政治の世界で飛び交う「柔らかい実弾」って何?

 そういうウラの世界を知っていると、今度のCLPの話は「脇が甘かった、やり方が下手だったよね」ということになります。直取りに近い形で、ブルージャパンという左派の香りが漂う会社を通じてお金もらっちゃったら、「バレるに決まってるじゃん」って話なわけですよ。

 しかし、こうした中間の代理店みたいなのをはさんでいると、もともとどこからお金が出ているのか、途中で見えにくくなるのも事実です。そうなると、実態はリーク(内部告発)という形でしか、表に出てきにくくなります。

 そして、前述の通り左翼界隈で政党から支えられたメディアと、そうでないメディアとに分かれる。

 例えば、岩上安身さんがやっている「IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)」というメディアがあります。「お金がないよー、寄付ちょーだい、ちょーだい」と言いながら運営されています。推測ですが、あそこにはたぶん立憲民主党から100円も出てないでしょう。むしろ「出演料として金払え」ぐらいのことを言われているのかもしれません。

 ほかにも左翼系で頑張っているネット論客には、お小遣いをもらってない人がいるわけです。

「CLPは金もらってうまい飯食っていながら、オレはこんな寒いところで記事書いて、これくらいしかもらえないのかよ」っていう、左派系メディアでよくある嫉妬が勃発しちゃった可能性もあります。するともう、実弾投げますよ、という人も当然、出てきます。実弾と言っても、柔らかい実弾ですけど。

 政治の世界では、日ごろから柔らかい実弾、いわゆる「リーク」が飛び交っているわけです。懲らしめたい相手がいる時に、「これを報じてくれれば、いくら払います」と。

 これにはいろんなルートがあって、テレビ発、週刊誌発、新聞発とさまざまな媒体で、独自だとかスクープだとかの取り合いをやっています。

 そうなると「本当にウラのないリークってあるのかい!」と言いたくなります。もちろん、「こんなことは許せない、だからこれに関して告発します!」って義憤にかられてタダで情報提供してくれる人も一定の割合はいますが、そうでないリークがいっぱいあるわけですよ。

「この情報をやるから、いくらか寄越せ」とか、「掲載してあげるのでこのぐらいの『取材費』は用意してくださいよ」とかいう話が全くないわけでもないのがメディアの世界です。

 抗議をしたCLPのコメンテーターやパネリストの方たちも、血気盛んな制御の効かない人たちです。「みなさんウブだなー」と感じる面もあります。