まず、こちらの画像をご覧ください。

これは「ゲームフリーク 遊びの基準を塗り替えるクリエイティブ集団(メディアファクトリー刊)」に掲載された開発時の地図資料です。…だそうです。
"1990"という表記から察するにかなり初期のものと思われます(赤緑の発売は96年2月)。タイトルも「カプセルモンスター」ですし。
いくつかの四角を結んだだけという簡素な書き方ですが、ポケモンユーザーの皆さんなら「お、カントーか?」とひと目見ただけで分かった事でしょう。
各町(四角)には具体的な名称はまだ書かれておらず、各道路・水道(結び)も「3-1」「9-2」など製品版とはちょっと違うナンバリングになっています。
製品版になるとこうなるその構造は製品版とほとんど同じですが、タマムシの南に「C」という謎の地点があったり、18番道路がセキチクの西とではなく北と繋がっている等細かい変更点も見られますね。
さて、ここで注目していただきたいのは
製品版でいう「ヤマブキシティ」に該当する場所です。
前述の通り、他の町は「1」「2」といった風に数字が割り振られていますがここだけは何故か「T」と書かれています。
この「T」が何を意味するのかは不明ですが、
この場所は元々は町とは趣の異なった「特殊な場所」だったのではないかとは考えられないでしょうか?
没になったであろう「C」もまた「特殊な場所」だったのでしょう。
(もしかして「C」は製品版でいうサファリゾーン的なスポットだったのかな?ただ、「C」はどの道路とも繋がっていないのが地味に謎…。)
実はヤマブキには、ゲーム内で確認できる要素にも不可解なモノがいくつかあるのです。
そらをとぶ初代を遊んだ経験を持つ方なら、誰もが一度は疑問に感じた事があるのではないでしょうか。
「そらをとぶ」をフィールド上で使う際に表示される町の選択画面。
↑の動画を見ていただければ分かるように、
マサラ→
トキワ→
ニビ→
ハナダ→
シオン→
クチバ→
タマムシ→
セキチク→
グレン→
セキエイ→
ヤマブキ、という順番になっています。
6番目のジムも構えている、
「物語の中盤に立ち寄る町」としか説明のしようがないヤマブキシティが何故最後なのでしょうか?前述の「T」の件もありますし、やはり
ヤマブキは町とは違った性質を持つ「特殊な場所」だった可能性が高いです。
仮にそうだとしたら、ヤマブキが「特殊な場所」から「数ある町のひとつ」に変更されたのは
少なくとも「そらをとぶ」システムが(おそらくは会議等で)考案され実際にデータとして打ち込む作業が行われた後だろうと推測できます。
…ところで、ちょっと話が変わりますが
シオン→
クチバはおかしいですよね?
製品版の(開発サイドが想定しているであろう)シナリオなら、
ハナダでジム突破→
地下通路経由でクチバ到着→
クチバでジム突破→
地下通路経由でハナダに戻る→
ハナダの東から9番、10番道路と進みシオンへ向かう…となるはずです。
攻略本のシナリオチャートもこうですし。
(開発サイドの意図を忠実に汲むのなら、クチバジム突破後にディグダの穴経由でニビ南の道路へ行き研究員からフラッシュの秘伝マシンを貰う、というプロセスが入りますが
ここでは省略しました。
というかフラッシュなくてもイワヤマトンネルいけるっしょ)
ここで、前述の「開発時の資料」に書かれていた"各町に割り振られていた数字"をもう一度確認してみてください。
マサラ…1
トキワ…2
ニビ…3
ハナダ…4
シオン…5
クチバ…6
タマムシ…7
セキチク…8
グレン…9
セキエイ…10
(ヤマブキ…T)こうなっていますよね。
…そう、
開発初期に書かれたマップ草案での数字と、製品版での「そらをとぶ」の順序は完全に一致しているんですよ。
「『そらをとぶ』の順序に、没になった要素の名残りがあった」とでも言えましょうか。
かなり初期の段階で既に物語の舞台の造形やシナリオがほとんど固まっていたという事になりますね。
が、シナリオのルートとしては変更された点も一部ある訳で。それが
ハナダ→シオン→クチバルートから
ハナダ→クチバ→ハナダ→シオンルートへの変更なのでしょうかねぇ。
もしかして元々はこうだった?変更前のルートだと
クチバから
タマムシへの行き方がちょっとよく分からない事になりますね…w
ここで普通に「T」に入れるようになるのでしょうか。それともしかしてここで「C」へ行くのかな。
…色々考えていると、「初期段階では地下通路はなかったんじゃないか?」という考えが頭に浮かんで離れなくなってきました。
なんというか、あのタテ・ヨコふたつの地下通路はヤマブキを「特殊な場所」から「数ある町のひとつ」に変更する際に起こりうる弊害をどうにかするために取られた苦肉の策のような印象。
いや、これはロクな根拠も無いただの「○○っぽいな~」というだけの話です…w
ジムについて その1ヤマブキシティジムは何故か
トレーナーとのバトルが勝敗に関係なく一人一回までで終わりというシステムになっています。
通常ならば負けてしまった場合はプレイヤー側が勝つまで何度でも再戦ができるはずなのですが…。
ちなみにこれ、ジムリーダー・ナツメも例外ではありません。
こんな事になっちゃっているんですよねぇ…。
実はというかやはりというか、このシステムは青版以降では修正されているそうです。
これを「不具合」や「バグ」だと考える方も多いとは思いますが、
僕は「"(開発段階で組まれていた)ヤマブキ独自の対戦の仕様"が修正されずに残ってしまったもの」なんじゃないかなーと考えています。
普段とは違う、特殊なルールのバトルが行われる施設だったのではと予想。
ジムについて その2ジムに関して、あともうひとつ気になる点がありまして…。
無人発電所やポケモン屋敷のような「ダンジョン」ならともかく、普通は「建造物」内では「あなぬけのヒモ」は使えません。もちろんジムも。
ところが、
8つあるジムのうちヤマブキとグレンの2つだけは何故か「あなぬけのヒモ」が使えます。開発段階では、ジムではなく何かしらの施設的ダンジョンだったのでしょうかね。
というかそもそも「ジムバッジは8つ」という設定は開発時代のだいたいどの辺の時期に固まったんでしょうかね…?
…もしかして、
「あれ?ヤマブキだけじゃなくてグレンもなかなか謎なんじゃね?」と思いました?
そうなんです。実はグレンもかなり謎なんですよ((
ジムリーダーやトレーナー達が外出していた訳でもないのに何故ジムに鍵がかかっていたのかとか
何故カツラの公式ビジュアルは2種類あったのか(何故途中で容姿が変更されたのか)とか
何故屋根の上におっさんが現れるのかとかグレンにまつわる謎も結構あるんですがこっちはスルーさせていただきます。
というかグレンに関しては判断材料が少なすぎる…w
初期生産分の取説には左の人が載ってたらしいです…ところで、↑の「あなぬけのヒモ」の動画を見て何かに気が付きませんでしたか…?
そうです、
ヤマブキジムとグレンジムの2つだけは他の6つのジムとはマップチップが一部違うんです。
マップチップについてちょっと詳しく見ていきましょうか。


僕は最初、床のマップチップしか気が付かなかったのですがよく見てみたら他にもちらほらありましたね((
床、出入り口、石像のマップチップはヤマブキ&グレンジムとそれ以外の6つとで何故か違うのです。
ちなみに、ジム以外の「施設」でいうとAタイプはオーキド研究所や格闘道場などが、Bタイプはポケモン屋敷や無人発電所、シルフカンパニーなどが挙げられます。
Bタイプが使われているのはいわゆる「ダンジョン」なんですよね…。
ヤマブキジムとグレンジムは、マップデータが打ち込まれる段階では「ジム」の予定ではなかったのでしょうかね?

ヤマブキジムのとなりにある格闘道場は丸々Aタイプ。
…開発段階ではこっちの方が正規ジムだった可能性もあるのでは…w
そういえば、格闘道場(空手王サイド)と現ヤマブキジム(ナツメさんサイド)はジム権(?)を争っていた…という設定があるんでしたっけ。
とあるサイキッカーにその話を聞いた別になーんにも根拠は無いのですが…。
なんかコレも後から取って付けた設定のような気がします。
元々は現格闘道場がヤマブキジムでナツメのナの字も無かったけど、急遽その辺のなんやかんやを変更する事になって、
「んじゃもう既に作っていたこっちの格闘ジムは、派閥争い(?)に敗れた旧ジムって設定にしておくか」みたいな。
はい、これもただの「○○っぽいな~」というだけの話ですが…w
でもこれじゃ四天王のシバと専門タイプがダブるな…。
いや、逆か?元々シバは「格闘専門のヤマブキジム」のジムリーダーだったけど、ヤマブキジムがエスパーのジムに変更になって、その後に「四天王のひとり」として再利用されたとか?
そういや何でシバはニョロボンとオコリザルを入れずにイワーク2匹もパーティにぶち込んでるんだ?5匹全員格闘ポケで埋めれるのに…。何の根拠もないただの妄想です。すみません。
なんかだんだんグレンも巻き込んでいっている感が否めませんが…w
ヤマブキの特異性というのが随所に散らばっているのがお分かりいただけたでしょうか。
にしても、初代は特に謎が多いなぁ…。
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- 2013/12/03(火) 18:41:10|
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