雪合戦したいなーと空想してたっスよ！」
「プイｨｰ？」
なんスカその変な疑問系は。
「オルー！😃」
声が聞こえた。
「トレーナーさんプイ」
「っスね」
足音で知ってたっスけど。

「雪やでオル！いやー思い出すなぁあの時オルの肩を抱いてぐえーっ！😩」
ウチの華麗な瞬間移動背負い投げがトレーナーに決まった。
「プイ先輩！雪合戦しようっス！」
「楽しそうですね、是非」
kmiのの前で皮を被ったプイ先輩と集まった皆で雪合戦を始め、なんやかんやで有耶無耶にしてやった。

「いやー、オルには敵わんわ😅」
雪に埋もれた鼻水垂らしたトレーナーに手を差し伸べる。
握った両手は、この寒空の中にいたとは思えないほど温かく。
「…マジkmiっス」

https://youtube.com/watch?v=-y7G-8_943o [link]

酒を飲んでる人の影響で
雪が降っていてこの歌オルフェーヴルの歌じゃない？という怪電波を受信したので書きました

怪電波というか歌受信してる…お疲れ様…

いやーkmiッス
もっと怪電波を酒のように浴びろッス

どこにでもあるただの絵文字なのに同じ表情してるであろうことが手に取るようにわかってこれは…

このkmi絵文字は...

おっさんみたいな絵文字連打だけど元ネタもおっさんだからな…

怒涛の絵文字

真面目になったら顔文字消えてる…

秘密だけどikz...トレオルが好きなのでとても嬉しいよかったらまた書いてほしい

怪文書目印のメモ帳に絵文字くっつけるのいいな…今度真似させていただこう

>怪文書目印のメモ帳に絵文字くっつけるのいいな…今度真似させていただこう
キボンヌが出るのがひと目でわかるな…

ありがとう 言わないよ ずっとしまっておく
さよならは翳（かげ）りない
夢のあと静かに降り立つ
両手には降り注ぐかけらを
いつまでもいつまでも抱いて
最後まで笑ってる強さを もう知っていた

>秘密だけどikz...トレオルが好きなのでとても嬉しいよかったらまた書いてほしい
秘密にするなっス
もっと公言しろっス

絵文字だとメロディーレーンのあれが今でもインパクトすごい

>ありがとう 言わないよ ずっとしまっておく
>さよならは翳（かげ）りない
>夢のあと静かに降り立つ
>両手には降り注ぐかけらを
>いつまでもいつまでも抱いて
>最後まで笑ってる強さを もう知っていた
肉まんとか牛丼とか鯛焼き食べたくなる歌きたな…

雪の中でずっとオルフェといたのは原作からだっけ…

舎弟に詳しくないから雪のもうひとつの思い出が分からない
エピソードがあるなら教えて欲しいしなかったらikオルのことなんだな...って勝手に幻覚見とく

>雪の中でずっとオルフェといたのは原作からだっけ…
スイーピーのエピソードしれっと奪ってますね…

一時期ナマモノやめろって言う人いたけど最近見ないな

>>雪の中でずっとオルフェといたのは原作からだっけ…
>スイーピーのエピソードしれっと奪ってますね…
🐸許さん…

女の子してる舎弟はかわいいよ

原作の逸話からしてｷﾃﾙからな...

キボンヌからも地味に重いのがいい

基本は相棒だけどちょっとだけ色が混じるくらいの距離感尊いゲコ…

2度の背負い投げもどちらも騎手が嫌いならそのまま走り去るものを
近くに寄って眺めてるだけなのが尊いんですよね

>基本は相棒だけどちょっとだけ色が混じるくらいの距離感尊いゲコ…
節操ないわねこのカエル！！

fu708007.jpg[見る]
このシーン早くメインストーリーで見たいんスけど

オルフェの引退試合はちょっと原作者の筆が乗ってるすぎておかしい

>2度の背負い投げもどちらも騎手が嫌いならそのまま走り去るものを
>近くに寄って眺めてるだけなのが尊いんですよね
重いっス！！！！
…なんでそんなところにいるっスかまじkmiっス

身体ゆすったら大好きなikzeが出てくる説かわいくて好き

fu708034.mp4

>2度の背負い投げもどちらも騎手が嫌いならそのまま走り去るものを
>近くに寄って眺めてるだけなのが尊いんですよね
いたずら小僧…

>2度の背負い投げもどちらも騎手が嫌いならそのまま走り去るものを
>近くに寄って眺めてるだけなのが尊いんですよね
いや新馬戦の時は走り去ってなかったか？

>2度の背負い投げもどちらも騎手が嫌いならそのまま走り去るものを
>近くに寄って眺めてるだけなのが尊いんですよね
新馬戦の時は振り落として放馬してそのまま記念撮影中止だしそういう話ではないと思うよ

新馬戦買った後はズタボロなのにずっと添い続けてG１取るからな…