成人式は医療用マスク着用・会場で抗原検査…「まん延防止」の沖縄厳戒

成人式は医療用マスク着用・会場で抗原検査…「まん延防止」の沖縄厳戒

沖縄の成人式 会場で検査も

成人式は医療用マスク着用・会場で抗原検査…「まん延防止」の沖縄厳戒

検温を受けて会場に入る新成人たち(9日午後、沖縄県中城村で)=中司雅信撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「まん延防止等重点措置」が始まった沖縄県では9日、多くの自治体が成人式を中止・延期する中、一部では、抗原検査を活用するなど厳重な対策を講じて実施された。営業時間の短縮要請も始まり、飲食店が休業してネオンが消えた夜の街は閑散としていた。

■出席者減

 沖縄県中城(なかぐすく)村の会場では、新成人約270人のうち約100人が出席した。例年に比べ、出席者数は2割ほど少なかったという。

 新成人たちは入り口で村職員による検温を受けた後、体温を測るサーモグラフィー機器の前を通過した。さらに、村配布の医療用マスクに着け替えて式に臨んだ。検温で37度以上あった12人は直後に抗原検査を受け、いずれも陰性の結果を確認した後、式に出席した。

 会場の外で友人と写真撮影をしていた女性(20)は「感染の急拡大で式が行われるか心配だった。村の方々の尽力で開かれ、友人と再会できた」と感謝した。

 県内の医療系専門学校に通っており、学校からは式後にPCR検査で陰性を確認するよう求められているという。「一人でも気が緩むと、感染拡大を止めることができない。新成人の責任として今後も対策を徹底したい」と話した。

 沖縄県内ではほかに新成人全員の検査を会場で行うなどして陰性を確認し、式を実施した自治体があった。一方で、那覇市では17中学校区の各実行委員会が9日に開催する予定だったが、すべて延期または中止された。

■岩国は延期

 山口県岩国市と和木町でも、予定していた成人式が延期となった。

 岩国市は昨年も新型コロナの感染拡大で成人式を延期した。今年は密集を避けるために午前と午後の2部制にし、2週間の健康チェックを伴う事前申し込みなどを取り入れて準備してきた。だが、4日に延期が発表された。福田良彦市長は「新成人への健康面の不安を考えて決断した」と理由を語った。

■開催「ほっと」

 重点措置の適用対象外の自治体でも、厳重な感染対策のもと式が開催された。

 北九州市では、会場となった北九州メディアドーム(小倉北区)の入り口に、本人認証のためのブースが設けられ、市職員がビニールの間仕切り越しに1人ずつ受け付けを行った。式には事前に電子申請で登録した新成人たちが出席した。

 新成人による実行委員会は昨年10月からSNSなどで、当日に備えて手洗いやマスク着用などの感染対策を徹底するよう呼びかけてきた。式典後、実行委員長の市丸裕也さん(20)は「感染拡大で中止の可能性もある中で、無事に式典を終えることができ、ほっとした」と話した。

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