今回名古屋BLカフェでのライブにて行った、ユニークな試みをレポートいたします!

愛知県豊田市にお住まいのTKさんとは、2014年からフェイスブックで交流をしています。
きっかけはyoutubeで見つけてくれたところから。
彼は耳に障がいがありますが音楽に対する情熱が高く、ご自身もバンド、ギターを弾かれます。
その年のうちに豊橋のライブに来てくださり、2016年、2017年と名古屋のライブにもご夫婦で来てくれました。この年はKさんの誕生日当日でしたのでステージでお祝いをしましたね。奥さまも耳に障がいがあって、短い時間ですが3人で身振り手振りで会話をしました。
ずっと考えていたんです。
せっかく来てくれるライブ、耳が聞こえない中、どんなふうに感じて、どんなことが伝わっているのかな?!?!結局一生懸命考えてもその人の身にはなれず、わからないのです。
私のライブは迫力あるギターが中心のサウンド、何か、、もう一歩工夫が出来ないだろうか。
「テッテケテケテケ・・」とか、ピッキングやパーカッシブルなタッチを伝えられないだろうか。
だけどこのように考えること自体、間違っているのかもしれないし、
ライブで注目されてご本人たちに嫌な思いをさせるのかもしれないし、、、、
気を使って「大変良かった」と言わせてしまうのかもしれない。
そこで今年こそ!!と思い切って
大阪にいる音響の大先輩、山田信一(シンコ)さんに相談しました。
わたしが音響エンジニアだったときに大変お世話になった、業界で泣く子も黙るというすごい方です。
雲をつかむようなところから、いくつかのアイディアをならべて、とにかく話し合いました。
さらにライブ会場で、このことに専任くださる ” 暇なおじさん ” がいないかも聞きました。
” 暇なおじさん ” という表現の中には、「予算が全く取れない中で社会貢献としてご協力頂ける経験豊富なプロフェッショナル」こんな意味をこめて・・・
「相当高いよこの方は、、、」と紹介くださったのが、加藤さんです






技術チームが3人になって、さらに話し合いが具体的になっていきました。
・ギターアンプを椅子のようにして直接振動を伝える?
・テーブルに伝振動スピーカーを取り付け、ギター音をならす。
・ボディーソニックの応用は有効か?
・骨伝導イヤフォンが有効か?
・スピーカーを直接触れるようにしてギター音を指で感じる。
・スマホとBluetoothの活用 などなど
でもどんなに話し合っても、聞こえない方の感じ方は、想像の域を超えない。
私は「サプライズでやりたい」、加藤さんは「ご本人に話してみるべきだ」
話し合いの末、加藤さんの言うとおり、相談してみることにしました。
誤解を恐れずにTKさんにすべての経緯をお話して、当日実験的な試みも含めて相談してみました。
「実験台になるよ~楽しみです」と快く引き受けてくださいました。
また、TKさん自身も音についてこれまでたくさん研究してきたと知ります。
旦那様は「感音性難聴」(高熱の原因)、奥様は「両側神経性難聴」(先天的難聴)
これまで遠慮して聞くことができなかった、障がいの具体的なことも質問してみました。
そして当日、機材を沢山持って加藤さんが来ました。
TKさんご夫婦もリハーサルから来てくれました。
機材をならべて試行錯誤。

今回はじめて知った。
「聞こえ方」「感じ方」というものは、健常者でもひとりひとり違っていて
聴覚障害のある人でも、分類はあって名前がついていても、もひとりひとり違うんです。
とにかく、やってみなければわからないんですよね。

骨伝導イヤフォンは、二人ともまったく意味がなく
今回の場合バンド演奏中の大音量の中では、私も何も聞こえなかった。
Bluetoothは0.2s遅れる。
普通の小型スピーカーからギターの音だけを出して触ってみる。フロントネットから指先に、
確かにギターの振動がぴりぴりとキテます!!これはちょっと効果ありか?とおもいきや、
旦那さんが持ってきた風船を膨らませてスピーカーにつけてみたら
これは


ビリビリと絶大な効果があるではありませんか!!!!
ひょうたん形の風船に、ビニールテープで小型スピーカーを巻き巻き。
見栄えはともかく、風船ギタースピーカーが完成しました。

空気振動で伝わる低音楽器(バスドラム・ベースのスラップ音など)も風船に共振して
心地よい天然のミキシングバランスです!!” 目から鱗 ” ってまさにこのことです!
オープニングアクトのギター佐藤さんに弾いてもらい私も体感させてもらったら、
目で見る佐藤さんのギターが、まるでわたしの腕の中で一緒に弾いているかのごとく
アコースティックギターのホールトーンのように伝わってくる!
ピッキングがわかるんです!すごい!これはすごくたのしい!!!
「テッテケテケテケ・・・」お~~~~





そしてライブが始まりました。

ご夫婦の許可をもらって、会場のみなさんにもお知らせして
休み時間には、風船スピーカーを見に行くお客様もいて交流されていました。

TKさんからのメッセージです。
骨伝導イヤホンは残念ながら使用出来なかったけど…「風船」をスピーカーに取り付けることで振動が直接伝わり私たちの手でTOMOKOさんのギターの1音1音感じながら楽しみました。(中略)
風船。アコギの胴鳴りが非常に似てましたね。ギターを抱えてライブ気分で楽しいですね。
コストをかけない気軽なモノがあったら楽しいかなぁ色々対応できる方法があることと思います。

2部ではスピーカー取り付けた風船をかみさんの身体に抱きつくように試したところ
大変効果あること分かりました。
俺の長年の経験で「音楽は身体で感じるモノ」
私たちに限らず日本中、それでも世界中に広めたら良いと思います。
観客も演奏する側も会場が一体になって「輪」を実現出来たら良いなぁと思います。

俺はもっと学びたい気持ちがあります。俺のギター演奏を見たいという周りの人たちもいます。
自分のモノになるよう地道に努力してTOMOKOさんと共演出来たらと良いなぁと。
「夢」を実現したいです。こんな俺ですが…宜しくお願いしますね。TK

最後までお読みいただきありがとうございます。
ギンギンのロックギターを聴いたとき、けっして心地よく「癒された」ではなくて
「元気がでた!」とか、ちょっと不良な、かっこいい、ドキドキする、
例えば思春期に、親に内緒でデートをしたときのような、、、
例えば子供から大人になっていくときに、悪いことをしているような気がしながらも好奇心がまさった時のような
例えば種が、何らかのストレスを受けることで発芽するようなパワー
そんな胸の奥の、自分だけの部分に、響くような そんな気がするのです。
ギターにしか出来ない特別な力があると信じています。
それが私がギターを愛する所以でしょうか。
だから今回友人や先輩の力をかりて、
そんなエレキギターのダイナミクスを伝える試みが出来て、心から嬉しいです。

これからも試行錯誤していきます!みんなでギターを楽しめたらいいな!
今回たくさんの時間と情熱を傾けご協力いただいたすべての皆さまに心から感謝致します




つづく。
愛知県豊田市にお住まいのTKさんとは、2014年からフェイスブックで交流をしています。
きっかけはyoutubeで見つけてくれたところから。
彼は耳に障がいがありますが音楽に対する情熱が高く、ご自身もバンド、ギターを弾かれます。
その年のうちに豊橋のライブに来てくださり、2016年、2017年と名古屋のライブにもご夫婦で来てくれました。この年はKさんの誕生日当日でしたのでステージでお祝いをしましたね。奥さまも耳に障がいがあって、短い時間ですが3人で身振り手振りで会話をしました。
ずっと考えていたんです。
せっかく来てくれるライブ、耳が聞こえない中、どんなふうに感じて、どんなことが伝わっているのかな?!?!結局一生懸命考えてもその人の身にはなれず、わからないのです。
私のライブは迫力あるギターが中心のサウンド、何か、、もう一歩工夫が出来ないだろうか。
「テッテケテケテケ・・」とか、ピッキングやパーカッシブルなタッチを伝えられないだろうか。
だけどこのように考えること自体、間違っているのかもしれないし、
ライブで注目されてご本人たちに嫌な思いをさせるのかもしれないし、、、、
気を使って「大変良かった」と言わせてしまうのかもしれない。
そこで今年こそ!!と思い切って
大阪にいる音響の大先輩、山田信一(シンコ)さんに相談しました。
わたしが音響エンジニアだったときに大変お世話になった、業界で泣く子も黙るというすごい方です。
雲をつかむようなところから、いくつかのアイディアをならべて、とにかく話し合いました。
さらにライブ会場で、このことに専任くださる ” 暇なおじさん ” がいないかも聞きました。
” 暇なおじさん ” という表現の中には、「予算が全く取れない中で社会貢献としてご協力頂ける経験豊富なプロフェッショナル」こんな意味をこめて・・・
「相当高いよこの方は、、、」と紹介くださったのが、加藤さんです
技術チームが3人になって、さらに話し合いが具体的になっていきました。
・ギターアンプを椅子のようにして直接振動を伝える?
・テーブルに伝振動スピーカーを取り付け、ギター音をならす。
・ボディーソニックの応用は有効か?
・骨伝導イヤフォンが有効か?
・スピーカーを直接触れるようにしてギター音を指で感じる。
・スマホとBluetoothの活用 などなど
でもどんなに話し合っても、聞こえない方の感じ方は、想像の域を超えない。
私は「サプライズでやりたい」、加藤さんは「ご本人に話してみるべきだ」
話し合いの末、加藤さんの言うとおり、相談してみることにしました。
誤解を恐れずにTKさんにすべての経緯をお話して、当日実験的な試みも含めて相談してみました。
「実験台になるよ~楽しみです」と快く引き受けてくださいました。
また、TKさん自身も音についてこれまでたくさん研究してきたと知ります。
旦那様は「感音性難聴」(高熱の原因)、奥様は「両側神経性難聴」(先天的難聴)
これまで遠慮して聞くことができなかった、障がいの具体的なことも質問してみました。
そして当日、機材を沢山持って加藤さんが来ました。
TKさんご夫婦もリハーサルから来てくれました。
機材をならべて試行錯誤。
今回はじめて知った。
「聞こえ方」「感じ方」というものは、健常者でもひとりひとり違っていて
聴覚障害のある人でも、分類はあって名前がついていても、もひとりひとり違うんです。
とにかく、やってみなければわからないんですよね。
骨伝導イヤフォンは、二人ともまったく意味がなく
今回の場合バンド演奏中の大音量の中では、私も何も聞こえなかった。
Bluetoothは0.2s遅れる。
普通の小型スピーカーからギターの音だけを出して触ってみる。フロントネットから指先に、
確かにギターの振動がぴりぴりとキテます!!これはちょっと効果ありか?とおもいきや、
旦那さんが持ってきた風船を膨らませてスピーカーにつけてみたら
これは
ひょうたん形の風船に、ビニールテープで小型スピーカーを巻き巻き。
見栄えはともかく、風船ギタースピーカーが完成しました。
空気振動で伝わる低音楽器(バスドラム・ベースのスラップ音など)も風船に共振して
心地よい天然のミキシングバランスです!!” 目から鱗 ” ってまさにこのことです!
オープニングアクトのギター佐藤さんに弾いてもらい私も体感させてもらったら、
目で見る佐藤さんのギターが、まるでわたしの腕の中で一緒に弾いているかのごとく
アコースティックギターのホールトーンのように伝わってくる!
ピッキングがわかるんです!すごい!これはすごくたのしい!!!
「テッテケテケテケ・・・」お~~~~
そしてライブが始まりました。
ご夫婦の許可をもらって、会場のみなさんにもお知らせして
休み時間には、風船スピーカーを見に行くお客様もいて交流されていました。
TKさんからのメッセージです。
骨伝導イヤホンは残念ながら使用出来なかったけど…「風船」をスピーカーに取り付けることで振動が直接伝わり私たちの手でTOMOKOさんのギターの1音1音感じながら楽しみました。(中略)
風船。アコギの胴鳴りが非常に似てましたね。ギターを抱えてライブ気分で楽しいですね。
コストをかけない気軽なモノがあったら楽しいかなぁ色々対応できる方法があることと思います。
2部ではスピーカー取り付けた風船をかみさんの身体に抱きつくように試したところ
大変効果あること分かりました。
俺の長年の経験で「音楽は身体で感じるモノ」
私たちに限らず日本中、それでも世界中に広めたら良いと思います。
観客も演奏する側も会場が一体になって「輪」を実現出来たら良いなぁと思います。
俺はもっと学びたい気持ちがあります。俺のギター演奏を見たいという周りの人たちもいます。
自分のモノになるよう地道に努力してTOMOKOさんと共演出来たらと良いなぁと。
「夢」を実現したいです。こんな俺ですが…宜しくお願いしますね。TK
最後までお読みいただきありがとうございます。
ギンギンのロックギターを聴いたとき、けっして心地よく「癒された」ではなくて
「元気がでた!」とか、ちょっと不良な、かっこいい、ドキドキする、
例えば思春期に、親に内緒でデートをしたときのような、、、
例えば子供から大人になっていくときに、悪いことをしているような気がしながらも好奇心がまさった時のような
例えば種が、何らかのストレスを受けることで発芽するようなパワー
そんな胸の奥の、自分だけの部分に、響くような そんな気がするのです。
ギターにしか出来ない特別な力があると信じています。
それが私がギターを愛する所以でしょうか。
だから今回友人や先輩の力をかりて、
そんなエレキギターのダイナミクスを伝える試みが出来て、心から嬉しいです。
これからも試行錯誤していきます!みんなでギターを楽しめたらいいな!
今回たくさんの時間と情熱を傾けご協力いただいたすべての皆さまに心から感謝致します
つづく。
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