ブレインフォグ専門外来/短期集中TMS治療

ブレインフォグとは

「ブレインフォグ(Brain Fog)」とは「頭にモヤがかかったようにぼんやりしてしまい、考えたり集中するのが難しくなってしまう」状態です。

頭の中に靄がかかったような状態になり、記憶障害や集中力の低下がみられます。脳の神経細胞などのウイルスへの感染や炎症が原因との見方がありますが、発症する仕組みは研究途上です。

ブレインフォグは、医学用語ではなく、精神医学のなかでは取り扱われない単語ですが、ここ数年臨床の現場で患者さんから悩んでいる、解消したいと相談を受けることが多くなりました。

コロナ後遺症とブレインフォグ

また、コロナ後遺症として米科学雑誌であるサイエンスに2020年8月に掲載された記事に、コロナウイルス感染後の長引く症状の一つとして【ブレインフォグ】が取り上げられています。また、オミクロン株などの変異株では、ブレインフォグを起こしやすいという報告があります。

日本でも、日本経済新聞に【ブレインフォグ2%が発症、慢性疲労症候群関連か】という記事が出るなど、【ブレインフォグ】にお悩みの方が増えています。

ブレインフォグの症状

  • 集中しようとするほど頭がぼーっとする
  • 頭に鉛が入っているような感じがする
  • 考え事をしていると違う情報が入ってくる
  • 相手の話が聞けなくなった
  • マルチタスクができなくなった
  • 会話に適切な単語が思いつかない
  • 物事を開始するのに時間がかかる

ブレインフォグの原因

「目の前の仕事や勉強、家事に集中しようとしているのに、あっちのことも、こっちのことも頭に情報が入ってきて、だんだん頭がぼーっとしてとの前のタスクに集中できなくなる。」

ブレインフォグの原因は身近にあります。PCやスマホ、ゲームなどで頭につねに情報が入ってくる、選択した情報ではなく、どんどん新しい情報が勝手に脳に入ってきて負荷をかける脳疲労の状態です。その状態を「脳がハックされている」と話されていた方もいました。

また、職場や家庭における不安やストレスがつみかさなったり、オンとオフがうまく分けられず1日中仕事のことを考えてしまう睡眠や、食事や栄養、運動、アルコールなど生活が不規則で心身の負荷が続く、女性ホルモンの不調で生理前の不調(PMS/PMDD)、更年期などもブレインフォグの原因になることが多いです。

最近では、抗うつ薬を飲みはじめてから症状がでた、もしくはうつ病に対する抗うつ薬やベンゾジアゼピン系のお薬を減薬したときの認知機能の低下としてのブレインフォグや、ウイルス感染後の炎症の後遺症として倦怠感や集中力の低下などが続くブレインフォグなどの相談が増えています。

目の前の仕事に集中する脳の機能として、「ワーキングメモリ」があります。数秒、数分といった短い時間に、情報を保持、操作し「作業記憶」として用いられます。

ワーキングメモリに保持できる情報の量は限られています。ワーキングメモリの容量が心身の不調で小さくなったり、その他の過剰な情報が多くなって頭のキャパを占めてしまう状態は、集中したくてもだんだんと頭がぼーっとしてきたり、マルチタスクができないブレインフォグになりやすい状態といえます。

ワーキングメモリは中央実行系、視空間スケッチパッド、エピソードバッファ、音韻ループ、長期記憶から成り立ちます。

視空間スケッチパッドは視覚的記憶と関連し、音韻ループは音や言語の指示を扱います。エピソードバッファは、視覚的、空間的、言語的な情報を結び付け、時系列に沿ったエピソード記憶を創ります。中央実行系は情報の連携や操作を行うスペースを提供し、これらの機能を取りまとめワーキングメモリを作動させます。

ブレインフォグの診断

ブレインフォグは医学用語ではなく、病名とは異なります。よく「私はブレインフォグではないでしょうか?診断をしてください」とお伝え頂く患者さんがいらっしゃいますが、医学を取り扱う病院ではブレインフォグの「診断」は行っておりません。

ブレインフォグの治療:TMS治療

ブレインフォグの治療はまだ確立されていませんが、TMS治療によって改善される方がいらっしゃいます。

TMS治療は日本語では経頭蓋磁気刺激と呼ばれ、脳を直接刺激することによって脳の状態を改善します。

ブレインフォグの状態は脳ネットワークでは、DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)が過剰な活動をしており、CEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)が活動低下している状態ともいえます。TMS治療は脳のネットワークを調整しブレインフォグを治療します。

ワーキングメモリの改善をするTMS治療

睡眠不足でミスが多くなったり、仕事が遅くなったりすることはありませんか?

脳の機能に関わる研究では、睡眠が不足後にワーキングメモリを用いるタスクのミスが多くなり、反応時間が低下するという研究結果があります。睡眠不足後の脳機能が低下した状態にTMS治療を行うと、ワーキングメモリが改善するとされています。※健康的な脳は規則正しい生活と質のよい睡眠で作られます。

ワーキングメモリの改善がより見込まれる若年者のTMS治療

 高齢者と若年者のワーキングメモリのTMS治療では若年者によりTMS治療の効果がみられることがわかりました

当院のTMS治療効果

どの病院もクリニックも同じTMS治療を行っているわけではありません。

TMS治療は海外に10年遅れて2019年6月に保険診療になったばかりでもあり、海外のTMS治療の知識と専門性をもつか、経験症例数や、プロトコール、日本全体の他医療機関との医療連携を実施しているかなど、TMS治療の専門性に大きく違いが存在します。

研究をもとにしたTMS治療の文献では、一般的にTMS治療は3-4割の効果が認められるとされています。

当院では、研究プロトコールではなく、より治療効果を高めるための臨床プロトコールと臨床TMS治療機器を採用し8-9割の効果をみとめています。

心理検査改善割合

※うつ状態と集中力を評価する心理検査

重症度別 TMS治療改善改善度

方法

※2020年5月~2021年1月までに当院へ来院し、TMS治療を実施した全患者

男性56%、女性44%
10代:3%,20代:25%,30代:25%,40代30%,50代:12%,60代5%
TMS治療初回時・10回目・20回目の心理検査結果の比較分析

「日本人に合わせた世界標準のTMS治療」を行うため日々データを積み重ね分析し治療を改善しています。

症例報告

38歳 男性 マルチタスクができなくなった

仕事の集中力を維持させたい

コンサルタントとしてパートナーに昇格後、業務量が多くなったことをきっかけにマルチタスクができないことをお悩みでいらっしゃいました。当院初診時、集中力の心理検査が21点(8点以上で不調)と集中力の低下から業務効率の悪さを自覚し、仕事のミスが多くなったと周りの人から指摘されるようになっていました。週5日、昼休みを活用して通院をして治療開始5日目で頭がすっきりするようになってきたと、思考力の改善を自覚されていました。

TMS10回目には心理検査が7点(8点以上で不調)と心理検査上の改善も認め、自分のミスだけでなく部下のミスにも気づくようになったり、会議で適切な言葉がすぐに出てくるようになるマルチタスクも以前のように苦痛なくできるようになってきたと喜ばれていました。

TMS30回の時点で時間を忘れる程集中ができるようになったとおどろかれており、現在では週末の週1回メンテナンスTMS治療を行っています。

32歳 女性 ブレインフォグ

頭のモヤを改善し、思考力をあげたい

3年前より仕事に集中した夕方に頭が重くなる感じを強く自覚するようになりました。当院初診時、集中力の心理検査が16点(8点以上で不調)と頭にモヤがかかったようにボーっとする集中力の低下を自覚されていました。TMS治療を開始し、1回目のTMS治療終了後から頭がすっきりする、肩の力が抜けたと初回から効果を実感されていました。週に3回のTMS治療を開始し、TMS5回目には、心理検査が4点(8点以上で不調)と頭にかかっていたモヤが刺激した位置からすっきりする感覚がすると話されていました。

TMS20回目からは週1回のTMS治療に変更しましたが、TMS23回目で週1回のTMS治療では頭がぼーっとする感じが最後の2日強くなると話されており、週に2回のTMS治療に変更しました。TMS30回目の時には脳が安定し、週1回のTMS治療に戻し、現在では2週に1回メンテナンスTMS治療で頭のすっきり感が継続しています。

36歳男性 ウイルス感染後のブレインフォグ

ウイルス感染後から続く頭のモヤ

ウイルス感染で38℃の発熱後、1日で解熱しましたがその後から夜に2時間程度で何度も起きてしまうようになりました。気分も身体もとにかく上がらない状態が続いており仕事中もぼーっとしてしまい、仕事ができなくなる不安感に襲われることが多くなったことがお悩みでした。当院初診時、集中力の低下が21点(8点以上で不調を示す)であり、とくに頭がぼーっとして、意思決定が遅くなっていることが経営の仕事に影響が出ていると相談されていました。
TMS治療を開始し、開始10回目の1週間後には集中力の低下が9点(8点以上で不調を示す)となり、ブレインフォグが改善し、集中力が少しずつ上がってきたことと気持ちの落ち込みがなくなったこと、疲労感がなくなり活動がしやすくなったと喜ばれていました。

料金

ワーキングメモリ の TMS治療

ワーキングメモリプロトコール ベーシックTMS治療:4,950円/回(税込み)

20回(セット)+10回(フォローアップ)

働きすぎて心身不調をきたしていませんか?

「任されている仕事の量が多い」、「日中に集中できず残業に入ってしまう」、「人手が足りない」、「取引先から影響を受けてなかなか仕事がコントロールできない」そんな状態はありませんか?残業時間が多くなると疲労回復に必要な睡眠・休養時間を減少させ、心身の不調を引き起こす可能性があります。

残業時間の増加を睡眠時間を削っていませんか?

1日の自由な時間は、基本的な労働時間や食事やお風呂などの時間を抜くと10時間程度です。

残業時間の増加に対し、多くの人は睡眠時間を削り日常生活を送ることが多いです。その状態が継続すると脳疲労が回復せず、仕事をしていても集中力が低下し、ミスが多くなるなど不調を抱えながら仕事をする「アプセンティーズム」の状態になってしまいます。生産性が低下すると仕事がすすまず、さらに残業時間が増える…「生産性負のループ」に入ります。

残業が増えると心の不調が強くなる

残業が増えている人は心の負担が増加している場合が多いです。しかしながら、心の健康を取り戻すための職場外での時間(睡眠・休養や家族・友人と過ごす時間)が不足しており、継続した心の不調はパフォーマンス低下による生産性低下、精神障害、自殺に発展する可能性が高まります。

眠気・疲労は脳のケアが必要なサイン

残業が多い人は昼間の眠気や休んでも疲れが取れない、短時間睡
眠になりがちです。

睡眠不足の状態になると脳疲労を起こしてしまいます。

眠気や疲労を放置すると、重大な健康障害や事故・怪我を引き起こしてしまう可能性があるのです

こんな方はブレインフォグになりやすい

  • 労働時間が非常に長いと感じる
  • 仕事の精神的負担が大きい
  • 勤務日の睡眠時間が6時間未満である
  • 慢性的に疲れている
  • 憂うつな気分やほとんどのことに興味がもてない状態が続いている

参照:労働安全衛生総合研究所 長時間労働者の健康ガイド

料金

ワーキングメモリ の TMS治療

ワーキングメモリプロトコール ベーシックTMS治療:4,950円/回(税込み)

ワーキングメモリプロトコール じっくりTMS治療:9,900円/回(税込み)

20回(セット)+10回(フォローアップ)