6/24に、イギリスでEU(ヨーロッパ連合)への離脱をするかの国民投票が行われ、わずかの差で離脱に賛成する票が過半数に達し、離脱が決定的になりました。

EUの離脱によって大きな影響を受けるのは、これまではイギリスから他のEU加盟国への輸出においてかけられなかった関税が加わることです。

スコッチウイスキーの生産国であるスコットランドも、イギリスの連合国の一つであるため、EU圏へのウイスキーの輸出においても大幅な値上げが行われる恐れがあり、消費が大きく落ち込む恐れがあります。

また、それ以外の自動車などの産業においてもEU圏への関税が加わることで、輸出量が減る恐れもあり、自動車産業にもダメージを与え、リストラによる労働者の減少、消費の縮小により、ウイスキーの国内消費も減る可能性もあります。

長期的に見ると、ウイスキーの消費減少によって、生産量も縮小され、結果的にスコッチウイスキーの価格高騰も考えられます。 

一方で、日本円と英ポンドとの 為替相場においては、1ポンド160円台から140円台まで急激に円高が進んだため、短期的に見れば、円高差益によってスコッチウイスキーの価格が下がる可能性もあります。

日本のウイスキーメーカーの多くが、スコットランドのモルトスターへの依頼で大麦麦芽を輸入しているため、短期的には麦芽の価格も下がる可能性はありますが、イギリス国内消費の低迷で、麦芽の生産量も減少することになれば、その分での価格上昇も考えられます。

いずれにしても、ウイスキーファンの人たちにとっては、EU離脱が完全なプラスに働くとは考えにくいところです。
また、スコットランドがEU加盟を目的に再び独立の気運が高まるなど、まだまだ予断を許しません。