10月から放送される予定のテレビアニメ『二度目の人生を異世界で』の声優4名が、公式サイトやツイッターで、6月6日一斉に降板の発表を行った。降板を発表したのは、中島愛さん、増田俊樹さん、安野希世乃さん、山下七海さんの4人。降板理由については明らかになっていないが、5月22日にテレビアニメ化の情報が解禁された後、原作者・まいん氏が2013年から2014年頃に、中国や韓国に対するヘイトスピーチをtwitterで繰り返し行っていたことが発覚していた。
まいん氏は6月5日に、お詫びのツイートを投稿。ツイートをすべて削除し、アカウントの廃止を発表している。また過去のヘイトスピーチに該当するようなツイートは削除されているが、一部のツイートがスクリーンショットによって保存されている。それらを見る限り、いわゆるネトウヨがツイッター等で主張している内容とほぼ変わりのないものだ。主に中国と韓国を“反日国家”とみなし、中国を「虫国/蟲国」、韓国を「姦国」と表記するなど、明らかなレイシズムに満ちている。
【お詫び】私の過去のいくつかのツイートにつきまして、多くの方に非常に不快な思いをさせてしまう、不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます。
— mine (@mine_time2010) 2018年6月5日
『二度目の人生を異世界で』は94歳で亡くなった主人公が異世界で2度目の人生を送ることになるというファンタジー作品。18巻まで発売され、小説投稿サイト「小説家になろう」では1億8900万PVを超える大人気ライトノベルだ。一方で、第二次世界大戦に関係する設定に誤りがあることも指摘されていた。
なお降板を発表した声優に対しては、一部でネトウヨによる「反日認定」が行われているが、Twitterでは「差別的な言動をしていた原作者のアニメに出演しないという決断に安心した」ことを伝えるリプライがほとんどだ。
今回の声優らの判断は、ツイッターでヘイトスピーチを繰り返す政治家や評論家などがメディアで多数起用され、野放しになっている日本の現状を考えると、残念なことに非常に稀有なものであり、だからこそ重要なものだろう。これが前例となって、あとに続くメディアも増えてくるかもしれない。
なお先月アメリカでは、人気ドラマ『ロザンヌ』(ABC)で主人公を演じているロザンヌ・バーが、ツイッターで人種差別的な投稿をしたことで批判がおこり、ABC局の社長であるチャニング・ダンジーが、ドラマの打ち切りを早々に発表するという事態がおきたばかり。現在、テレビアニメ『二度目の人生を異世界で』公式サイト・ツイッターで本件に関するアナウンスは出ていない。