ストーリー展開などについてアイデアを練る谷山龍さん(左)=米子市両三柳、鳥取県立武道館研修室
ストーリー展開などについてアイデアを練る谷山龍さん(左)=米子市両三柳、鳥取県立武道館研修室

 映画の自主制作を手掛けるタニヤマ・キネマ代表の谷山龍さん(35)=米子市三本松4丁目=が鳥取、岡山両県境にある人形峠の伝説をヒントにした特撮怪獣映画の制作に励む。神話や妖怪が観光資源になっている山陰から特撮怪獣映画を発信し、地域の魅力向上に一役買う。2022年春に短編作品に分けてインターネットで配信し、ゆくゆくは長編に再編集して劇場公開を目指す。

 鳥取県三朝町と岡山県鏡野町にまたがる人形峠には昔、人を襲う化け物がおり住民が人形でおびき出して退治したという伝説があり、地名の由来とされる。かつてウラン採掘が試みられた地としても知られる。

 谷山さんはフリーで活動し、これまでに妖怪を題材にした作品やSF作品を手掛けてきた。制作中の「スパイア蟲毒(こどく)の妖姫」は、大きな虫の化け物が人を襲うという伝説のある人形峠で、放射線の異常な数値が観測されるようになり、巨大な虫の怪獣「スパイア」が現れるというストーリー。「怪獣映画に怪奇オカルトの要素を取り込んだ作品」という。

 手作りのミニチュア模型を使い、現地で実写するほか、コンピューターグラフィックスも活用する。総制作費約300万円で、ネット上で資金を募るクラウドファンディングでも1月末まで協力を呼び掛ける。

 4、5月ごろを皮切りに上映時間15分程度の短編3、4作品に分けてインターネットで発信。9、10月ごろには1時間~1時間半程度の長編作品に再編集し、劇場などでの上映を模索する。谷山さんは「山陰以外での上映の可能性も探り、地域の魅力発信に役立ちたい」と意気込む。

  (松本稔史)