(加藤アナ)
14日のテーマは「PCR検査がすぐに受けられない」。
広島県内の感染者数は、先月22日から14日まで5993人およそ6000人にのぼります。その濃厚接触者の数は、県では総数をカウントしていないということですが、第5波を参考に考えると、1人に付き4~5人の濃厚接触者がいたということを6000人に照らし合わせるとおよそ2万4千人~3万人いると見られています。オミクロン株は感染力が強いので、これより多い可能性もあります。
今、多くの人がPCR検査を受けられない状況になっているんです。

広島市内の個人病院。発熱など症状のある人が次々と訪れます。症状がある人のPCR検査は、こうした県内およそ1350の医療機関で行われています。第6波の県内の感染者は9割以上が、発熱や咳など症状があるため、PCR検査数が格段に増えています。

一方、こちらは県内の無料のPCRセンター。とても込み合っています。保健所の対応が追いつかないため、濃厚接触者の多くは、こうした県内12のPCRセンターと臨時スポットで検体を提出してます。しかし、混雑で予約に時間がかかり、結果が判明するまで5日程度待つケースも出てきています。この影響で、濃厚接触者の保育士が出勤できず、休園せざるを得ない保育園が出るなど影響が広がっています。

(野川アナ)
「1人の検査結果で周りの人に影響が出るので、スムーズに受けられないと身動きがとれない人がたくさんでてきますよね」

結果が出てこないと不安な気持ちが大きくなるかなと

TSSの取材ではこうしたケースがありました。広島市の人は濃厚接触者と判明してから検査を受けて陰性がわかるまで6日かかったということです。

また廿日市市の人は、濃厚接触者の濃厚接触者と分かったが、廿日市市近郊では3日待ちだったため、福山市まで受けにいったそうです。

(コメンテーター・山内泰幸さん)
「感染していたらと思うと市をまたぎたくなかったでしょうね」

廿日市から福山まで車でも時間かかる。負担にもなったのでは

さらに県内の保育施設では、保育士が感染した。濃厚接触者や接触者のPCR検査が必要になる。全員の陰性が確認できるまで休園などの影響出たというケースも。子供を預ける人は、子供を預けられなくて心配になったのでは。

一方で、混雑するPCRセンターに検査を受けに来た理由を聞くとこんな声が聞かれました。

【検査を受けに来た人は】
「福岡で成人式に出席し(広島に)帰って来てからのPCR。取りあえず職場から受けるように言われて受けた」
「恐ろしいからね。2回もう受けているが、あまりにも感染拡大が早いので来た」
「職場で決まりで1カ月に1回か2回PCRを受けて来てくださいと」
Q検査を受けておくと違う?
「安心できる」

濃厚接触者じゃない人が不安に思っている人が多く受けに来ていました。そもそもPCRセンターはそういう人が来る場所なので当たり前の話なのですが、一方で濃厚接触者がいち早く結果を知りたいのに、なかなか検査が受けられないのです。

(コメンテーター・河口和也さん)
「濃厚接触者の方がPCR検査場に行くと濃厚接触者ですから感染の可能性が高い。不安で受けに行く人と濃厚接触者が同じ場所で検査を受ける。そこ自体が感染のリスクの場になる。大きな問題だ」

県に問い合わせたところ、「濃厚接触者がPCR検査を受けられない現状は把握していて課題であるとは考えている」ということでした。
無料PCRセンターが多い広島県ならではの課題ですが、濃厚接触者がすぐにPCR検査を受けられる新しい体制作りが求められています。