新型ステップワゴンのデザインは原点回帰なのか

シンプル&クリーンなスタイルで登場した理由

モデルチェンジのたびにエンジンフードとフロントウインドーの角度が近づいていた流れと決別し、水平に近いフードと明確なノーズを持つことも目立つ。現行型より後ろに引かれたフロントピラーと、運転席から目視できるエンジンフードにより、最近のホンダ車がこだわっている視界のよさに配慮した結果だという。

ワンモーションフォルムではなく、エンジンルームとキャビンを明確にわけている(写真:尾形文繁)

先代ではサイドウインドーで覆っていたリアクォーターピラーは、ボディパネルの一部として太くデザインされ、リアではルーフからバンパーまで伸びる超縦長のコンビランプを配している。いずれも初代で採用されたディテールで、ひと目でステップワゴンとわかるよう導入したそうだ。

「SPADA=エアロパーツ」ではない

スパーダについては、販売の9割を占めていたこともあり、ここまで激変はしていない。「もうひとつの素敵な暮らし」というテーマで、スパーダらしい力強さや大胆さを受け継ぎながら、豊かな暮らしに沿う存在として洗練を加えたと説明される。

パッケージングはエアーと同じだが、バンパーは前後ともに厚みを増し、顔つきは大型グリルで存在感を増している。とはいえ先代と比べると、クロームメッキの面積はかなり少なく、きらびやかというより精悍というイメージになった。

上級モデルとしても位置づけられる「SPADA」(写真:尾形文繁)

ボディ下端ではエアロパーツ的な処理がなくなり、代わりにクロームの細い帯が全身を取り巻くディテールに変更。落ち着きが増した。スライドドア前後のピラーがピアノブラックとなる点も、エアーとの違いになる。

後ろ姿では、テールゲートスポイラーがスパーダのアイコンになるが、スクエアーな造形なので必要以上に自己主張していない。縦長のリアコンビランプは、一見するとエアーと同じに見えるが、実際はリフレクターを内蔵したという違いがあり、その分バンパー下端を路面に近づけている。

同「SPADA」のリアスタイル。初代に通じる縦長のコンビランプが特徴的だ(写真:尾形文繁)

インテリアでは、まず両サイドのサイドウインドー上下に前から後ろまで貫く、2本のソフトパッドが目につく。3列目のサイドにまで高価なソフトパッドを入れたのは異例だ。高めのベルトラインは、高速道路での“守られ感”を重視したためだという。

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