保守Dappiと左派CLPの共通点
「DappiというTwitterの匿名アカウントが、立憲民主党など野党サゲ、自由民主党アゲの情報を流している。でも、実は自民党からお金をもらってデマ流しているんだ、ふざけんな」と新聞報道までやって、国会でも立憲民主党の小西洋之さんが自民党に詰め寄ったり、名誉毀損で訴えたりと、いろんな形でワイワイ盛り上げていました。
【参考記事】
◎「Dappi」裁判始まる 「ツイートは名誉毀損」立民議員が提訴、被告側は請求棄却求めるも出廷せず(https://www.tokyo-np.co.jp/article/148128)
それこそ、CLPでも「Dappiは民間人でなく、完全に国政を理解した組織的な行為」と立憲民主党・小西洋之さんの話に丸乗っかりした動画を流しているぐらいです。Dappiが国政を理解した組織的行為だとして、それでは政党からお金が出ているCLPはどうなのか。ど真ん中の事件じゃないかとツッコミを受けるのは当然のことです。
自民党とDappi本人の間のカネのやり取りや指示の動きが明らかになっていない段階で、名指しで批判していた左派界隈に対して、「お前ら、言っていることと、やっていることがちげえじゃねーか」と、彼らが右に投げたはずのブーメランがブンブンブンと飛んで戻ってきて、左派の眉間に刺さってしまった。わざとやっているわけじゃないんだろうけど、「やっぱり、ブーメランは左翼のお家芸だよね」とみんなが盛り上がっているわけです。
先ほども申し上げたように、これはただちに誰かが爪腹切らされる問題ではありません。ただ、「非常に恥ずかしいこと」ですよね。ジャーナリストの津田大介さんが本当に知らなかったのかどうかは、私は存じ上げません。
立憲民主党代表の泉健太さんは、記者会見で「国民民主党と合流前の旧立憲民主党時代のことで、当時代表の枝野幸男執行部でのこと」と線引きをするような表現に終始しました。また、幹事長の西村智奈美さんは、説明責任はおろか支出内容もあまりはっきりしない会見をしておりました。あれだけ情報開示しろ、納得のいく説明をしろと繰り返していた立憲民主党にとって、非常に手痛い事件となったことは間違いありません。
【参考記事】
◎立民・西村智奈美幹事長 CLP以外の団体への約9億円支出もうやむや「個別の取引内容の公表は控える」(https://www.tokyo-sports.co.jp/social/3923114/)
今回の話は、CLPに出演されていた方からの抗議声明という形で、1月5日に世の中に知らされました。
ジャーナリストの津田大介さん、東京新聞記者の望月衣塑子さん、前新聞労連委員長の南彰さん、フォトジャーナリストの安田菜津紀さん、フリーアナウンサーの小島慶子さんの5人が、「立憲民主からお金もらっていたなんて聞いてない。しかも、それを隠してクラウドファンディングやサブスクで一般人からもお金を集めていたからけしからん!」というような抗議が発端で、騒ぎが拡大したわけであります。
私がその立場だったら同じこと言うしかないよなと思いますが、ここでちょっと気になるのは、「私たちの調査によって問題がわかった」というようなことを言っている点です。
ご存知「政治資金規正法」という法律があります。政治家がパーティーや寄付でもらったお金は政治資金収支報告書としてまとめ、「誰がどういうふうにお金を使ったのか」という点はインターネットで公表されることになっています。
それをひっくり返して見ていくと、どうやら3億円近くのお金が変なところに流れており、その一部がCLPに番組制作費として流れ着いたのでは、ということが読み取れます。会員制月刊誌「FACTA」は、旧民主党時代からの事務局を担う秋元雅人さんの事案として、これらの問題のある取り組みについての触りを去年夏には記事にしていました。
恐らく内々ではこの話はある程度知られていたのでしょう。そして昨年末頃、CLP内部の人間が出演者に対して、「大将、CLPは立憲民主党から設立前にカネをもらっていた政党紐付きメディアですぜ」とポロっと言ってしまった。それで今回の抗議につながったではないかなと思います。
その割に、津田大介さんらが「われわれが調査しました」とドヤっとしているのは、見ている側からするとモヤモヤします。お前らの脇が甘かっただけだよね。