自動売買をスタートするとき、注文を設定する範囲を必ず決めなければいけません。私はFXの場合、1500~2000pips(日本円だと15~20円)で設定しているケースが多いです。2~3年は設定内をレートが推移してくれることを想定しています。
1500~2000pipsの設定幅であれば、そう簡単に範囲は超えませんが、為替レートというものは動きが予測できないので、予想を超えて下落したり上昇したりして、いずれは超えてしまいます。実際に運用している自動売買でも、設定範囲を超えて損切されたり、追加資金を投入しなければいけなくなったりしています。
重要な点は、設定範囲をレートが超えてしまうことではなく、超えてしまったときにどのように対処するかだと思います。そこで、私が実践している対処方法を紹介します。
AUDJPYを1500pips(85円~70円)の幅で1円間隔の自動売買を行い、レートが下限設定の70円を下回り、下落を続けた場合を想定します。
1本づつポジションを損切りして自動売買を継続する
15円下がったら損切り、というふうに設定幅で各注文に損切りを設定します。1本損切りしたら、新たに損切りした価格で1本買いポジションを持ち、常に最大ポジション数を同じにして自動売買を継続する方法です。
私はこの方法が一番いいと思っています。最大含み損も、ポジション数も一定なので、心理的に安心できます。損切りが次々と発生していくときには、心底落ち込みますが、新たにポジションを持つことで、またこいつが稼いでくれる、と未来に希望を持つようにしています。
損切りやナンピン買いという作業を自分の力量でやるのは至難の業です。特に相場が暴落しているときは、冷静な判断ができません。自動売買に任せるべきなのです。
価格 | 購入単位 | 含み損 (-15円の時) |
損切価格 (-15円の時) |
損切りの損失額 |
85 | 損切り | - | 70 | -15,000 |
84 | 1,000 | -15,000 | 69 | -15,000 |
83 | 1,000 | -14,000 | 68 | -15,000 |
82 | 1,000 | -13,000 | 67 | -15,000 |
81 | 1,000 | -12,000 | 66 | -15,000 |
80 | 1,000 | -11,000 | 65 | -15,000 |
79 | 1,000 | -10,000 | 64 | -15,000 |
78 | 1,000 | -9,000 | 63 | -15,000 |
77 | 1,000 | -8,000 | 62 | -15,000 |
76 | 1,000 | -7,000 | 61 | -15,000 |
75 | 1,000 | -6,000 | 60 | -15,000 |
74 | 1,000 | -5,000 | 59 | -15,000 |
73 | 1,000 | -4,000 | 58 | -15,000 |
72 | 1,000 | -3,000 | 57 | -15,000 |
71 | 1,000 | -2,000 | 56 | -15,000 |
70 | 1,000 新規買い |
-1,000 | 55 | -15,000 |
合計 | 15,000 | -120,000 | - | -240,000 |
15円さがると損切りされるので、70円まで下がったら、85円のポジションが損切されて、70円の新規ポジションを持ちます。下がり続けたら、84円、83円のポジションの損切りが続きます。
追加資金を投入して損切り幅を広げる
損切りは絶対にしたくない、追加する資金も準備できるという場合には、この方法です。損切り価格の設定を15円から20円、25円に幅を広げて損切りを防ぎます。20円に変更した場合、最大含み損は75,000円増えますので、8~10万くらい追加資金が必要と言えます。
価格 | 購入単位 | 含み損 (-20円の時) |
損切価格 (-20円の時) |
損切りの損失額 |
85 | 1,000 | -20,000 | 65 | -20,000 |
84 | 1,000 | -19,000 | 64 | -20,000 |
83 | 1,000 | -18,000 | 63 | -20,000 |
82 | 1,000 | -17,000 | 62 | -20,000 |
81 | 1,000 | -16,000 | 61 | -20,000 |
80 | 1,000 | -15,000 | 60 | -20,000 |
79 | 1,000 | -14,000 | 59 | -20,000 |
78 | 1,000 | -13,000 | 58 | -20,000 |
77 | 1,000 | -12,000 | 57 | -20,000 |
76 | 1,000 | -11,000 | 56 | -20,000 |
75 | 1,000 | -10,000 | 55 | -20,000 |
74 | 1,000 | -9,000 | 54 | -20,000 |
73 | 1,000 | -8,000 | 53 | -20,000 |
72 | 1,000 | -7,000 | 52 | -20,000 |
71 | 1,000 | -6,000 | 51 | -20,000 |
合計 | 15,000 | -195,000 | - | -300,000 |
この場合、レートが65円まで下がってきたら、損切りは発生してしまいます。相場はどこで下げ止まるかわかりません。絶対安心できるレートなんてないと思っていたほうがいいです。
そして、追加で買いポジションを持たなければ、レートが71円以上に戻ってくるまで利益も出ません。じっと我慢しながら待ちます。
新たな自動売買を追加する
損切幅を広げて下落をしのいでいる間、もし資金に余裕があるのであれば、70円以下に新たな自動売買をスタートさせることをおすすめします。やはり下がっているときが買いのチャンスでもあるので。65~70円の範囲であれば10万くらいで自動売買を追加することができます。
暴落しているときは、値動きも荒いので利益は出やすいですし、レートが安いほうが少ない資金で自動売買できます。
設定範囲を超えても自動売買を継続することが重要です。継続のやり方は、考え方や資金力によって変わると思いますが、怖くなってストップしてやめてしまうのが一番よくないパターンです。
そのためにも、怖くならない設定でスタートするのがいいのです。パニックにならず冷静に、自動売買を継続・追加していける運用が理想です。