主にポケモン。初代・金銀の開発史考察多し。
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ポケモン開発史考察 初代編 #05 シルフのチーフ

皆さんは、初代ポケモンに存在する喋る椅子をご存知でしょうか。





サファリゾーンには話しかける(≒Aボタンを押す)と喋り出す意味不明な謎の思念体が存在するのです。
それもひとつではありません。

喋る椅子

左から順に、それぞれエリア1、エリア2、エリア3の憩いの小屋内です。

でもよくよく考えてみたら、椅子が疲れていたりポケモン取りをしたがっているとは考えづらいですね。どこかに声の主が隠れているのでしょうか。
シルフのチーフなる謎の人物が隠れている事を教えてくれる奴も中にはいますが、そういうお前こそどこに隠れてるんだよと思わずつっこみたくなりますね。







…そろそろ真面目に考えましょう…w

真面目に考えるならば、これら「喋る椅子」は人物のグラフィックデータは消したものの会話フラグやテキストデータは放ったらかしという事ですよね。
前からずっと思ってたけど当時のゲームフリークって結構雑だな

それにしても何故この3人は没になったのでしょうかね?
喋ってる内容もたいして重要そうではない、いかにもNPCらしいどうでもいい事ばっかですし。
…とも思いましたが、ここでひとつ疑問点が。



“シルフのチーフ”ってなんだ…?





気になってググってみたところ、いくつか面白い情報を発見しました。


シルフのチーフとは、第一世代で何らかの理由でお蔵入りになったポケモントレーナーのこと。
グラフィックははぐれけんきゅういんと同一。
オーキドせんせいと異なり手持ちのデータが無く、バグやチートで無理矢理対戦する場合はデータ上次に位置するトレーナーである
はぐれけんきゅういんの手持ちが読み込まれることが多い。
ポケモンwiki 当該記事より)


ポケモン赤緑青黄のポケモン内部コード表(10進数版)
:
226 オーキドせんせい
227 シルフのチーフ
228 はぐれけんきゅういん
229 サカキ
230 ロケット団員
231 エリートトレーナー(♂)
232 エリートトレーナー(♀)
:               
      (伝説のスターブロブ2のポケモン攻略 「ポケモンの内部コード表」より)

(※注釈 第1世代ではトレーナーの出現はポケモンの出現と同様のプログラムで処理していたと考えられます。)






戦闘時のグラフィックは「はぐれけんきゅういん」の使い回し。
対戦前(フィールド画面)・対戦直後(戦闘画面)・対戦後(フィールド画面)のそれぞれのテキスト(セリフ)も存在しないようです。

ちなみに初代の没トレーナーはこの「シルフのチーフ」以外では「オーキドせんせい」だけです。
「シルフのチーフ」とは違い「オーキドせんせい」の方は手持ちポケモンのメンツやレベルまでちゃんと事細かく設定されてます。知らない人はググってみよう



推測ですが、ジムリーダーやライバルみたいな感じのゲーム内に一人しか存在しない固有のトレーナー名(言うなれば「名有りNPC」といったところか)っぽいですね。
「シルフの」なんて付いているくらいですし、ロケット団のシルフカンパニー襲撃イベントと何かしら関連性があったような匂いがしますね。

「はぐれけんきゅういん」という肩書き自体は一応ポケモン屋敷にもいますが、元々はシルフカンパニー襲撃イベントでのみ登場する肩書きだったような気がしてなりません。
前述の内部コード表のページを見ていただければ分かるように、ほとんどのモブ肩書きは201~224に固まっています。
それに対し「はぐれけんきゅういん」の内部データ番号はそれら大多数のモブ達とはだいぶ離れており、サカキやロケット団員と近接したものになっています。
おそらくは、この「はぐれけんきゅういん」という肩書きは他の肩書きとは違い後から付け加えられたものであり、ロケット団という悪の組織を構想していく過程で
「ロケット団員でこそないもののロケット団サイドに立つ人間」というコンセプトで生み出された存在
だったのではないでしょうか。

シルフカンパニーで戦える「はぐれけんきゅういん」は「ロケット団側に寝返った元シルフ社員」という設定になっています。
「シルフのチーフ」もまた、そんな裏切りトレーナーの一人だったのでしょうかね。




…そんでもって謎なのが、そんな「シルフのチーフ」というワードが何故サファリゾーンでお目にかかれるのかなんですよねぇ~www

もしかしたら「シルフのチーフ」はシルフカンパニーで初めて会って戦ってそれで終わり…という訳ではなく、それ以前にも冒険する先々で何度か出会う事になる人物だったのかもしれません。
それこそライバルやサカキみたいなノリで。

一介のモブに過ぎない奴ですらも言及してる辺り、結構な有名人だったのでしょうか。ハドソン名物・高橋名人!みたいな

んでシルフ襲撃イベントでロケット団側に寝返って、主人公(≒プレイヤー)に「嘘だろ…あのシルフのチーフが裏切ったのか…!?」といった感じでインパクトを与え
ドラマチックな展開にする予定だった…とか…!?

まぁ今のは丸々妄想の塊ですが、おおまかにここまでの推測をまとめると
シナリオに深く絡ませようと試みたものの色々複雑になりそうになったのであえなく没になってしまったといったところでしょうかね。




前述したように、内部データ上では「シルフのチーフ」という“肩書き”やNPCのセリフによる伝聞(このセリフを話すNPC自体も丸ごと没になっている)でしか確認できません。
対戦時のグラフィックや使用してくる手持ちポケモンのメンツ、そして何より彼自身のフィールド上でのグラフィックや彼自身のセリフ自体がまず存在しないので
机上の会議か何かで構想こそしたもののその次のステップである「プログラムへの打ち込み」にて早いうちに没になったと見るのが妥当でしょうか。





…参考材料が少なすぎて考察しづらいなぁ…w





追記

この記事を書き終えた後、Twitter上でフォロワーの方々と「シルフのチーフ」について更に色々考察をしていました。
そこで出てきた新たな意見・説を僕がまとめてこの記事に加筆しようかなとも思いましたが面倒だったのでそれらのツイートそのものを見ていただこうと思います。
百聞は一見に如かず。
その内容をまとめてみたので是非ご覧下さい。

初代ポケモン「シルフのチーフ」について - Togetterまとめ






僕が特に「あー、確かに」と感じたのは、
秘伝マシン03「なみのり」と04「かいりき」を入手する機会がごっちゃ?重複?してるのは変、という意見ですかね。


ひょっとしたら開発の初期の初期では「なみのり」がラプラスの専用技というか、水上を進むためにはラプラスというポケモンが必要不可欠、
「水上を進めるようになるフラグ=ラプラスの所持」みたいな案だったのかもしれませんね。
ラプラスは初期の資料でも(今とはちょっとキャラデザが違うものの)確認できる割と“古い”ポケモンですし、何より「なみのりという技の象徴」とも言えますからね。
後に「秘伝マシン」という概念の案がなされて、必ずしもラプラスでなくてもいいようになった、とか…?




攻略本でもルートがヤマブキジム→セキチクジムになってる辺り、この2つの攻略する「正規の順序」は開発中も結構固定されていなかったのかもしれないとか、
色々「もしかしてこうだったのでは?」と思う事がたくさんありますね。






椅子トップページにもどる椅子






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  1. 2013/12/15(日) 21:44:51|
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