電車内で痴漢行為をした男の逮捕に貢献したとして、埼玉県の朝霞署は県内在住の保育士岸野浩一さん(41)に感謝状を贈った。

 同署などによると、11月2日午前8時半ごろ、東武東上線「和光市駅」ホームで、小川町発池袋行き上り急行列車を降車した際、岸野さんの横にいた県内の10代の女子学生が「痴漢です」と大声を上げた。直後に右側から男が走って逃げたため、そのまま追跡。男は階下の改札を通り抜けたが、駅前のロータリーで別の通行人と共に岸野さんが取り押さえ、駅員らの通報で駆け付けた同署員に引き渡した。

 男はふじみ野市の会社員(32)。同日午前7時半ごろから約10分間、同線ふじみ野駅と和光市駅間の同電車内で、女子学生の体を触ったとして、強制わいせつ容疑で逮捕された。

 岸野さんは和光市内の保育園に勤務。小さい頃から野球や卓球、バドミントンなどに親しんだスポーツマンで、保育園では不審者対応の訓練に取り組んでいる。

 感謝状を受け取った岸野さんは「女性の声を聞いて思わず、体が動いてしまった」と振り返った。