トラリピでドル円を運用しようと考えているが、レンジの上限、下限とトラップ本数(値幅)の設定をどうしたら良いか分からないと悩んでいませんか?この記事では、緻密なテクニカル分析とファンダメンタルズの両面から、最も優位性が高く、資金効率が良いプランを提案します。
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2021年12月27日 更新情報
想定レンジの上限115.000を一時的に上抜いた状況について
2021年の年初来高値は11月24日の115.520で、想定レンジの上限115.000を上抜いていますが、滞空時間は短く約3営業日に過ぎず、その直後のオミクロン株ショックで112.531まで急落しています。
この記事では、上限を一時的に上抜ける可能性を最初から想定してあり、375pips分拡張して118.750(トランプラリーの高値レベル)の適用をご検討いただくのが良いと思います。
詳細は後述しますが、今後5年間運用する場合には、375pips拡張分の証拠金の余裕を持っておきましょうということが、この記事の最重要ポイントになります。
トラリピ運用を絶対に成功させるための基礎知識
大暴落に負けないトラリピの最強設定
トラリピ未経験者の方はもちろん、経験者の方も、為替相場で起こり得るあらゆるリスクを避けるために、下記の記事を先に読んでいただくことをおすすめします。
【徹底解説 2022年版】5大フラッシュクラッシュ | FXの最大リスクとは?
金融商品の運用ポートフォリオに、トラリピを必ず採用すべき理由とは?
- 為替相場は、あらゆる金融商品の中で最も流動性が高く安全であるから
- 為替は2通貨の交換レートであるため、無価値になることはないから(一方、倒産により株価はゼロになり、原油価格はマイナスになることもある)
- 為替相場は一定のレンジの中に収まる可能性が高いから(先進国同士のファンダメンタルズに大きな変化が起こるには非常に長い時間がかかるため)
- 事前に想定したレンジから大きく外れない限り、必ず利益が出る仕組みだから
- 大きいレンジ相場で数年レベルのトレンドの往来、小さいレンジ相場で細かい上下動を繰り返すことで利益が出る仕組みだから(大きいレンジ相場の範囲でトラリピの売買レンジの上限、下限を設定する)
トラリピで運用する通貨ペアを選定するときには、上記5項目を検討して最適なものを選定します。
加えて、各国の政策金利の差によって発生するスワップポイントが、日々マイナスになりにくい通貨ペアを選定し、売買方向を決定します。
2021年12月27日現在、先進国の政策金利は下記の通りです。
ほぼゼロ金利に近いレベルなので、どの通貨ペアでも売買方向に関わらず、大きなプライスマイナスは発生しません。
- 米国 0.00-0.25%
- 日本 -0.10%
- ユーロ 0.00%
- 英国 0.25%
- 豪州 0.10%
- NZ 0.75%
- カナダ 0.25%
- スイス -0.75%
このマイナスは、売買コスト(手数料)だと考えて受け入れましょう。
ドル円はトラリピ運用に最適な通貨ペアである。
2021年から、今後5年間のドル円相場予想
画像をクリックすると、大きな画面で詳細なレートを確認できます。
- アベノミクスのピークの125.854を超えることはない(アベノミクスはもう破たんしているので)
- アベノミクスのボトムの98.887を割り込むことはない(このイベントは、英国国民投票でブレグジットが決定した「ブラックスワン」(※)であり、その後、コロナショックのピークでさえ安値は101.183で留まったから)
- ボトムは100円と考え、1~2円割り込んでも瞬間的なので無視して構わない
- トランプラリーのピーク118.658を超えることはない(このイベントも「ブラックスワン」であるため)
経済学用語
マーケットにおいて事前に予想ができず、起きた時の衝撃が大きい事象
アベノミクスのピーク後のボトム98.887は、2016年6月の英国国民投票でブレグジットが決定したブラックスワンの大暴落でした。
100円割れは、リスクオフの円高のオーバーシュートであり、滞在時間も非常に短かったのです。
トランプラリーのピークは108.750の重要なプライスの節目でピタリと止まりました(実際のレートは108.658)。
当選当日の101.183の安値から、たった2か月で118.658までの暴騰です。
これもブラックスワンです。
同じ年にブラックスワンが2度も起こるのはたいへん珍しいのですが、2020年にはコロナショックが起こり、4年ぶりのブラックスワンとなりました。
コロナショックの次のブラックスワンがいつ起こるのか分かりませんが、瞬間的な大暴落方向には100円というテッパンの安全弁がついているので、仮にブラックスワンが起きても大丈夫です。
あり得ないことが起こるブラックスワンという現象については、下記の記事をご参照ください。
2021年の年間想定レンジは102.50~112.50の1,000pips(10円)
2021年9月16日現在、ドル円の年初来高値、安値は下記の通りです。
- 年初来安値 1月6日 102.592
- 年初来高値 7月2日 111.659
- レンジ値幅 906.7pips(9円6銭)
2021年中に年初来安値102.592を更新する可能性は極めて低いです。
一方、年初来高値111.659を更新する可能性は高いです。
昨年の高値112.225を超える可能性も十分あり、112.500までの上昇を想定しています。
さらに、一時的にオーバーシュートして、1~2円上抜いてしまう可能性がわずかながらあります。
絶対にこのレベルは超えないというプライスの節目は115.00です。
上記の画像に赤字で示した「115.00問題の存在」とは?
2021年5月から運用開始するとすれば、レンジの上限を112.50にするか、115.00にするかということです。
1年間しか運用するつもりがないのなら、上限112.50でも良いと思います。
そして、ハーフ&ハーフの境目の106.25近辺で手仕舞いして運用終了です。
しかし、1年の運用では短すぎてトラリピの本当のメリットを享受しないまま終わってしまいますので、5年以上を想定して準備するのが良いと思います。
参考までに、2020年コロナショックでのフラッシュクラッシュを伴う大暴落⇒暴騰での値幅(結果的に1年間のレンジに等しい)は下記の通りです。
たった半月ほどで年間の高値・安値を示現しました
- 年初来高値 2月20日 112.225
- 年初来安値 3月09日 101.183
- レンジ値幅 1104.2pips(11円4銭)
トラリピで、ドル円の運用を強くおすすめする理由とは
前述した為替の取引量ランキングで、上位3位は、ユーロドル、ドル円、ポンドドルです。
一般に取引量が多い通貨ペアは相場が安定しやすく、想定レンジは狭くなる傾向にあります。
それでは、コロナショックで大きな影響を受けた2020年の高値、安値、レンジを比較してみましょう。
- ユーロドル 高値1.23099 安値1.06361 レンジ1673.8pips
- ドル円 高値112.225 安値101.183 レンジ1104.2pips
- ポンドドル 高値1.36862 安値1.14098 レンジ2276.4pips
ドル円と比較すると、ユーロドルは約1.5倍のレンジ、ポンドドルは約2倍のレンジです。
ドル円の場合、2020年3月9日にフラッシュクラッシュの大暴落⇒大暴騰で往ってこいがありました。
大暴落部分の101円~105円の400pips(4円)は、滞在時間が非常に短かったので、実質上は11円-4円=7円程度のレンジだと考えても良いくらいです。
トラリピ運用では、瞬間的な暴落⇒暴騰であるフラッシュクラッシュ分の証拠金を余分に持っておかなければなりませんが
通常のレンジ7円+4円(フラッシュクラッシュ分)=11円
実質的には、これくらいで十分であろうと思います。
トラリピ運用で、想定レンジが広ければ多くの証拠金が必要になります。
レンジの上限・下限に接近すれば、含み損も莫大になります。
もちろん、そこから折り返して最終的には大きな利益を得られることを前提に運用を行っている訳ですが、プロの私でも、ユーロドルとポンドドルのレンジの上限・下限を正確に推測するのは困難です。
ユーロドルとポンドドルは、2021年から5年間運用すると想定した場合、2020年のコロナショックのレンジをブレイクする可能性が非常に高いです。
ドル円ほど安定したレンジ感はなく、数年ごとに大きな上昇バイアス、下落バイアスを繰り返します。
そうすると、長期運用を前提とした場合、とてつもなく広いレンジを想定しないと、運用中にレンジを突き抜けてしまいます。
ドル円の安定感は群を抜いており、レンジを狭く想定できるので、永久に回収できないと思われるほどの含み損のトラップを多数抱えてしまうリスクが非常に低いのです。
他に安定したレンジ感があるトラリピ向きの通貨ペアはあるか?
世界で最も流動性が高い通貨ペアのユーロドルとポンドドルでさえ、レンジ感がないのですから、他のドルストレートやクロス円の予測をピタリと当てる自信はありません。
数ある通貨ペアの中で、ドル円だけがテクニカル的、ファンダメンタル的に正確な予測ができ、かつレンジが狭くリスクが低い稀有な通貨ペアです。
他に、豪ドルNZドル(オージーキウイ)、EUR/GBP(ユーロポンド)という通貨ペアもおすすめなので、別記事で公開します。
私は、それ以外の通貨ペアを幅広く手掛けるべきではないと考えており、限られた資金は、この3通貨ペアに限ってリスクコントールすべきだと思います。
今後5年、ドル円を運用する場合のレンジ設定は100.00~115.00
ハーフ&ハーフを採用しよう
上記概念図は、マネースクエアの公式サイトから借りてきたので、Y軸の単位は私のおすすめのレベルとは全く異なります。
- 下半分には買いのトラリピ 100.00~106.25 625pips
- 上半分には売りのトラリピ 106.25~115.00 875pips
- トラップを仕掛ける範囲は、下限100.00~上限115.00 1500pips(15円)
前述した「115.00問題の存在」ですが、5年間の運用を前提とした場合には、112.50を上抜く可能性も想定したほうが良いと思い、ハーフ&ハーフから上昇方向に250pips拡張します。
106.25の中心レベルを移動する必要はないと考えており、理由は値動きがいちばん収れん(売買交錯でレートが集中)しやすいプライスレベルだと考えているからです。
ハーフ&ハーフの注意点を一点だけ述べます。
通常のトラリピは片方向にしか仕掛けません。
したがって、レンジをブレイクすると想定より損失が拡大するのは上か下の1方向だけです。
ハーフ&ハーフの場合には上下両方向になりますので、リスク機会が倍になります。
しかし、レンジの中心レベルから上下半々にエリアを区切ることで、最大含み損を減少させることができ、証拠金の金額を半分以下に抑えることができるというメリットがあります。
そもそも、レンジの上限・下限を正確に推測しておかないと結果的にリスクが増大するのは、実は通常の片張りのトラリピでも同じことであり、リスクが片方向に限られるからといって、リスク金額(含み損、証拠金)が半分になる訳ではありません。
運用期間を5年想定とした場合、5年以内に100.00を割り込む可能性は非常に低い訳ですから、下落方向のリスクを消すことができます。
それならば、ハーフ&ハーフでも上昇方向のリスクしかなく、かつレンジの中心レベル106.25が想定できるなら、上下で売買分割したほうが収益機会が増し、かつ必要証拠金額が少なくて資金効率が良い=収益力が高いということになります。
100.00を最強力のサポートと考える7つの理由とは?
- ドル円のフラッシュクラッシュは、常に円高方向で発生する(円が瞬間的に暴落するケースは、過去一度もない)
- 2019年1月3日のフラッシュクラッシュはレンジの中心レベルより上にいたから起こった
- 108.900(暴落直前の高値) ⇒104.766(安値) 413.4pipsの大暴落
- 当日中に、108.304まで暴騰し、ほぼ往ってこいになっている
- レンジの下限100.00から400pips暴落のフラッシュクラッシュの可能性は極めて低い
- 100pips程度ならあり得るが、その可能性も低い
- 理由は、100.00の指値注文が膨大で、オプションバリアが最強力であるから
したがって、下限設定は100.00にすることを推奨します。
万が一、99.00までフラッシュクラッシュ、オーバーシュートで下抜けたとしても、あっという間に値が戻ってくるので、その間の含み損に耐えるだけの証拠金を準備しておけば済みます。
間違えても、100.00を割れたらロスカットなどという設定にはしないでください。
念のため、99.00まで下限を拡張してトラップを設定しておくのは、ありだと思いますが、証拠金をより厚めにする必要があります。
115.00を上抜けるリスクが、わずかながらあり微調整が必要
今後5年間の相場で考えるべきは、下限の下抜けではなく、上限の115.00を上抜けるリスクを、将来にわたって慎重に検討を続けることです。
上記のようなイメージになりますが、115.00がレンジの上限です。
私の提案は下記の通りです。
- 上限が115.00を5年以内に上抜ける可能性は非常に低い
- しかし、念のためトランプラリーの高値118.75までは想定しておきたい
- 115.00に接近したら375pips分売りトラリピを拡張する
- 予め、375pips拡張分の資金(後述)を準備しておく
ドル円の5年間トラリピ運用の最終結論はこうなります。
設定レンジの上限・下限について
最終結論
- 下半分には買いのトラリピ 100.00~106.25 625pips
- 上半分には売りのトラリピ 106.25~115.00 875pips
- トラップを仕掛ける範囲は、下限100.00~上限115.00 1500pips(15円)
- 拡張準備分売りのトラリピ 115.00~118.75 375pips
トラップ本数と必要証拠金(推定)
- 買いトラリピ 100.00~106.25 26本(25pips刻み)
- 売りトラリピ 106.25~115.00 36本(25pips刻み)
- 拡張トラリピ 115.25~118.75 15本(25pips刻み)
ハーフ&ハーフなので、リスクが高い(値幅が広い)売り側だけで計算すれば大丈夫です。
最初にセットアップする「売りトラリピ」について
- 106.25売りからスタートし
- 115.00に達した場合
- 建て証拠金は最大で159,300円
- 最大含み損失が157,500円
- 計316,800円の証拠金が必要
また、売りにはスワップポイントの払い出しがありますので、少しずつ資金が目減りします。
以上の状況から、35万円の証拠金があれば大丈夫でしょう。
最後に、最悪のケースとして
- 118.75まで達した場合
- 建て証拠金は最大で229,500円
- 最大含み損失が318,750円
- 計548,250円の証拠金が必要
少々余裕をみて、60万円の証拠金を準備して開始するのが良いでしょう。
2021年の想定レンジである102.50~112.50の10円のレンジを往ったり来たりしてくれる可能性のほうが高いです。
このあいだで、利益がドンドン積み上がっていきます。
最大含み損失が318,750円になったからといっても、106.25の起点まで戻ってくる過程で、最低でも計49本×700円の利益34,300円が加算される訳です(51本建てても、106.50、106.75売りの利益は未実現で49本の利益確定)。
想定レンジを大幅に上抜くことさえなければ、必ず利益が出る仕組みなので、ご安心ください。
利益値幅の設定
トラリピ公式ページのシミュレーションでは、100pips(1円)で計算されています。
1,000通貨単位で1,000円の利益です。
しかし、一般的には70pips(70銭)程度が最適といわれています。
参考 【利幅】トラリピで最適な利益幅はいくつ?通貨ペア毎に紹介【2021年版】 | Yagisan82の資産運用事情Yagisan82の資産運用事情トラリピ運用を今すぐ!検討する。
トラリピの公式運用シミュレーション。期待できる利回り
参考 証拠金50万円、トラリピで2年間運用した利益額に驚愕!(バックテスト結果)【トラリピ】どんなEAより利回りが高く、実損失が発生しない仕組みのFX自動売買システム必要資金のまとめ
ドル円で、1,000通貨単位の運用を行う場合、最低35万円
拡張分も考慮すれば、少し余裕をみて60万円
運用資金が多い方は、1,000通貨単位60万円の倍数で資金計画を立てることをおすすめします。
初心者がトラリピで失敗、儲からない3大原因とは?
ご安心ください。
下記の3点のミスさえなければ、運用に失敗することは絶対にありません。
- 通貨ペアの選択ミス
- レンジの上限・下限設定のミス
- 資金管理に問題がある。証拠金不足
詳細は、下記のページをご参照ください。
参考 初心者がトラリピで失敗、儲からない3大原因とは?プロ為替ディーラー上野ひでのり公式サイトトラリピの詳細情報
「毎日が財産になる」マネースクエアのトラリピの詳細情報は、こちらから!
それでも「相場は何が起こるか分からないので、レンジの上限・下限を信じ切ることなどできない」と思う方も、ごく少数いらっしゃるでしょう。
そういう方は、もともと投資に向いていないので、どんなジャンルでチャレンジしてもうまくいかないでしょう。
我々の年金は、GPIFがもっとリスキーな金融商品に投資して運用しているので、投資のリスクから完全に逃れることはできません。
万が一、日本が大地震、戦争などに巻き込まれれば、前提条件が崩れてしまうでしょうが、杞憂に終わる可能性のほうが高いでしょう。
勝てる確率が高い事象に賭けるのが投資の本質です。
上野ひでのり