ALS嘱託殺人、山本被告の医師免許取り消し 受験資格要件満たさず

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 厚生労働省は24日、医師国家試験の受験資格の要件を満たしていなかったとして、同日付で山本直樹被告(44)の医師免許を取り消したと発表した。山本被告は、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の依頼で薬物を注入し殺害したとして、嘱託殺人罪で昨年8月に起訴されている。

 厚労省によると、山本被告は韓国の医大を卒業し、韓国の医師免許を取得したものとして、2009年10月付で日本の医師国家試験の受験資格認定を受けた。翌10年の国家試験に合格し、医師免許を取得した。

 警察の捜査に協力するため、厚労省が受験資格認定申請書を確認したところ、韓国での医学部卒業証明書や医師免許証の写しが欠落していた。出入国歴を照会したところ、韓国で大学に通うほどの出国期間は確認できず、韓国の医師免許ももっていなかったことがわかった。

 厚労省によると、山本被告は証言を拒否している。当時この事務を担当した厚労省職員は8人おり、全員に聞き取りをしたが、山本被告の書類を受け取った職員は特定できず、必要な書類がない理由は解明できていないという。同省は、海外医学部の卒業証明書は複数の職員で原本を確認するなど、再発防止に努めるとしている。