本日は『君と一緒に2』における、もう一人の先輩ヒロイン。
『木戸曜子』先輩について語りたいと思います。
さゆり先輩と同一期間に配信されていたヒロイン。同じ先輩キャラではありますが、二人の性格は真逆と言ってもいいです。
一方は女らしさ、一方はボーイッシュ。
一方はおっとり、一方は活発。
さゆり先輩は大人みたいで、
木戸先輩は少年のような心を持っていました。
主人公と木戸先輩でペットショップに行った際の話。
木戸先輩がカメを見て、さゆりみたいだと言い。
主人公は「なら、木戸先輩はウサギですか?」と言います。
自分なんかは二人の性質を動物で見事に表していると思いましたが。
それに対して、木戸先輩は
「さゆりと敵になるのは、嫌だよ」と。
例えの話なのに、木戸先輩は真っ直ぐ。
あぁ、二人は本当に仲良しなんだなぁと心底思えるエピソードでした。
性格は真逆ですが、他人に優しいところは似ています。
本編
公式の紹介にあるように、木戸先輩は男子とでも簡単に仲良くなれるため、主人公との距離は近いです。あくまで、部活仲間としてですが。
恋愛研究部に入っている木戸先輩ですが、その目的は思い出づくり。
高校三年生の時、多くの人間が経験する卒業への言いようもない焦り。その焦りから、今しか出来ない事をしたい。そう思い、部活に入ったのです。
だから、木戸先輩にとって恋愛研究は、あくまで思い出をつくる為の手段でしかありませんでした。
元気で活発な木戸先輩も、進路や卒業の事を考えて暗くなったりします。
そんな時は、主人公と遊んだり話したりして楽しい時間を過ごす。
二人で過ごしているうちに、主人公は先輩に惹かれ木戸先輩もまた主人公を異性として意識し始めます。
思い出づくりの為の関係が、いつの間にか恋愛に発展していく。
それが、木戸先輩物語の大筋だったと思います。
木戸先輩の魅力
5年近くも前の事で、上手く語れないものですが。
私が木戸先輩に感じた一番の魅力は【共感】出来る悩みを持ち、それに正面から向き合っている所です。
進路、迫る卒業。
誰もが感じ、誰もが仕方の無い事だと諦め前へ進んでいく。
でも、木戸先輩のように感じた悩みを無かった事に出来ない人もいる。
木戸先輩のように、思い出をつくらなきゃと焦る気持ちも凄くわかります。
時間が過ぎていくのは仕方がない。だけど、後悔だけはしたくない。
それは、当たり前で。凄く共感できます。
木戸先輩は、そういう意味で主人公との距離だけでなくゲームをプレイしている人間とも距離の近い人です。
さゆり先輩は憧れの先輩。
木戸先輩は共感できる先輩。
一言で表すと実に対照的な二人ですが、
実際はどちらも一言で表せない魅力満載なキャラだったわけでして、どうしてもっと広くメモを残さなかったのかと自分で自分を責めてやりたいです。
そんなわけで以下、どこかの木戸先輩ファンが少しでも先輩を感じる事が出来れば幸いの本編メモです。
『木戸曜子』 メモ
◆◆
「ところで、○○」
「なんですか?」
「あたしがどうして恋愛研究部に入ったか、話したことあったっけ?」
「……いや、聞いたこと無いですね」
「実はね……。さゆりのマグカップ割っちゃって」
「ええっ!?」
「ウソウソ冗談だって」
な、なんだ。ふたりそろって同じミスをしでかしたのかと思った。
「ホントはねー」
「思い出、欲しかったからなんだ」
「思い出、ですか?」
「うん。卒業するまでの、ね」
「たとえば、こうやって好きな人と一緒に買い物するとか」
先輩は俺の手をそっと握ってきた。
「これだけでも、ただの買い物とは違うよね」
「大事な高校時代の思い出だよ」
「その……思い出づくりのために俺をつれてきたんですか?」
「それもあるよ」
「でも本当は――○○と一緒に買い物したかっただけ」
つないだ手を、先輩はブンブン振った。
「こういうふうに、ラブラブしながらさっ」
「ラブラブ、ですか……」
恥ずかしそうに、だけどうれしそうに先輩は笑う。
手の動きを先輩に任せてしまいながら、俺はその笑顔を眺めていた。
◆◆
昼休み、木戸先輩と屋上で待ち合わせた。
屋上に顔を出すと、先輩はすでに来ていた。
フェンスにもたれて、ぼんやりとどこか眺めている。
「木戸先輩」
「お、来たね」
名前を呼ぶと、にっと先輩は笑った。
「けっこう急いで来たつもりでしたけど、普通に負けましたね」
言いながら、俺は先輩のそばに近づいていく。
「待ってるあいだ、何を見てたんですか?」
「ここからの景色全部を見てたんだよ」
「……この眺めが見られるのも、今年で最後だからね」
卒業の話だ。
先輩はちょっとだけ、寂しそうな顔をする。
「まだ先の話じゃないですか」
「でも、あっというまだよ」
「本当にあとちょっとで、ここから出てかなきゃならないし」
先輩はフェンスの外に目をやった。その横顔は、ちょっとアンニュイなかんじ。
今日の先輩は、そういう気分なのかな。
「…………」
なんだか、先輩にこういうの似合わないな。
休みの日のことを考えているときは、うれしそうにしてるのに。
俺はいま、うれしそうな先輩を見たかった。
「先輩」
「ん?」
「今度……遊びませんか?」
「うん、どこに行くか決めよっか」
先輩は勢いよく、もたれていたフェンスから身体を離した。
「ご飯食べながら、決めよっ」
そうして、最後の予定を考えながらのランチタイムが始まった。
◆◆
「もうこんな時間なんですよね」
「時間が経つの、あっという間です」
「そうなんだよね」
「楽しい時間ほど、不思議と早く過ぎちゃうんだよ」
「この時間もたぶん、すっごく早く過ぎちゃうんだろうね」
「○○と、こうしていられる時間も」
「また卒業の話ですか?」
「決まってんじゃん」
憂いをふくんだ顔で、先輩は小さく笑った。
「こういうとき、すっごく思うんだ」
「○○と同じ学年がよかったなあ、って」
「そうすればあと一年、同じ場所で思い出つくれるでしょ?」
「思い出づくり、ですか……」
そのために、恋愛研究部に入ったと、先輩は言っていた。
「なあんか、もったいないよ」
「せっかく○○と会えて……せっかく付き合えたのに」
「それなのに、あたしだけ今年で卒業なんてさ」
「もっともっと、○○との思い出、ほしいよ……」
「…………」
確かに、俺たちが高校で思い出をつくる時間は、そう多く残っていない。
だけど――だけど、そのあとがあるじゃないか。
「……先輩、何か勘違いしてません?」
「……え? 何が?」
「高校にいないと恋愛ができない、ってわけじゃないんですよ」
「それとも、卒業したら俺を捨てる気ですか?」
「な、何を言って――」
「――っ!」
「……先輩」
街のど真ん中で、俺は先輩を抱きしめていた。
人の目なんて、関係ない。ただ、なんとかして先輩に伝えたかった。
離れられないし、離れたくないということを。
「ちょっ……何、して……」
「ずっと一緒です」
「えっ……」
「先輩は高校からいなくなるけど」
「だから、その……哀しいことばっかり言わないでください」
「確かに高校で一緒に過ごす時間は、あと少しですけど」
「そのあともっと長い時間、ずっと一緒に過ごせるじゃないですか」
「ずっと、一緒……」
先輩が俺の背中に手を回してくれた。
「――そうだよね」
「卒業したって、思い出つくれるんだよね」
俺は返事の代わりに、もっと強く先輩を抱き寄せた。先輩も、ぎゅっと俺に抱きついてくれる。
それからしばらくのあいだ、俺たちはそうしていた。
――いま、この瞬間だって、ふたりの大切な思い出になる。
「ずっと、○○と一緒に……」
「たくさん思い出つくりたいよ」
「ずっと、ずっと一緒に……」
まるで誓いのような先輩の声。
俺は目をつむって、それに聞き入っていた。
◆◆
引用終わり。シリアスな先輩ばかりで、明るく活発な先輩を感じられないのが非常に無念。しかも、木戸先輩のタペストリーは未だに入手できず。持ってる人が羨ましいです――。
※2018年2月、ついにタペストリーを入手出来ました!!
大胆ビキニに赤ら顔の先輩。何よりアングルが最高です!ずっと探してたので凄く嬉しい。
上手く語れた自信はありませんが、誰かが木戸先輩を思い出すきっかけになれれば幸いです。
次は『清水弥生』について語りたいと思います。
ソシャゲ『君と一緒に2』
『君と一緒に2』長澤さゆり
『君と一緒に2』清水弥生