♯643 帯広畜産大学・日本酒編
めでたい席に欠かせない…日本酒
日本を代表するお酒、日本酒。
明治時代、北海道には100軒を超える酒蔵があったそうですが、
平成後期には11軒までに減少しました。
酒蔵が増えてきています!
ところが近年、道内の酒蔵の軒数は増加に転じています。
そこには北海道で良質な酒米が生産されるようになったなど、
北海道農業の進化も、背景の一つとしてあります。
農業研究者や生産者の努力は、北海道の地酒文化の復興にも一役買っているのです。
新年早々、森アナの声がヤバいです…
さて今回のあぐり王国北海道ネクストは、帯広畜産大学で造る日本酒に注目します!!
森結有花アナウンサー「あげまじでおめでどうございま~ず(ガラガラ)」
森崎博之リーダー「あれ?どうしました?その声?お正月飲みすぎ?」
森アナ「声の調子が悪いです…ノドを痛めてしまいました…」
数日前からノドを痛めた森アナですが、体はピンピンに元気です!
ということで今回はハスキー&ウイスパー森アナでお届けします。
今回は帯広畜産大学でつくる日本酒に注目します!
ではリーダー&森アナのオーバーリアクション付きオープニングをお楽しみ下さい!
リーダー 「今回は帯広畜産大学にやってきました。なんとこちらで日本酒の取材をするんです。 大学で日本酒??ええええええええ!?」
リーダー
「それってどういうこと?それはですね!
帯広畜産大学と上川大雪酒造のコラボレーションで
新しい日本酒がこちらにあるというんです!!」」
リーダー「うわ~い!楽しみ!!!じゃあさっそく行ってみましょう!!」
オーバーリアクション&ジェスチャー入りの展開に…
リーダー「つらい…」
ここからは普通にやっていきましょう!
大学構内にある日本酒店に来ました!
ということでまずは、大学構内にある酒蔵、
碧雲蔵(へきうんぐら)のショップコーナーにおじゃまします。
酒造メーカーシャインと学生の二刀流!
リーダー「大学構内にある施設とは思えないよね…」
森アナ「本格的ですよね!」
山根桃華さんにお話を伺います!
山根さんは上川大雪(たいせつ)酒造の社員であり帯広畜産大学・大学院の学生でもあります。
山根さん
「生酛(きもと)系酒母(しゅぼ)の山廃(やまはい)というのを研究対象とし、
生酛の中にどんな微生物がいるかを調べています!」
リーダー「へええ~(難しい…)大学院で勉強していることも日本酒?」
山根さん「日本酒関連のことを!」
リーダー「どれだけお酒好きなんですか!?」
山根さん「結構好きですね!!」
十勝待望の酒蔵が2020年に誕生!
碧雲蔵(へきうんぐら)は2020年6月から醸造が始まっています。
リーダー「十勝って日本酒との結びつきがそこまでないのかな…?」
山根さん「十勝に酒蔵ができたのは約40年ぶりです」
リーダー「地元の方も喜んでいますよね!」
大学構内にある酒造施設は、碧雲蔵が全国で唯一だそうです。
酒蔵におじゃまします!!
杜氏の若山健一郎さんに碧雲蔵のお酒の造り方を教えて頂きます。
米が日本酒になるまで…
日本酒の原料となるのは、酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)、通称・酒米。
普段食べているお米より、デンプン質の割合が多く、
タンパク質の割合が少ない、などの特徴があります。
この酒米を洗って、うるかすところから日本酒造りがスタートします。
この大きな釜で酒米を蒸しています。
リーダー「これ子供が中に入って遊ぶやつじゃない?」
森アナ「違いますっ!ふわふわドームじゃないですよ!!」
リーダー「どのくらいの酒米ですか?」
若山さん「約200kgぐらい!これでも少ない方…」
リーダー「合でいくとどのくらい?」
若山さん「1石(いっこく)以上!1斗(いっと)で約15kg。1石で約150kg!それ以上!」
蒸しあがりの判断基準は香り!!
若山さん 「今から匂いを嗅いで蒸しあがりを判断して機械を止めます。 香りがどんどん変わっていくんです。甘いお米のいい香りがし始めると蒸しあがりです!」
さて香りを確認すると…「OK」とのこと!
機械を止めて蒸し布をとると…
リーダー「うわ~蒸しあがってます!」
森アナ「キレイ!いい香りですねえ」
蒸し器を移動させます。
リーダー「巨大な機械にセットしてますね」
森アナ「何か上から降りてきた!」
リーダー「しかもスコップだ!蒸しあがったお米をバケツへ!」
リーダー「まるで除雪ですね!」
このバケツが上に移動していきます!
森アナ「上に人がいます!この人に渡すんですね」
若山さん「蒸した酒米を米麹にするために2階の麹室(こうじむろ)に移動させます」
蒸し上がった米に麹菌という食品発酵に有効な微生物を繁殖させます。
その状態が麹。麹は、麦や豆なども原料となりますが、日本酒の場合は米が用いられます。
若山さん
「担当者が手の感触で蒸し上がりの状態がいいかどうか判断しています。
触って・食べて・においをかいで五感で判断します」
蒸しあがった酒米の味は?
蒸しあがった酒米を食べてみると…
リーダー
「パリッパリ!硬い硬い!米の感じが違う!
普通のお米だと外側が柔らかくて中に食感がある感じだけど、これは逆!」
若山さん「酒米は【外硬内軟(がいこうなんなん)】と言って外が硬くて中が軟らかい!」
北海道産の酒米へのこだわり!
リーダー「こちらの酒米は?」
若山さん
「北海道産の【彗星(すいせい)】【吟風(ぎんぷう)】【きたしずく】。
この3種類だけどを使っています。
北海道の水田の生育環境がよくなっているので
北海道の酒米はどんどん注目されていくと思います」
碧雲蔵では、新十津川町・愛別町・深川市などの酒米をホクレンを通して入荷。
北海道産の酒米にこだわって日本酒を製造しています。
若山さん
「十勝の地で北海道の酒米を使って、十勝の人たちが醸造するというのが地酒ですし、
その先に世界があります!
世界のお客さん達も土地へのこだわりがあるものは好んでいくので
十勝を見てお酒を作っているけど、その先を突き詰めると世界が広がっていきます!」
さて蒸し上がった米は、まずは麹へ。
その麹は、どのような工程を経て日本酒へなっていくのでしょうか。
麹をみていみましょう
リーダー「こちらが麹菌をふったものですね」
若山さん「麹菌を蒸した酒米にふって48~50時間するとこうなります」
リーダー「麹が生えたというか覆われました」
若山さん
「その麹を使って大本になる酵母を育てる工程があります。
それが酒母(しゅぼ)。酛(もと)という言い方もあります。
この麹と蒸した米・水と酵母を入れ、酵母を培養していきます。
その時、元気で密度の高い状態を創り出すのがポイントになります」
リーダー「これは熱をかけるとポコポコなってくる?」
若山さん「熱もかけますが自分たち(酵母)が増殖する時に熱も出します」
若山さん「そうしてポコポコポコポコ…声が聞こえてきます」
リーダー「声が聞こえるんだ!お酒の声が!聞きたーい」
若山さん
「それで酒母(酛・もと)ができて、いよいよ醪(もろみ)です。
三段仕込みといって、酒母に麹と蒸した米・水を加えます。
もろみは20~30日かけて発酵させて、
最後に絞って山吹色(やまぶきいろ)のキレイなお酒が出てきます」
もろみを搾って出てきた液体が、原酒と呼ばれるものです。
リーダー「うわ~いい香り!磨かれたいい香り!もう美味しいね」
若山さん「搾ったままですね!純米大吟醸です」
しぼりたてを一口いただきます…
リーダー「うわ~ すっごいまろやかで、とろ~んと幸せな感じ💛」
若山さん「幸せな感じと言ってくれるのはすごい嬉しい」
この原酒から、ろ過、加熱、アルコール度数の調整など複雑な工程を経て、
製品としての日本酒が出来上がります。
酒蔵と大学の関わり
森アナ「学生は醸造に携わっているんですか?」
若山さん「醸造に携わった《畜大酒》というのもあって、あっという間に売り切れました!」
リーダー「山根さんはどんなことしてるの?」
若山さん「碧雲蔵では杜氏補佐という形で、大学の研究と職人の仕事をしています」
リーダー「学ぶし研究するし作るし飲む!!一人4役」
若山さん「なかなか出来ることではないよ!」
酒造メーカー&大学連携のきっかけ…
さて帯広畜産大学の学長室にやってきました。
そもそもなぜ、大学と酒造メーカーが連携することになったのか?
奥田学長と上川大雪酒造の森井さんにお話を伺います。
奥田学長
「2018年5月に北見工業大学・小樽商科大学・帯広畜産大学が経営統合に合意しました。
その夏、小樽商大十勝支部の同窓会に招待していただき、
小樽商大出身の上川大雪酒造の塚原社長から
『帯畜大に酒蔵を作ってブランド酒を造ることに興味ありますか?』
『酒蔵ができないかな?』という話が最初ですね」
リーダー「山根さんの未来が繋がりましたね」
山根さん「大きな取り組みに携わらせてもらっているのがありがたい!」
帯広畜産大学では、発酵や微生物などの研究も行われていて、
その研究を通じた、日本酒の品質向上・人材育成なども、この連携の狙いです。
日本酒づくりで地域貢献
森井さん
「まずは地元の十勝を応援したいという気持ちで
帯広畜産大学さんと連携することで、地元に受け入れてもらえる素地ができたと思います」
奥田学長
「国立大学は3つのカテゴリーに分類され、
私たちは『地域貢献型』に位置しており、それにも合致しています。
私達は経営には直接関係はしていないですが、地域の方々や色んな方々が来ていただいて、
大学の中に足を運んで頂けるのは嬉しい状況です」
森井さん
「ご縁をいただいて畜大の学生さんがアルバイトで何人か来ていただいてる中で
今春1名正社員で採用させていただきます」
奥田学長「おーっ!」
リーダー「学長も初耳!すごい!ご縁をいただきましたね」
日本酒づくりに役立つ研究とは?
さて、帯広畜産大学の日本酒造りにもつながる研究とは。
山根さんが通う研究室の菅原准教授に教えて頂きます。
菅原准教授
「お酒づくりの最中にどんな微生物が
いつ、どんなことをしているのかを研究していたり、
酒蔵で美味しいお酒を安定して作ることに貢献できるような研究をしています」
山根さん「酒母づくりの中で気になったことを研究しています」
リーダー「普段の研究とはどんなの?」
山根さん
「酒母とはそもそも清酒酵母を大量に純粋培養したもののことを言います。
その作り方によって速醸(そくじょう)系と生酛(きもと)系に分かれています」
山根さん
「主流になっているのは速醸(そくじょう)系です。
速醸系酒母は市販の乳酸を添加して、その上で酵母を添加して作る」
山根さん
「生酛系酒母は自然の乳酸菌を取り込んで増殖させて、
その乳酸菌によって乳酸を作らせて酵母を添加する… ちょっと手間がかかっている。
速醸系は約2週間くらいでできるのが生酛系は約1カ月かかります」
リーダー「天然のものを使うからうまくいく・いかないもありますよね?」
山根さん「そうです。作業的にも安定しない!」
菅原准教授
「そういうことを科学的に解析していって、
ゆくゆくは酒蔵の安定したお酒づくりに貢献できればいいなと思っています」
碧雲蔵の日本酒をいただきましょう
森アナ「碧雲蔵で作った日本酒をいただきましょう!生酛系と速醸系…飲み比べをしましょう」
まずは速醸系からいただきます。
リーダー
「香りだけじゃなく味わいも華やか…適度にお酒らしさもあり、ふくよかなあま味…
いろんな味わいがミックスされて凝縮したうま味があります」
お次は生酛系をいただきます。
リーダー「う~ん!いい!!」
リーダー「発酵が派手でクセ目。お酒loverにはたまらない!」
森アナ「主役になるお酒ですね!」
酒蔵と大学のコラボが生み出す極上の日本酒
山根さん
「これに関しては満足はしているんですが、
物によっては『こういう味だったらな』と思う所もあって
そういうところが研究していく中で改善に繋がっていったらいいなと思っています!」
リーダー「美味しくなった北海道の酒米に感謝しながらお酒を楽しくいただきたいです!」
12月25日のクイズ「今回取材したゆり根の生産地は何てマチ?」
正解は「美瑛町」でした。