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Interview
渋沢市郎右衛門役・小林薫さんインタビュー「この父あって、この子あり」
過酷なロケだったと思います
Q:『青天を衝け』の撮影に参加してみて、いかがですか?

最初のロケは群馬県安中市での真夏の撮影で、尋常じゃない暑さでした。コロナ禍での撮影なのでみんなマスクをしている分、探り探りでふだんよりスタッフの作業や撮影に費やす時間も増えてしまうんですよね。そういう点でもかなり過酷なロケだったと思います。
細かい演技プランを練るというより、集中力を高め緊張感を持って本番に臨むだけ。それは原点に返るような感覚でもありました。そんな撮影を乗り越えたので、作品が終わったときはみんなが一緒に戦った戦友みたいな感覚になるような気がしています。

市郎右衛門さんは、時代の先をいく人
Q:演じる市郎右衛門さんをどのような人だと感じていますか?

市郎右衛門さんを演じて感じるのは、非常に現実主義者だということ。当時は、雨が降らなかったら雨乞いをするような風習があるなかで、市郎右衛門さんは藍を買い付け、藍玉に加工して高く売るという “商い”と呼ばれることをしていた。そして、どうしたら「人に喜ばれるだろう」「商品価値の高い藍玉が作れるだろう」とずっと研究しながら渋沢家を支えてきた。さらに、がんばった人のことは気持ちよく褒めてあげるような優しさも持っている人です。当時には珍しい、時代の先をいくなかなかすごい人だと感じながら演じています。
そういうところが、のちの栄一に結びついていることも強く感じます。“この父あって、この子あり”だなと思うことがたびたびありますね。

みなさんの身近にもいるような人たち
Q:『青天を衝け』の見どころは?

大河ドラマは歴史を動かした側の人が主人公になることが多く、無名の地方の百姓が軸になっている作品は今までになかったと思うんです。一人の百姓の思いや行動がどのように歴史に関わっていくのか、そこを描くのが非常におもしろいと思っています。
江戸側で幕府の中心にいた人たちの話も出てきますが、僕が演じる故郷パートの人間たちはそことは遠く離れていて、世の中の動きをあまり知らずに暮らしています。見てくださるみなさんの身近にもいるような人たちだと思いますし、今の時代とリンクすることもあり、共感を呼ぶのではないかと感じます。

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