特集

Interview
徳川家康役・北大路欣也さんインタビュー「こんばんは、徳川家康です」
どうして家康?
Q:徳川家康役のオファーがあったときのご感想はいかがでしたか?

お話をいただいたときにまず「この時代に、どうして家康?」とびっくりしました。徳川家康は今まで何度も演じさせていただいているので、思い入れがすごくあります。ただ、今回の徳川家康はドラマの“誘(いざな)い役”であるというお話を聞いたとき、経験がないシチュエーションだったので、ドラマと同じように“役”として演じる存在だけではうまくいかないのではないかととても不安で、すぐにお返事はできませんでした。
今は、みんなで文化や経済を再び感じ直さないといけないときでもあると思います。近代日本の経済や教育などの礎を築いた渋沢栄一の物語は時代にぴったりのテーマだと思いましたし、そういう意味ではすごく前向きでした。でも、お返事するまでに本当に悩んでね。ギリギリで、「せっかくお話をいただいたのだから、挑戦してみよう」と思いました。

緊張しながら撮影しています
Q:物語全体の“誘い役”を、実際に撮影してみていかがでしょうか。

立派な歴史を紹介しなくてはならないので責任重大だと思って、とても緊張しながら撮影しています。
今回の家康さんはカメラと対話するのですが、そんなことは俳優人生で初めての経験だからとても難しいですね。僕ら俳優はカメラと目線を合わせることに全然慣れていないんです。カメラに向かって話をするご職業の方はすごいなと、改めて感じました。

---視聴者の皆さんに伝えたいことはありますか。

演じながら自分にも発見があるのではないかと感じていますし、「僕はこう思いますが、皆さんはいかがでしょう」とご意見を聞く感覚で、ちゃんと生きた存在でいたいなと思っています。渋沢栄一さんを中心としたドラマを僕自身も感じたい。だから家康さんには申し訳ないけれど、「こんばんは、北大路欣也です」という気持ちでいるときがあります(笑)。そういうとき、家康さんは空から支えてくださっていると思う。そう思っていないと緊張してしまうんです。見ている皆さんと一緒にその週の物語を楽しみたいという思いが一番にあります。

家康さんにご縁があるのでしょうね
Q:第15代将軍・徳川慶喜を初代将軍・徳川家康が見つめているというのは、どのような感覚でしょうか。

家康さんとしてはうれしいのではないかと思います。自分の子孫が頑張っている姿も見ることができるし、未来の歴史的人物や初めて見るさまざまなおもしろい人たちがいて、「おぉ、やっているな」と楽しめるわけですから。もし本当にこんな人生が味わえたら最高ですよね。

それから、俳優人生でたくさんの役に出会ってきたので、今回登場する歴史的人物の何人かを役として演じたことがあります。その役名をセリフで言うときは、演じた当時を走馬灯のように思い出し、かみしめながらやらせていただいている不思議な感覚があります。

---徳川家康という役はどんな存在ですか?

歴史的人物となると、いろんな俳優さんが魂を吹き込むことに挑戦し、その積み重ねで視聴者の皆さんのなかにその人物像が作り上げられるわけですよね。誰かが一人演じただけで家康はこういう人、となるわけでもない。例えば、坂本龍馬もいろんな俳優が演じるから、「あぁ龍馬ってこういう面があるんだ」と出来上がってくる。みんな偉大で大きい存在なんです。僕はこんなに何回も家康さんを演じさせてもらえて、本当に家康さんにご縁があるのでしょうね。『青天を衝け』での新たなご縁を大切にさせていただきたいと思っています。

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